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サンドール、最後の女王

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「え???」
「アーヴァイン!!早く行きましょう!!」
「………そうだな、行こう!!掃除なんてしていられない!」

 家の戸締まりだけして、アニスの家に慌てて行くアーヴァインとソロ、カーネリアンそれを追うジュリアナ。
 更に遅れてサイファとアニスも追う。

「な、何?おじさんと一緒に居る人達、て誰?」
「………俺の身内と師匠。」
「…………え?お母さん居なかったんじゃ……。」
「話せば長くなるんだよ、今はばぁちゃんの事が優先!」

 サイファは足を早め、ジュリアナの横に。
 アニスを待たず……。

「………ばぁちゃんが、最後の女王、てのは知ってたけど、まさかそんな状態だったなんて……。」
「サイファ……ソロから聞いたの?」
「あぁ………。」
「大丈夫だと願いなさい。」

 ジュリアナはサイファの頭を撫でたのを、アニスは見逃さなかった。

(…………サイファ、誰?その人……。)

 アニスの家に着いたサイファ達。

「アーヴァイン?何処に行ってたんだ、サイファも居なくなって、心配していたんだ!」
「すまない、今こっちに戻ってきたんだ。」
「サイファ…………と他のこの人達は?」
「…………先に、サブリナ様に会わせてもらえないか、ジェッド。」
「………この人達もか?」
「そうだ、無理なら彼だけでも……。」
「………ジェッド……。」

 ソロは既に泣きそうな顔をしている。
 甥と別れたのはソロが10歳の時で、甥はまだ3歳ぐらいだったのだ。

「………彼は君の叔父だよ、ソロだ。」
「……………え?だって、俺より年上だったろ?俺より下に見える!」
「訳はサブリナ様と一緒に話したい、頼む。」
「………分かった、入ってくれ、狭い家だが。」
「急に申し訳ありません。」

 アーヴァインとソロが家の中にそのまま入るのだが、ジュリアナとカーネリアンは深々と頭を下げて入った。
 サイファもジュリアナに見習い、頭を下げる。
 後ろから見るサイファは、今迄と違うサイファに見えるアニスだった。
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