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ライオネルの不運
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「クソッ!道を開けろ!!王妃を殺してもいいのか!!」
兵士に捕まえられていたミレーユをライオネルが奪う様に、抱き締めると首元に剣を向ける。身体を拘束されていないまま捕まえられていたミレーユにはチャンスという他はない。
「ひ、妃殿下………」
「如何すれば………ローウェン様」
「道を開けてはならない!!妃殿下は此処で救出する!!」
「し、しかし………」
ローウェン側の方の兵士達は、ヴァルム元伯爵の娘であるミレーユに剣等向けられない。
そして、アスラン側の兵士達も同様で、アルジャーノンの兵士達全て、王城の外に追い出す様に囲むだけで、それ以上の事は出来ない。
何台も馬車があるが、ローウェンが移動させたのか、逃走に使われない様に、馬も離されていた。
―――逃走経路、逃走用の馬車も馬も、直ぐには無理………なら……私が隙を作るしかない…………私がこんな事出来るなんて、この人は思わない筈
ミレーユはライオネルの手首を掴む。
「暴れるな!リタ!」
ライオネルは力づくでミレーユを抑え込もうとした時、ミレーユは動いた。
「ゔっあぁああぁあ!!」
ライオネルが剣を落とし、悶え苦しんでいる。咄嗟にその剣をミレーユは拾って、ライオネルに剣を向けた。
「リタ?」
「え?何したの!?嬉しいけど!!」
アルジャーノン兵士達もかなり驚き、同様が隠せず挙動不審になっている。
「グレイシャーランド兵!!アルジャーノン兵士達を拘束しなさい!!アルジャーノン兵士達!武装を解きなさい!!国王の命は貴方達次第よ!!」
ライオネルはまだ右腕を押さえ、苦しそうにしている。アスランがライオネルの身体を起こすと、ライオネルの右小指が関節が反対に折れていた。
「…………リタ?」
「人間の関節、て脆いの……指、て鍛えられないから、力あっても簡単に反対に折り曲げると、かなり痛いわ…………護身術の1つよ」
「すっご~い!!ミレーユ!そんな事知ってたんだ!!」
「義父上か………」
「うん………力では男性には敵わないから」
「俺…………やられなくて良かった………」
「………本当だねぇ………そうしたら面白い結果になっていたかもね、アッシュ」
ローウェンが緊張感を無くし、ヘラヘラと笑う。
「許さんぞ!リタ!!おい!早く治療させろ!!」
ライオネルの腕を背中に回し、兵士数人に剣を向けられると、ミレーユは剣を置く。
「許さなくて結構です………私も許しませんし、もう貴方とは会いたくありませんから」
「これより!公開処刑を行う!!」
「こ、公開処刑だと!!ふざけるな!!アスラン!!」
「この男!アルジャーノン国王であるにも関わらず、グレイシャーランド王妃を誘拐拉致を試みた!!そして、我が国グレイシャーランドでの法律を犯した罪により、その罰則を受けて貰う!!」
「なっ!!何故俺が他国の法律に従わなければならない!!」
ライオネルの言葉は最もだが、グレイシャーランドでの法を知らないから、と逃げ出させはしない。
「郷に入れば郷に従え………お前がグレイシャーランドの法律を知らないでは済まさない………グレイシャーランドでは女性全員に伴侶、婚約者以外性的行為をしてはならない………お前はそのつもりで、妃を拉致しようとした」
「未遂ではないか!!」
「未遂じゃないっしょ……侍女達にも暴行させといて………ライオネルは自分以外大事じゃないから、痛みを知らないんだよ」
「ローウェン!!兄を呼び捨てにするな!」
「は?………もう、縁切った様なもんじゃん……僕をアルジャーノンから追い出しといてさ…………兄上、て呼ぶのも嫌だったよ」
「……………クソッ!!帰ってやるから離せ!!」
「まだ執行してはいない…………誰か!妃を休ませてくれ!!」
「は、はい……妃殿下、此方へ……」
侍女達が、王城内から出て来て、ミレーユを連れて行こうとする。
「え?………見てはいけないの?」
「見ない方がいいよ、ミレーユ…………後からアッシュから聞いてくれる?」
「…………何となく分かるけど………」
「この執行は女性が見るものではない」
「……………分かったわ……来賓方への対応をして来るわね」
「あぁ、頼んだ」
ミレーユは侍女達と、城へと入って行った。
―――切っちゃうんだ………これじゃ、アルジャーノンはライオネル様の治世は終わるわね………お気の毒に……
「さぁ、執行するぞ………足を押さえろ!」
「「はっ!」」
足を開かされたライオネル。押さえ付けられて足も固定されてしまった。
「な、何をするんだ!!」
「脱がせ」
「や、止めろ!!」
「ライオネル………女性への性的犯罪は、再犯を防ぐ為に、男の性器を切り落とす事になっている………それは人口比率が女性が低く、性的犯罪が多かったから出来た法律だ。だから、既婚者、未婚者、子供にさえ、伴侶や婚約者、父親が女性全体の所有者になり、管理する事が義務付けられている。もし所有者以外の男から性的被害が出たらその者の繁殖行為は禁止されるんだ………国王ならある程度近隣諸国の法律ぐらい学んで来るんだな」
「や、止めろ!!俺のを切ったら、アルジャーノンは如何なる!!」
「そんな事は知らん!!……………やれ!!」
ザシュッ!!
「……………ゔっ………ああああああああっ……」
王城門から、悲鳴が聞こえる。それがライオネルの声だと、ミレーユは直ぐに分かった。
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