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元凶現る
しおりを挟む「今から呪文を唱えろ!俺のを復唱すればいい!」
「………分かった!」
「我、唱える、悪しき心浄化し、天に導く。」
シヴァが阿修羅を構え、唱えて斬りかかる。
アーヴァインも復唱して、撃っていく。
アーヴァインの銃弾の波に入らないように、重ならないようにシヴァはアーヴァインに合わせて動く。
沢山の人達が倒れ、光に包まれて行った。
「…………この部屋だけ浄化する。………まだ他に気配を感じる。………ジュリアナもここに居てくれ。」
「私も行く!………ほらっ!」
鞭を持って来ていたのを知らなかったシヴァ。
「能力、コレに注ぎ込めない?」
「…………急には無理……。」
驚きを隠せないまま、ジュリアナのおでこを弾く。
「ここに、居ろ!………アーヴァインも残ってもらうから。………アーヴァイン、まだ大丈夫だと思うが、もしここの人達がまた同じようになったら、今の様に撃ってくれ、浄化された人間は、侵された間の記憶は無くなるから気にしなくていい。………ソロの様子も気になる。」
「あ、待って、コレ………お兄様の指輪、役に立つなら持ってって。」
「…………これ…………兄上……まだ持ってたのか……ありがとう、借りる。」
シヴァは部屋一帯を浄化した後、近衛兵達も置いて1人で駆け出して行った。
「お兄様………どうか、シヴァを守って……。」
手伝いが出来ないジュリアナは祈るしか出来なかった。
一方、ソロも苦戦をしていた。
子供達から魔の気配があるのを気にし、声を掛けたソロ。
ソロもまた、子供達や、保護員達から襲われていたのだ。
(あの先に、重い気配を感じるのに、人数も多いし、子供達を斬りつけるのは、良心が痛む………。シヴァ様が一気に浄化出来るなら、ここ迄しなくてもいいのだが、元凶が何処にあるか定まらん。)
「……………何だ、ジュリアナ王女連れてないんだ。」
「!!」
森の奥から、1人の女の子が現れる。
「院長に、ジュリアナ王女連れて来るように操作したのに、何か失敗したみたいだね。」
「……………君は?」
「ボク?ここの子さ……。親に捨てられて、気が付いたらここに居て、そしたらどんどん王女が憎くなったんだ。でも、来るのは王や王子ばっか……。ボクは先見の眼が欲しいのに……。王女が来る、て言ったから、能力開放したのに、オジサンなんだもん。」
「………君が出してるのか?」
「………多分?ボクの中にもう1人居るけど、どっちか分かんない。オジサン、王女来るまで遊んでよ。」
そう言った少女は、両手を広げ、背から黒い渦のオーラを出す。
「!!!」
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