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第3章
夢の跡 (R-18)
しおりを挟む「っ…は…ぁ…」
欲を吐き出した後、真田は眠るように意識を失っていった。
かなり身体に負担のかかることをしたのだ。無理もない。
佐助がずるりと後孔から性器を引き抜くと、中に放った精液がポタリと真田の臀部を伝って落ちていった。
「…ゆ、き…むら…」
優しく頬に触れると、艶やかな肌は涙と汗で濡れており、しっとりと佐助の掌に吸い付いた。寝息もたてぬ程寝入っているのか、真田はピクリとも動かない。
佐助は鼓動を確かめるように、真田の紅い跡が散らされた胸に手を当てた。
トクン…トクン…と、心臓は規則正しく脈打ち、底無しの充足感が全身に染み渡っていく。
「…あ、中のもんかき出してやらねぇと…」
ゴムなんてつける余裕がなかったとは言え、腸内に直接吐き出された精液を残したままでは、腹の調子が悪くなってしまう。
佐助はつぷりとゆっくり指を挿入していき、残滓を丁寧にかき出していく。
「んっ……ぅ」
第一関節を曲げる度にイイ所を刺激してしまうのか、真田から時折寝息に混じった嬌声が聞こえる。
全部かき出した頃には、佐助のモノはまた熱を持って勃ち上がっていた。
『くそ…っ!んな声出されたら嫌でも反応しちまうだろーが』
昂る気を鎮めるように、佐助は流し台の蛇口をひねって冷水を頭からかぶった。
ザーッと流れる水音を聞きながら目を閉じる。
そういえば、先刻から一つ気になる事があった。
真田が佐助の名を呼んだあの時、本当に‘真田’自身が言ったのだろうかーーー?
「さ、す…け…」
か細い声で、そう真田は呟いた。
「泣いて…いる、のか…?」
幸村と同じ喋り方ーーー、
「泣く、な…佐助…」
幸村と同じ笑顔ーーー。
「…まさかな…」
真田は何も覚えていない筈だ。
そもそも、前世の記憶なんて思い出さない方がいい。
国や民を守ると言っても、結局自分たちがやってきたことは人殺しに過ぎないのだから。
水を止め、濡れた髪をかき上げれば、幾分か頭は冷えて冷静になった。今度は温水でタオルを濡らし、真田の隣に腰を下ろす。
腹に飛び散った精液を丁寧に拭き取り、全身にかいた汗を拭う。
シャツの釦を閉め、スーツはシワにならないようにハンガーに通し、ラックにかけた。
『この様子だと、暫く起きねぇだろうな』
後処理をしても微塵も起きる気配はなく、今も死んだように眠っている。
真田を布団まで運び、毛布をかけてやれば、もぞもぞと毛布に顔を埋め、更に深い眠りへと入っていった。
佐助は灯りを消して、真田の隣にごろりと寝転ぶ。
手を伸ばせば届く距離にいるのに、数百年の歳月が作り出した空白はあまりにも大きく、真田が途方もなく遠い存在に感じた。
「もう…涙も出ねぇな…」
ポツリと溢れた言葉は、静かな暗闇に溶けていき、誰も聞くことはなかった。
さよなら、俺の愛しい人。
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