その失踪事件には 〇〇人が関与している

独立国家の作り方

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細谷 淳平

第41話 細谷 淳平 ㉑

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「ねえ細谷君、もう大丈夫なの?」

 いつものように、優等生的な優しさで俺に近付いてくる高坂さんは、ささくれた俺の心のじんわりと癒す。
 それでも、俺は島崎さんに、男としてとても酷い事をしてしまった。
 貴美の死から、まだ1週間も経過していないというのに、俺は別の女性の事でこれほど悩んでいるなんて。
 メンタルが、もう流石に限界だった。
 今、高坂さんと言う友人を失えば、俺は立ち直れないかもしれない。でも、島崎さんとあった事を相談できる相手も高坂さんだけだ。
 俺は、高坂さんに、俺と島崎さんとの間に何があったのかを白状しようと考えた。
 こうして、放課後に俺は高坂さんを校舎裏に呼び出した。

「どうしたの? ・・・・この場所って、あれだよね」

 ああ、もう、本当に俺はデリカシーの欠片も無いな。ここって、俺と島崎さんとで、高坂さんにキスする計画を立てたあの場所じゃん。

「あ・・ごめん、他にいい所が見つからなくて」

 すると、高坂さんは少し笑って「嫌という訳じゃないのよ」と、フォローしてくれた。
 本当に優しいな、高坂さんは。彼女にとっても、あれはファーストキスだったに違いない。
 再び自己嫌悪する俺。それを見て、少し怒り気味で高坂さんは更にフォローしてくれた。

「もう、そんなに落ち込んでいたら、細谷君にとって私とのキスが、嫌な思い出みたいに見えるじゃない! ファーストキスだったんだぞ」

 やっぱりそうだよな。俺は、彼女に対して、誠意を見せる事も出来ない。俺の中には貴美がいる、きっと永遠に。

「あのさ、俺、高坂さんになんてお詫びしたらいいか・・」

「だから! もう、加害者みたいにならないで! 私が細谷君を好きな事まで悪い事みたいになっちゃうじゃない!」

「俺の中には、まだ、貴美が居るんだ、貴美が。だから、きっと俺は二人に何もしてあげられない」

「・・・・二人?」

 ああ、もう俺は本当にこう言う所、ダメだよな。いきなり白状してしまった。
 ここまで来たら、もう話してしまおう。
 俺は、島崎さんが人型ルアーである事、貴美の事が好きだった事、そして彼女にキスをしたことを、全部話した。
 また、高坂さんには泣かれるだろうか。
 いや、軽蔑されるかもしれない。でも、ここまで一緒にやって来た二人に、隠し事何てできやしない。
 しかし、高坂さんのリアクションは、意外なものだった。
 それはもう、腹を抱えて大笑い・・・・何で?

「もう、本当に細谷君は最高だね! そっか! それであの子、学校休んで! ッハハ! もう! ザマ無いわね」

「そんな言い方しなくても。俺が悪いんだし。彼女もきっと傷付いているから」

「いいのよ、そんな事気にしなくて。私、知ってたんだ、島崎さんが貴美ちゃんと細谷君の事、両方好きだってことも。そして、彼女が人型ルアーだってことも」

 おいおい・・・・マジか? え? そうなの?
 人型ルアーだって所まで、全部? なんで?

「それじゃあ、俺が人型ルアーを探している時に、どうして教えてくれなかったの?」

「だって、キスの事や、貴美ちゃんの事で、もうそれどころでは無かったし。でもね、あの子、私にあれだけ汚いって罵ってるけど、自分だってルアーの事隠していながら、私にキスするよう差し向けたんだから。気付いていたのよ、細谷君の胴体に、ロープが巻きつけられていたでしょ? 島崎さんが、私にキスするよう仕向けたんだって」

「そこまで解っていて、どうして高坂さんは・・・・俺に怒らないの?」

「怒ってるよ、でもね、私たち3人は、きっと同じ気持ちを共有しているから・・・・」

 3人? 高坂さんと、島崎さんと・・・・あと一人は?
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