ハルフェン戦記 -異世界の魔人と女神の戦士たち-

レオナード一世

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第十七章 決戦前夜

決戦前夜 第一節

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ミーナや魔法使い達の尽力によって、教団が帝都に仕掛けた悪意ある魔法陣は殆ど取り除かれ、帝都は正式に解放された。ヘリティアとルーネウスの戦争も、ヒルダを代表としてロバルトと簡易な終戦宣言がなされ、ひとまず終結を迎えた。正式な会談などまだ残されているものの、帝都はようやく落ち着きを見せ始める。

オズワルドの圧制からの解放、皇女と皇妃の帰還、そしてなによりも、蜂起した教団を伝承の女神の巫女が追い払った事実が、帝都の皇国民の心をかつてないほど高揚させる。ここ数日間、ラナや他の巫女達への賛美と歓声が絶えることはなかった。

そんな帝都の周りは、いよいよ大詰めとなる教団との決戦に備えるために、駐屯する騎士団らのテントと旗印で埋め尽くされている。ラナが連れてきた女神連合軍に加え、ロバルトが率いるルーネウスの諸侯達、そしてオズワルドや教団から解放されたヘリティアの貴族らが、続々と帝都へと連れてきた軍勢も含めて、三国殆どの大戦力が終結しているとも言える。

「まったく、こんな時に社交パーティを開催するなんて、諸侯達は一体何を考えてるのかしら。教団の本拠地がいるパルデモン山脈は大軍には適さないから、今すぐ少数精鋭による機動軍を編成して攻めるべきなのに」
平原を詰めるテント群と久しぶりの城下町を窓から見ながら、母のヒルダとともに皇城の部屋にいるラナが愚痴る。ヒルダは、さもいつものことのように紅茶を優雅に一口飲んだ。

「仕方ないですよ。帝都ここまでの連戦で疲弊した兵士達を休ませる必要もあるし、なによりも、ルーネウスとヘリティアはつい先日まで戦争状態にあったのですからね。少数精鋭でも、士気や団結を先に固めるのは大事ですよ。貴女がセレンティアで招集した人たちとは違って、ここではまだわだかまりのある諸侯達もいるのですから」
「それはそうですけど」

ラナは少し拗ねるようにヒルダの隣に座ると、茶杯をテーブルに置くヒルダ。
「長らく圧制に苦しんだ民達も、たとえ一日でも息抜きは必要です。それに教団の本拠地にはミーナ殿が言った逆三角ネガ・トリニティの陣が敷かれているのでしょう?何も備えなしに突っ込むのは無謀です。貴女もそれを理解していたからこそ、パーティに同意してたのではなくて?」

ラナが小さく溜息つく。
「…ええ、そうでしたね。オズワルドを逃がしたから、少し焦っているのかも知れない」
自分を落ち着かせるように同じく茶を啜るラナ。
「…母上、オズワルドが教団と結託する理由は、あなたでもやはり分からないのですね」

「残念ながら」
ヒルダの顔に少し切なさが滲む。
「ラナも知っているでしょう。あの子は頭こそ良いけれど、昔から何を考えてるのか分からない人であると」
ラナが頷き、ヒルダがギュッと両手を強く握る。

「天才と言うのは常として孤独であるものとは言うけれど、だからこそ人一倍関心を払って、普通の人間らしく育てるべきものだと、今は悔やんでならないわ」
「そんなこと、母上が気にしなくてもいいのですよ」
ラナの表情は凜として決断的だった。

「選択肢が限られる人も勿論あるけれど、最終的にどんな道を生きるのを選択するのはその人自身だし、その結果は否応無しに背負うものよ。オズワルドがいかな理由で邪神教団と手を組んだのは分からないけど、彼は選択を下した。そして彼はいつかその因がもたらす果を受けることになる。ただそれだけのことですから」

一切の迷いも無いラナに、ヒルダが同意するように俯いてはくすりと笑った。
「貴女のそういうところ、やっぱりエイダーンとそっくりね」
「母上…」
どこか寂しそうな苦笑を浮かべるラナは、そっとヒルダの手を握った。

「父上が亡くなった時にここにおられなくてすみません。遺体もしっかりと安置することができずに…」
「それこそ、気にしなくても良いのですよ」
ヒルダがラナの手を握り返し、威厳のあるその顔に慈しみの笑みを浮かべる。
「そのような些細なこと、あの人が気にすることもないのは貴女も知っているでしょう?それよりも、私達がこうして無事に再会できたことを大いに喜ぶべきよ」

いつも凛としているラナの目が潤い、まるで幼子のようにヒルダの膝に顔を寄せた。
「そう、ですね。母上…あなたが無事で、本当に良かった…」
「ラナ…」
ヒルダは少し驚きながらも、何も言わずに優しく彼女を撫でた。
(ふふ、今は二人きりとは言え、この子がこんな素直に甘えるだなんて…。この旅で何かあったのかしら?)

コンコンと扉が叩かれ、ラナは慌てて座りなおした。アランの声が聞こえる。
「ラナ様、レクス様がお見えになります」
「ええ。入らせて」
アランがドアを開くと、手に何かの紙をもって部屋に入ったレクスは、ヒルダとラナにルーネウス流の正式なお辞儀をした。

「ヒルダ陛下、ラナ様、ご歓談をお邪魔したこと大変恐縮でございます」
「良いのですよ、ルーネウスのレクス殿。何かご用ですか?」
「いえ。ただその、お二人様当ての各国からの土産リストが結構溜まってきましたので、私が一度整理してお見せするようにと思いまして」
「またぁ?」

ラナが呆れたような顔を見せる。巫女であり次期ヘリティア皇帝にもなるラナと、現在暫定的にヘリティアの最高権利者であるヒルダに見初められるために、三国の諸侯は帝都を奪還し、次の戦いの準備をしているこの間で実に様々な手法を屈指して好意をアピールしていた。

「こんなつまらないことをする余裕あるなら自軍の編成とか早く済ませて欲しいわね。本当に…」
「そう言うと思って、一部土産は僕とアランの独断で断ったよ。ついでに軍編成を速やかに終えるよう人手も貸してね」
「あら、そうなの?それは助かるわ」

いつもの事務的な返事とはどこか異なるラナの微妙な表情の変化に、母のヒルダは鋭く気付いた。
(なるほど、そういうことだったのね)

「レクス殿、せっかくですから貴方に礼を言わせてくださいな。あのパーティでラナと楽しく遊んでいた子が、まさか軍師としてずっとラナをサポートして来ただなんて、女神様とは面白い出会いを与えてくれるものですね」
レクスやラナが軽く目を見開く。

「覚えていらっしゃったのですか、私のことを…?」
「ええ。この前、貴方の父であるロムネス殿のことも、彼がルーネウス親善団として来訪した時に私とエイダーンはすぐに分かったわ。まだ小さな貴方を連れて子煩悩に悩まされる時のままでしたもの」
「あ、ああ。そういえばそうでしたよね」

少しもどかしそうに頬を掻いてるレクスに、ヒルダは厳かに正座して続いた。
「…ロムネス殿のことは申し訳ないと思っています。我が愚弟のせいで、貴方の父を死に追いやってしまったのですから」
「どうかそう仰らずに、あれはどちらかと言うと教団のせいですから」

苦笑するレクスにヒルダは優しい笑顔を見せる。
「けど、そのご子息が無事でいてくれて、しかもラナをここまで支えてくれたことを知れば、ロムネス殿もきっと誇りに思うと思います。『あの子にはできれば、貴族の紛争に情けなく負けて妻も守れない自分とは違って、賢く逞しく成長して欲しい』と言うぐらいですから」
「父が…そんなことを…」

俯くレクスに、暫く間を置いてから続くヒルダ。
「それにしても、まさかラナが貴方に助力を仰ぐだなんて、いったい何があったら昔に出会った男の子を捜すと思ったんでしょうね」
レクス達に見つめられ、ラナは平然を装って答える。
「別に、単にあの時は彼を探した方が一番戦略的に良いって思っただけよ。それに当の本人は私のことすっっかり忘れてたんですもの。そんな人に私が何かを期待して会いに行く訳でもないでしょ?」

「うぐぅ…それは本当に僕が悪かったですよ~。後でまた美味しいお菓子仕入れてきますから、機嫌を取り直してください。ねっ、ラナ様」
「そう、まあ一応の期待はしておくわ」
さっき以上のフランクさで応えるレクスと、不満の言葉の割にまんざらでもないラナを見て、ヒルダは納得するように頷く。
(なるほど、この子なら確かにラナには丁度良いかも。ふふ、エイダーンあの人が今の二人を見たらどんな反応をするのでしょうね)

一抹の寂しさを感じながらも、それを見せないヒルダは改めて茶杯に茶を注ぎなおす。
「せっかくですからもう少し話を聞かせてくださいな、レクス殿。貴方や今回の旅のことを色々とね」
「よろしいのですか?それでは遠慮なくお邪魔しますね」

レクスが楽しそうな笑顔をラナに見せ、彼女は苦笑して溜息つきながら、少し横に移動してレクスを隣の椅子に座らせた。三人の和気藹々と歓談する様子をドアの外で聞いていたアランは嬉しそうに微笑んだ。


******


高価な彫刻や時計が飾られた別の接待室。そこにある大きなテーブルを囲んで、ルーネウスの当代国王ロバルトはジュリアスとルドヴィグとともにアイシャと言葉を交わしていた。

「今回の戦いは本当によくやってくれた、アイシャ。ミーナ殿と一緒とはいえ、王都から発った際はやはり心配だったが、無事ラナ殿と合流してここまで来られて、我々も、王都にいるローザも君を誇りに思うよ」
「ありがとうございますお父様。これも女神様の良き導きと、共に戦ってきた仲間たちのお陰ですよ」

いつも丁寧なアイシャの口調に幾分の気楽さが混じってることにロバルト達は気付き、その変化に嬉しそうな表情を浮かべた。ジュリアスは恐らくその理由となる人物に視線を向けた。
「そうだな。アイシャが自分にとっての勇者と出会うことができたのだから、女神様は本当に良き導きをもたらしてくださる。しかし…王宮でいつも内気だったアイシャをいったいどんなアプローチで落としたのか、とても気になるな」

その言葉にアイシャは頬を赤く染めて俯き、彼女の傍に座り、ジュリアス達三人の視線を一身に受けるカイは、冷や汗をだくだくと流しながら、まるで石化したかのようにカチコチとしていた。名を馳せる自国の王子二人と、ずっと憧れてた国王ロバルトがすぐ目の前にいる。しかもいつかは自分の義父、義兄になるものだから、その緊張は察するに余りあるものだった。

そんなカイを見てルドヴィグが苦笑する。
「兄さん、そうからかってはカイが可哀想ですよ。彼はとても率直で素朴な少年ですから」
「いや、すまない。可愛い妹がまさか自分より先に伴侶となる人を見つけるのが少し悔しくてな」

「もうっ、ジュリ兄様っ、そうやって人をからかうのは止めてくださいって昔から言ってるでしょうに…っ」
「ははは、いつかは改めないといけないのは分かっているが、なかなかにな。どうか大目に見て欲しい、アイ」
そんな彼らにカイは心の中で納得した。
(そ、そうか。アイのからかい癖は、家族の影響からだったんだな…)

「ブラン村のカイ・ジェリオ」
ロバルトの呼びかけに、カイが再びビシッと背を真っ直ぐにする。
「は、はいっ!」
「まずは君に礼を申し上げたい。昨日の戦場で君の戦いの一端を少しだけ見ることができたが、神器を掲げて率先して人々の前に立ち、アイシャとともに戦うその姿は正に勇者と呼ぶに相応しかった」

「そっ、そんなことっ!お、おれっ、あ、いやっ、私の方こそっ、アイ…じゃなくてっ、アイシャ様に勇者として選ばれたことにめっちゃ嬉し…っ、光栄に思ってるのですからっ!」
テンパってつい素が出てしまうカイにジュリアス達は暫くして楽しそうに笑い出す。

「ははは、なるほどルイの言ったとおり、とても真っ直ぐな心を持っているのがよく分かるな」
「ええ。アイも多分彼のその純朴さに惹かれたんでしょうね」
アイシャは真っ赤な顔を両手で覆い、カイもまたあまりの恥ずかしさに俯いてしまう。
「すっ、すみません!本当は一杯礼儀作法の練習をしてたのにっ、その、あまりに緊張過ぎてこんなみっともないところを見せてしまって…」

「良い。寧ろ君のような人こそ、アイシャに…いや、今のルーネウスの貴族階級には必要だと思っている。ルーネウスは昔からの伝統を、体面や儀礼をあまりに重視しすぎたために国力が著しく衰退していた時期があることは知っているだろう。伝統をおろそかにするという訳ではないが、それに固執し過ぎては見えるべきところが見えなくなるものだからな」
カイはミーナ達とルーネウスの文芸重視による問題の話題を思い出す。

「しかしカイよ。このことを聞くのは酷だが、やはり聞かねばならない。…君がアイシャの勇者となることの意味の重大さは理解してはいるのだろうか」
それが王家の一員になり人々の前に立つことや、この前の会議でも経験した陰湿な陰謀がうずまく貴族世界に身を投じることを指していることだとカイはすぐに理解した。彼は一度心配そうな顔を浮かべるアイシャを見て、安心させるように笑顔を見せると、ロバルトに答えた。

「勿論存じています、ロバルト陛下。元より誰かといることは、その人の全てを一緒に受け止めて歩くのと同義ですから。その覚悟の証として、俺はいままでアイシャと一緒に自分を磨くようがんばってきました。それに――」
今までの旅の経験が、ウィルフレッドの世界の光景と彼の言葉が、カイの胸を熱く燃やす。
「勇者と言われても、それは所詮アイシャや神器がいてからこそ呼ばれるもので、その力は俺自身のものではありません。だから力に溺れず、しっかりと人々の前に立ち、アイシャや皆と手を取り合って謙虚に責務を果たしたいと思ってます。この気持ちが、俺の覚悟の全てなんです」

先ほどとはうって変わって自信に満ちた力強い言葉に、ジュリアスとルドヴィグ、ロバルトは互いに頷いた。カイは少し恥ずかしそうに頬を掻いた。
「って、すみません。何かかっこつけて思ったままに話したら、ちょっと纏まらない内容になりましたね。たはは…」

「いや、そのようなことはないぞ」
ロバルトの威厳溢れる顔は優しい笑顔で綻んでいた。
「君の言葉で確認した。やはり君は勇者だ。力だけでなく善き心も備えている誠の勇者だ。そこは誇りに思っても良い」
「は、はいっ、ありがとうございますっ!」

いまだに恥ずかしさで頭を掻いてるカイだが、彼らしい自信に満ちた雰囲気を纏っていた。アイシャもまた嬉くカイの手を握り、彼はそれを握り返す。ジュリアスが頷く。
「心配しなくても良い、カイ。神器とアイシャに選ばれた勇者とは言え、平民の出である君には暫く他の人達からの嫌味が堪えないだろう。だが私やルイ、父上が必ず君をサポートする」

「ああ、兄さんの言うとおり、俺も精一杯君を助けるよっ」
「邪神教団との戦いが一段落してもまだ辛い道のりが続くと思うが、君ならきっと乗り越えられるだろう」
「はいっ…、どうかこれからも宜しくお願いしますっ!」
今度は完ぺきなルーネウス流のお辞儀をしたカイだった。

コンコンとドアを叩く音が響く。ロバルトが応える。
「入って構わないぞ」「失礼します」
半開きのドアからレクスが丁寧に部屋へと入る。
「恐縮ですが、アイシャ様とカイ殿に例の時間になったと知らせに来ました」

レクスの言葉でアイシャとカイがすぐに立ち上がる。
「カイくん…っ」「ああ、行こうっ。ロバルト陛下、失礼致します」
「うむ。――レクス殿、少しよろしいか」

ロバルトに呼ばれたレクスは、カイ達に先にいくように伝えた。ロバルトもまたジュリアス達に先に離れるようにすると、礼儀正しくお辞儀するレクスの前に立つ。
「私めに何かご用でしょうか、ロバルト陛下」
「ああ。君には一つ詫びを言わなければいけない。ロムネス・アートゥルスとモリー・オーレアンの子よ」

顔を上げるレクスの顔は淡々としていた。
「オーレアン家の件…メリッサのことは、ヴィヴィアンの時から私が直々に対処すべきだった。それを放置したせいで君の母モリーに汚名を背負わせてしまったことを弁解するつもりはない。君が召集に応じないのも道理だ。いかな補填でも、その爪痕を消すのは難しい、だがせめて君には相応の待遇を与えたいと思う。ここまでラナ殿を支えてきたことも含めて」

「補填だなんて大袈裟ですよ、陛下」
レクスはなんともない、いつものどこか抜けた笑顔を見せる。
「母の件を貴方や誰かのせいにするつもりなんて毛頭ありません。メリッサは罪を償うようしっかりと捕まってるし、母の汚名は無事雪がれている。…自分にはそれだけで十分ですから」
「レクス殿」

「…ですけど、そうですね。補填という訳ではないですが、一つだけわがままを言わせていただけますか?」
「申してくれ」
「死んだ父はもはや遺体も見つからないのですが、可能であれば父は王族の流儀にちなんで葬儀を行いたいです。傍系とはいえ、王家の一員の母と婚姻を結んだ彼には、その待遇に相応しいと思ってるのですから」

「ああ。此度の戦いが終わったら必ずそうしよう」
「ありがとうございます、ロバルト陛下。それでは、アイシャ様たちが待っていますので、これで失礼致します」
恭しく一礼するレクスは最後にいつもの抜けた笑顔を見せると、部屋を後にした。

(やはり、今までラナ殿を支えてきたことだけあって、良い青年だな)
テーブルに置いた茶の残りを一気に飲み干すと、ロバルトもまた部屋から離れた。


【続く】


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