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自分と違う何か
しおりを挟むサンドール国内の学校に毎日通うサイファだが、唯一負に落ちない事があった………。
生粋のサンドールの国の者は、瞳は緑で髪はハニーブロンドの者が多く、違っても黄色掛かるブロンドなのだが、サイファは違う。
サイファはプラチナブロンドで瞳はコールドブルー。
父アーヴァインとも違う。
アーヴァインはブラウンの髪色。
幼い頃から母は居なかった。
母の事を聞いた事もあったが、アーヴァインの顔が悲しそうで、悔しそうな複雑な顔をするので聞けずに、10年は経っていた。
「うっす!サイファ!」
「おっす!」
後ろから、友人の気配を感じ、声と共に、サイファが考えていた事を打ち破られる日常が始まった。
エルボーやらキックやら友人から仕掛けられる事が多かったサイファ。
毎回避けられるので、友人達は面白がりこぞって仕掛けるのが日課になっていた。
「だぁ!また避けられた!」
「へっ!96勝!」
「何で避けるんだよ!つまんね~。」
「痛えのやだもんよ。」
「………相変わらずね、あんた達。」
アニスは呆れ顔で見ていた。
避けられるのが分かってるんじゃないの、と言っているような顔をする。
それがサイファの朝の日常だった。
授業が始まると、勉強を余儀なくさせられ、何気なくこの日は歴史の授業に耳を傾けていたサイファ。
教師が地図を見せながら話をしている。
「この大陸には5つの国があるが、サンドール、ロートシルト、イブリース、フィーヴァ、ネオフィールドがある。それぞれ継承された能力があるのは知っているか?」
(知るかよ………そんなん。)
サイファは、歴史等興味はない。
「サンドールは雷!」
「お、流石にアニスは知っているな。王家の末裔だしな。」
(あ、そうだったっけ、アニスは。)
幼馴染みのアニスが王家の末裔ぐらいは知っている程度なのだ。
「ロートシルトは分かる者は居るか?」
(…………父さんが、何か言ってた事あったような……。)
「………居ないのか。……ロートシルトの王家は先見の眼だ。予知能力の力がある。それで、ロートシルトもサンドールの様に波瀾万丈の歴史を辿っているんだが、今日はそれを話そう。ロートシルトは王位継承の時期になるとロートシルトは先見の眼で国内の王位継承問題を回避してきた。」
「予知能力スゲ~!欲しい!」
「最近では約20年程前だな。現国王、アレクセイ王と妹ジュリアナ王女との王位継承で内乱が起きた歴史がある………。」
ロートシルトの歴史……。
サイファの記憶には勿論無い。
しかし、アーヴァインがよくロートシルトに行くのは、国王アレクセイからの呼び出し……。
他にはそれぐらいしか、他国の事は知らないサイファ。
「………先生、俺の親父よくロートシルトの国王に呼び出しされるんだけど、そんな話聞いた事ないぞ?」
「何だ、サイファの親父さん、知り合いなのか国王と……。」
「みたい……。」
「…………そう言えば、サイファの髪色と目の色、ロートシルト王家特有の色だな……。」
「はっ?」
「お前血縁あるかもな……。」
「んな、訳ないじゃん!!血縁だったら何でサンドールに居るんだよ!」
クラスメイトから、詰られたサイファ。
サイファ自身も思う。
そんな訳は無い、と………。
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