その失踪事件には 〇〇人が関与している

独立国家の作り方

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グレイ

第68話 許す?

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「ちょっと、急にお別れなんて、何なの? 一体何の話?」

《見て解らないかい? 僕たちの姿を》

「いや、グレイでしょ? さすがに知っているよ、でもそれとお別れの意味が私には解らない」

《そうか・・・・解らないのか》

「正直、僕たちにも解りません、どうでしょう、私たちにも解るように説明して頂けませんか?」

 正宗さんの言う事はもっともだ。
 そう思っていると、何も無かった空間に、突然人数分の椅子と、大きな円卓が出て来た。

「ここに座れと?」

《ああ、何もお構い出来ないが》

 すると、グレイの一人が邦弘グレイの方を向いて《随分、人類の慣習に詳しくなったな》と。
 そうだな、考えてもみれば、グレイが「お構い出来ない」って、少しおかしい。
 いや、本当におかしいだろ、グレイがお茶出したり、お菓子出したりして接待してたら!
 円卓会議の先端を切ったのは、工藤部長だった。

「まずは、我々を助けて頂き感謝します。私はこの案件を長年担当してきた者です。正直、ここまで来る事が出来るとは、予想外でした。それでも担当者として、あなた方のして来た事に対して、全てを許した訳ではないのです」

《許す? と言う事は、貴方は何か怒っていると?》

 グレイの一人がそう言うと、邦弘グレイが話に割って入って来る。
 それは聞きなれない音域の、それでも日本語だった。

「私から説明させてもらいたい。まず、我々の調査は、現地人類の生命に危害を及ぼさない事、不幸なその後にならないよう保証することで、この調査は開始された。故に、今日まで我々の中に、人類に危害を及ぼしている、と言う認識が無かったのだ」

「勝手に昇天させて、記憶をいじる事が悪意じゃないって、そこがそもそも上から目線だって思わないのか?」

 細谷さんの言う事は正しい。でも、きっと噛み合っていない。

《実際に上に居るのだから、上からの目線は止むを得ないと思うが。そもそも、記憶に干渉し、不幸を回避させているのだから、誰も不幸にはなっていないし、不幸を認識できない。何が問題なんだ》

「それでも、ここに居る俺たちは、記憶も全部揃っているし、昇天行為を悪意と思っている」

《ああ、一連のエラーについてだね。そこは申し訳ないと感じている。まさか人類側がこのエラーの全てを集めるとは予想していなかった。これは工藤部長、君の仕業かな?》

「ええ、私が指揮を執っています」

《そうか、君は優秀だな。これだけ記憶操作をしている中で、よくここまで真理に到達できたものだ》

「お褒めに預かり光栄ですが、私たちの調査で、一番核心部分について、聞かねばなりませんね」

 核心部分? そう言えば、工藤部長のグループは何を調査していたんだろう。

「それについては、私から説明させてほしい、良いかな、工藤部長」

 邦弘が右手を上げて発言する。
 やっぱり邦弘は邦弘なんだな。
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