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突然スタートさせられた異世界生活
スタートする復讐~攻め方の違い~
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この国を呪い始めて10日。そろそろ医者のもとに大勢が詰めかけているはずだ。何日も眠れないのだから、発狂寸前の人もいるかもしれない。
「今は医者にかかるのも大変みたいですよ?」
久しぶりにラヴァルさんが部屋に来た。私が市民に襲われてから部屋から出てこないから、その間の報告やら何やらを全てラヴァルさんに任せっきりにしてしまっていた。
「なぜですか?」
「悪夢が続くというので皆、寝不足なんですよ。昼寝すら出来ないんですから。だから薬を求めて何とか眠ろうと医者に詰めかけているんです。特に幼い子供がいるところはかなり大変みたいですよ。」
「貴族は家に医者を呼ぶ事が普通でしょう?そうしたらその道中で、医者を乗せた馬車が市民に襲撃されることもあるんだとか。」
マリーナがラヴァルさんの言葉の後に続けた。
「まぁ……。なんて恐ろしいの。」
切羽詰まっているのは分かるけど、医者乗せた馬車を襲撃するとか何でそんなに野蛮なの。切羽詰まらせているのは私だけど。
「ラヴァルさんは眠れているんですか?」
「えぇ。今のところ特に不調は感じませんね。それに弱い者が爆発して死ぬなんて人間だけがかかる奇病か呪いの類いですかね?まったく…。」
ラヴァルさん、人間に興味無さすぎなのがよく分かる。そして鋭い。でも犯人が私だとは気付いていないみたい。
「まぁ、この国には敵が多いですから…。」
とガーラさん。
魔族の人にとっては他人事かもしれない。でもそのうち必ず、無関心ではいられなくなる時が来る。いや、私がそうさせる。
だから今は、目の前の人間だ。
「国の上層部が五月蝿くなりそうですね。」
私がそう言うと、ラヴァルさんは予想していたのか、
「聖女を利用して功績を立てる絶好の機会ですからね。皆、あの回復能力を持つ聖女を利用したくて堪らない。ですが、そうしようにも彼女は能力を全く使いこなせていないですからね。ララも身辺に気を付けなさい。常に護衛と一緒に行動して一人にならないように。いくら回復は出来ないと言っても、同じ聖女だというだけで連れ去られる事も視野に入れて警戒して下さい。いいですね?」
私は素直に頷く。
多分神力を使えば回復だって何だって出来そうな気もするけど、正体がバレるから絶対に使わない。
「もしラヴァルさんがこの騒動の首謀者だったら、次にどこを狙いますか?…対策とか予測って出来るものなんですか?」
「過去に例がない事態ですから難しいでしょうね。ふむ、私だったら…、始めに医者や薬屋、研究者を仕留めて回復できないようにしてから広範囲に病や呪いを広げますね。より犠牲者を出すならその後は幼い子供や成人前後の若い世代を狙います。次代が死んでいなくなれば後は女と年寄りだけですからどうとでもなるでしょう?」
ラヴァルさんは…、うん、何か予想してた通りって感じだね…。計画的に確実に潰しにいくスタイル。
「ガーラさんは?」
「私だったら…、王族や騎士団など国の中枢から呪いを撒きます。国が混乱している時に医者や教会、孤児院など人が集まる主要な箇所を攻撃します。何か不足の事態が起きた時、人は必ず群れますからそこを叩くんです。」
ガーラさんの意見は頭から潰すスタイルだ。なんか、戦闘民族って感じがする。考えにここまでの差が出るとは…。
まぁ、弱いものから倒すのはセオリーよね。私の場合?私は弱い者から狙っていくスタイル。だから今はきっと子供と高齢者が対象になっている。そのうちか弱い女性も対象になるだろう。
あのぼんくら皇太子達には、じわじわと追い詰められる感覚を是非味わって欲しい。
「今は医者にかかるのも大変みたいですよ?」
久しぶりにラヴァルさんが部屋に来た。私が市民に襲われてから部屋から出てこないから、その間の報告やら何やらを全てラヴァルさんに任せっきりにしてしまっていた。
「なぜですか?」
「悪夢が続くというので皆、寝不足なんですよ。昼寝すら出来ないんですから。だから薬を求めて何とか眠ろうと医者に詰めかけているんです。特に幼い子供がいるところはかなり大変みたいですよ。」
「貴族は家に医者を呼ぶ事が普通でしょう?そうしたらその道中で、医者を乗せた馬車が市民に襲撃されることもあるんだとか。」
マリーナがラヴァルさんの言葉の後に続けた。
「まぁ……。なんて恐ろしいの。」
切羽詰まっているのは分かるけど、医者乗せた馬車を襲撃するとか何でそんなに野蛮なの。切羽詰まらせているのは私だけど。
「ラヴァルさんは眠れているんですか?」
「えぇ。今のところ特に不調は感じませんね。それに弱い者が爆発して死ぬなんて人間だけがかかる奇病か呪いの類いですかね?まったく…。」
ラヴァルさん、人間に興味無さすぎなのがよく分かる。そして鋭い。でも犯人が私だとは気付いていないみたい。
「まぁ、この国には敵が多いですから…。」
とガーラさん。
魔族の人にとっては他人事かもしれない。でもそのうち必ず、無関心ではいられなくなる時が来る。いや、私がそうさせる。
だから今は、目の前の人間だ。
「国の上層部が五月蝿くなりそうですね。」
私がそう言うと、ラヴァルさんは予想していたのか、
「聖女を利用して功績を立てる絶好の機会ですからね。皆、あの回復能力を持つ聖女を利用したくて堪らない。ですが、そうしようにも彼女は能力を全く使いこなせていないですからね。ララも身辺に気を付けなさい。常に護衛と一緒に行動して一人にならないように。いくら回復は出来ないと言っても、同じ聖女だというだけで連れ去られる事も視野に入れて警戒して下さい。いいですね?」
私は素直に頷く。
多分神力を使えば回復だって何だって出来そうな気もするけど、正体がバレるから絶対に使わない。
「もしラヴァルさんがこの騒動の首謀者だったら、次にどこを狙いますか?…対策とか予測って出来るものなんですか?」
「過去に例がない事態ですから難しいでしょうね。ふむ、私だったら…、始めに医者や薬屋、研究者を仕留めて回復できないようにしてから広範囲に病や呪いを広げますね。より犠牲者を出すならその後は幼い子供や成人前後の若い世代を狙います。次代が死んでいなくなれば後は女と年寄りだけですからどうとでもなるでしょう?」
ラヴァルさんは…、うん、何か予想してた通りって感じだね…。計画的に確実に潰しにいくスタイル。
「ガーラさんは?」
「私だったら…、王族や騎士団など国の中枢から呪いを撒きます。国が混乱している時に医者や教会、孤児院など人が集まる主要な箇所を攻撃します。何か不足の事態が起きた時、人は必ず群れますからそこを叩くんです。」
ガーラさんの意見は頭から潰すスタイルだ。なんか、戦闘民族って感じがする。考えにここまでの差が出るとは…。
まぁ、弱いものから倒すのはセオリーよね。私の場合?私は弱い者から狙っていくスタイル。だから今はきっと子供と高齢者が対象になっている。そのうちか弱い女性も対象になるだろう。
あのぼんくら皇太子達には、じわじわと追い詰められる感覚を是非味わって欲しい。
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