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神殿に行く方法
しおりを挟むロートシルトに戻ったサイファ達を待ち受けていたのは吉報と最悪な報告だった。
ラルドーとノーマンが、アルザスから戻って数日、サイファ達もロートシルトに戻って来た。
「………ほ、本当に………コーラル………良かった………。」
ジュリアナはその場で泣き崩れる。
しかし、喜べる話はそれだけ……。
ノーマンは、フィーヴァがネオフィールドのラファエロの言いなりだった事、イヴリースとフィーヴァが停戦中で、イヴリースのアルザス側が石にされている事を話た。
「ひ、酷い…………なんて酷いの………。よくそんな事出来るわね………。」
ジュリアナの怒りは頂点に達していたのに、更に爆発しそうだった。
「………少し視てみよう。カーネリアン様が言うように、空路から西側に入れるかどうか、も含め、今後の事もな。」
アレクセイが先見の眼で視る間、煩くは出来ない。
ノーマンはルーベンスを連れて、コーラルから聞いた事を伝える為に、執務室から連れ出した。
「え?サーシャと会えたのか!」
「あぁ、サンドールの砂漠近くの街に居たよ、アルザスの貴族だった男とな。そのおかげで、石の花が取れた。」
「あぁ、だからカーネリアン様が居ないのか……飛空艇のラボか?」
「あぁ、研究されておられる……。」
「良かったな、サーシャが無事で。」
ノーマンは精一杯笑顔を作った。
「………ノーマン、俺の事よりお前の方が堪えてるだろ?サーシャからアーニャの事聞いてるぞ?」
「………そうか、サーシャもアーニャ達と一緒だったんだっけ……。」
「今日は、皆で弔いしようぜ、ジュリアナ様だって、今日ぐらいは許してくれるさ…。」
「お、酒盛りか?」
「ラルドー………。」
「沈黙は嫌いでな………。今日は悪酔いしそうだ………。」
「あ、居た。アレクセイ様から話あるぞ。」
3人執務室の外にいたからか、探しに来たアーヴァインが声を掛けた。
「あぁ、行く。」
「アーヴァイン、コーラルに会いに行きたい、て言わねぇな………。」
「アーヴァインは冷静だからな………何が優先すべきなのか分かってるんだろ……。コーラルの伝言をさっき伝えたら、【分かった】だけだしな………。」
「伝言、何だったんだ?」
「【アーヴァインの元に帰るから】だった。」
「…………いいなぁ……信じ合ってて……俺は別れたぞ………。」
「…………だぁ!!ルーベンス!!今日は飲むぞ!!!」
3人は執務室に戻って行くと、やはり深刻な雰囲気。
「………結論を出すなら、危険だな。神殿には空路でも陸路でも行けるだろうが、入る為には闇を持っては入れないだろう……2つの道が視えた。闇を持たず入れば吉、闇を持てば凶。吉ならシヴァは神殿の力を借りて戻せるだろう………ただ、難しいよ………なるべくなら神殿から離れた場所で戦わなければならない。」
「お兄様、それは何故?」
「神殿の森は神聖な土地だからだろうね、血を流してはいけないようだ、闇が沸けば追い出されるね、森から。」
「アレクセイ様、それならあいつらも同じでは………。」
「地の利だな………。戦うならば、自分が戦いやすい場所でなければ負けるという事だね。森の中ではない、周辺で戦い優先権を取らせない事だ。」
サイファは黙ってアレクセイの話を聞いていたが、何か思い立ったようだ。
「浄化の能力は、カムラの者に掛けれないのか?」
「は?何を言ってるの?サイファ。」
「掛けれますよ、でも何故そんな話を?」
「神殿に入る時、闇の有無で入れるんだろ?それは、皆がこれ迄の事に殺意があるからだろ?殺意は闇だ、その闇を吸い取る?浄化したら、入れるんじゃね?」
「………………はぁ………。」
一同溜息をついた。
サイファ以外……。
「何だよ!!」
「…………誰が?」
ジュリアナが呆れ顔だ。
「俺が。」
「誰を?」
「神殿に行く全員?」
「…………話にならない。」
「サイファ様…………今カムラの飛空艇に居る者含め、何人居ると?」
「えっと…………確か100人弱?」
今度はソロが呆れ顔。
「難しいな………。人数が少ないと戦力に不安がある、だからと言って全員は………。」
アレクセイも困った顔をしていた。
「な、何で!?」
「サイファ、能力は無限ではないのよ?シヴァだって、能力を使い過ぎると、数日動けなかった、最近能力の意味を知った貴方で出来るとは思えない。」
「シヴァと二分すればなんとかなるだろうが、そのシヴァが…………な。」
「叔父さんは!?だって、カムラの王子だったんでしょ!?」
「私かい?私はサイファより能力は無いよ。先見の眼の方が強いのでね、浄化は無理だ。」
いい案だと思っていたサイファだったが、やらせてくれなさそうだ。
「ジュリアナ様、出来るかもしれません。サイファ様の頑張り次第ですが。」
「ソロ?」
ソロにとある考えが浮かぶ。
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