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過去:お昼ご飯と、チームメイト
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「違う! 直人の冗談に騙されるなよ!」
だけど、同じクラスの梶本はピンと来たらしい。
「あ、もしかして野田か?」
言い当てられて天を仰ぐ。
「何アレ、言い寄られてたのか、お前? 可愛い男引き連れてんな~とは思ってたんだけど」
「やめろ、その言い方。そんなんじゃないって言ってんだろ」
「なんで? 可愛いじゃ~ん」
完全にバカにしてやがる。
「そうか! 梶、同じクラスか! 野田くん可愛いよね~!」
直人と二人で揶揄いモード全開だ。
だけど、そんな俺たちの後ろ。
「あれですか? その可愛い子ちゃんって」
そう言って小泉が廊下を指さすから、俺たちはばっと廊下に視線を送った。
そこには、弁当を持ってじっとこちらを見ている野田がいた。ついてきたのかよ……っ!
「おー、お前かぁ? 柄沢に付き纏ってる可愛い子ちゃん!」
ダメだってば……っ! ここにいるやつら、揃いも揃って全員陽気なんだから!
「来いよ!」
「おいで!」
「一緒に飯食おう!」
こうなるだろぉぉぉ……っ。
不安そうにこちらを見ていた野田の顔にぱっと笑顔が咲いて、飛び跳ねるように音楽室に入ってくると、「やっぱり!」って笑った。
「柄沢くんの友達、みんないい人!」
その言葉は、学校内で『柄が悪い』と言われ続けているこの面子にとって、救いのような言葉だったのかもしれない。
ほとんどのメンバーが、一瞬で落とされた。
「良い人だって! 分かってんな、チビ!」
「そう、俺らめっちゃいい人!」
「ちっとも怖くないぜ?」
「あはは! 嘘言うな! それはこえ~わ!」
皆、嬉しそうだった。
野田が仲間だと皆から認められるのには、さほど時間を要さなかった。一緒に昼食を摂る日数が増え、岩ちゃんも紹介し、中学生のミツにも会わせた。
これが俺のチームだと紹介するのに、一か月もかからなかったように思う。俺は正直、嫌だったんだ。喧嘩も出来ないようなやつをチームに置いとくなんて怖くて出来なかった。それにバイクにすら乗らないんだ。そんなやつを仲間にしてどうしろっていうんだよ……。
だけど皆は違ってた。
いいやつじゃんって。面白い男だって。バイクくらい俺の後ろに乗せてやるって皆そう言った。気乗りしなかったのは、俺だけ……。
「僕、喧嘩は出来ないけど、みんなの怪我の手当てをするよ! 救護班ね!」
そう言って救急箱を頭の上に乗せた優臣は「任せて!」と顔いっぱいに笑った。
この時の笑顔が忘れられない。
優臣は、底抜けに前向きで、元気な男だった。
だけど、同じクラスの梶本はピンと来たらしい。
「あ、もしかして野田か?」
言い当てられて天を仰ぐ。
「何アレ、言い寄られてたのか、お前? 可愛い男引き連れてんな~とは思ってたんだけど」
「やめろ、その言い方。そんなんじゃないって言ってんだろ」
「なんで? 可愛いじゃ~ん」
完全にバカにしてやがる。
「そうか! 梶、同じクラスか! 野田くん可愛いよね~!」
直人と二人で揶揄いモード全開だ。
だけど、そんな俺たちの後ろ。
「あれですか? その可愛い子ちゃんって」
そう言って小泉が廊下を指さすから、俺たちはばっと廊下に視線を送った。
そこには、弁当を持ってじっとこちらを見ている野田がいた。ついてきたのかよ……っ!
「おー、お前かぁ? 柄沢に付き纏ってる可愛い子ちゃん!」
ダメだってば……っ! ここにいるやつら、揃いも揃って全員陽気なんだから!
「来いよ!」
「おいで!」
「一緒に飯食おう!」
こうなるだろぉぉぉ……っ。
不安そうにこちらを見ていた野田の顔にぱっと笑顔が咲いて、飛び跳ねるように音楽室に入ってくると、「やっぱり!」って笑った。
「柄沢くんの友達、みんないい人!」
その言葉は、学校内で『柄が悪い』と言われ続けているこの面子にとって、救いのような言葉だったのかもしれない。
ほとんどのメンバーが、一瞬で落とされた。
「良い人だって! 分かってんな、チビ!」
「そう、俺らめっちゃいい人!」
「ちっとも怖くないぜ?」
「あはは! 嘘言うな! それはこえ~わ!」
皆、嬉しそうだった。
野田が仲間だと皆から認められるのには、さほど時間を要さなかった。一緒に昼食を摂る日数が増え、岩ちゃんも紹介し、中学生のミツにも会わせた。
これが俺のチームだと紹介するのに、一か月もかからなかったように思う。俺は正直、嫌だったんだ。喧嘩も出来ないようなやつをチームに置いとくなんて怖くて出来なかった。それにバイクにすら乗らないんだ。そんなやつを仲間にしてどうしろっていうんだよ……。
だけど皆は違ってた。
いいやつじゃんって。面白い男だって。バイクくらい俺の後ろに乗せてやるって皆そう言った。気乗りしなかったのは、俺だけ……。
「僕、喧嘩は出来ないけど、みんなの怪我の手当てをするよ! 救護班ね!」
そう言って救急箱を頭の上に乗せた優臣は「任せて!」と顔いっぱいに笑った。
この時の笑顔が忘れられない。
優臣は、底抜けに前向きで、元気な男だった。
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