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細谷 淳平
第39話 細谷 淳平 ⑲
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涙を堪える彼女の感情が、もう胸を挟んで手に取るように解る。
そして、俺は頭を抱き抱えられたまま、島崎さんの話を聞くことになった。
彼女が言うには、自分は自覚症状のある珍しいタイプの人型ルアーなんだそうだ。
しかし、恋愛感情は普通に抱く事が出来るものの、自身がルアーであるため、それを行使した事は一度も無いのだそうだ。
いや、一度だけ試した事がある、と言って、彼女は俺をようやく解放する。
「私さ、中学の時、同じ中学で部活も同じだっていったじゃない、貴美ちゃんと」
「ああ」
「実はね、細谷君が貴美ちゃんを人型ルアーに釣ってもらいたいって言った時、私、驚いちゃったんだ」
「どうして?」
「だって、私も同じ事を考えた事、あるから」
そう、宇宙人の技術に縋り、俺は貴美を釣ってもらいたいと考えていた。だから貴美と別れようとしたんだ。
それと同じ事を考えた? 考えただけか? 島崎さんがルアーなんだったら・・・・
「じゃあ、どうして貴美を助けてくれなかった? 俺、相談したじゃん、貴美を救いたいって! 宇宙人の力、借りたいって!」
「解ってるよ! 私だって同じ事を考えた、少なくとも、私は条件を満たしていたから・・・・」
「条件? 条件って?」
島崎さんは、少し黙り込んで、その先に話を進ませたくないのがよく解った。それでも、彼女は、思い切って俺に話をしたのだった。
「・・・・覚えていない? 人型ルアーが昇天する条件。お互いが愛し合っていないといけないって」
それって・・・・それって、島崎さんが、貴美の事を好きだったと言っているように聞こえてしまうじゃないか。
「島崎さん・・・・もしかして」
「ああ、そうだよ、私、貴美ちゃんの事、好きだった、好きだったの!」
きっと、届かない想いだったんだろう。それは、俺なんかよりずっと辛い想い。こんな事ってあるのか?
「でも、貴美だって島崎さんのこと、嫌いじゃないだろう」
「友情と恋愛感情は別なんだ。私は貴美ちゃんを恋愛対象として好きだった、でもね、貴美ちゃんは違った。彼女にとって、私はどこまでも仲良しの友達でしか無かった」
「どうして? どうして解るんだよ? 本人に聞いたわけでもないだろうに・・・・もしかして」
「ああ、そうだよ、試してみたよ! キスしてみたよ! でも、何も起こらなかった」
彼女が言うには、入院してすぐの頃、病室で寝ている貴美にこっそりとキスをした事があるんだそうだ。それでも何も起こらなかった。だからその時、貴美の中に僅かでも島崎さんに恋愛の感情が無いことを悟ってしまったんだ。
「私、男のルアーも探したんだよ。でもみつからなかった。貴美ちゃんの気持ちは、もう細谷君に向いていたから。だから本当は、ルアーに釣ってもらいたかった、でも、貴美ちゃんの気持ち考えたら、細谷君と結ばれるのが多分、正しいことなんだって」
そして、彼女は再び俺の頭をキツく抱きしめた。
そして、まだ俺に内緒にしている事がある、って言ったんだ。
そして、俺は頭を抱き抱えられたまま、島崎さんの話を聞くことになった。
彼女が言うには、自分は自覚症状のある珍しいタイプの人型ルアーなんだそうだ。
しかし、恋愛感情は普通に抱く事が出来るものの、自身がルアーであるため、それを行使した事は一度も無いのだそうだ。
いや、一度だけ試した事がある、と言って、彼女は俺をようやく解放する。
「私さ、中学の時、同じ中学で部活も同じだっていったじゃない、貴美ちゃんと」
「ああ」
「実はね、細谷君が貴美ちゃんを人型ルアーに釣ってもらいたいって言った時、私、驚いちゃったんだ」
「どうして?」
「だって、私も同じ事を考えた事、あるから」
そう、宇宙人の技術に縋り、俺は貴美を釣ってもらいたいと考えていた。だから貴美と別れようとしたんだ。
それと同じ事を考えた? 考えただけか? 島崎さんがルアーなんだったら・・・・
「じゃあ、どうして貴美を助けてくれなかった? 俺、相談したじゃん、貴美を救いたいって! 宇宙人の力、借りたいって!」
「解ってるよ! 私だって同じ事を考えた、少なくとも、私は条件を満たしていたから・・・・」
「条件? 条件って?」
島崎さんは、少し黙り込んで、その先に話を進ませたくないのがよく解った。それでも、彼女は、思い切って俺に話をしたのだった。
「・・・・覚えていない? 人型ルアーが昇天する条件。お互いが愛し合っていないといけないって」
それって・・・・それって、島崎さんが、貴美の事を好きだったと言っているように聞こえてしまうじゃないか。
「島崎さん・・・・もしかして」
「ああ、そうだよ、私、貴美ちゃんの事、好きだった、好きだったの!」
きっと、届かない想いだったんだろう。それは、俺なんかよりずっと辛い想い。こんな事ってあるのか?
「でも、貴美だって島崎さんのこと、嫌いじゃないだろう」
「友情と恋愛感情は別なんだ。私は貴美ちゃんを恋愛対象として好きだった、でもね、貴美ちゃんは違った。彼女にとって、私はどこまでも仲良しの友達でしか無かった」
「どうして? どうして解るんだよ? 本人に聞いたわけでもないだろうに・・・・もしかして」
「ああ、そうだよ、試してみたよ! キスしてみたよ! でも、何も起こらなかった」
彼女が言うには、入院してすぐの頃、病室で寝ている貴美にこっそりとキスをした事があるんだそうだ。それでも何も起こらなかった。だからその時、貴美の中に僅かでも島崎さんに恋愛の感情が無いことを悟ってしまったんだ。
「私、男のルアーも探したんだよ。でもみつからなかった。貴美ちゃんの気持ちは、もう細谷君に向いていたから。だから本当は、ルアーに釣ってもらいたかった、でも、貴美ちゃんの気持ち考えたら、細谷君と結ばれるのが多分、正しいことなんだって」
そして、彼女は再び俺の頭をキツく抱きしめた。
そして、まだ俺に内緒にしている事がある、って言ったんだ。
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