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しおりを挟む「あ、」
カレンダーがふと視界に入って、思わず声が出た。
そういえば今週の土曜は記念日だ。
彼がちゃんと記念日だと覚えているかはわからないけど、毎年この日だけは絶対にあけてほしいとお願いしていた。
それ以外は何もわがまま言わないから、と。
そもそも彼に記念日なんて概念あるのか?
毎日幼馴染との記念は覚えていそうだけどな。
なんて自嘲しながら考える。
「覚えて……くれてるのかな」
覚えていなかったらどうしよう。
オレは、その時何か言えるのだろうか。
どうして彼の事になるとこんなに自信がなくなるのかわからないけど、やっぱり彼に愛されている自信が皆無だからだろう。
はーあ。
不毛すぎる。
なんでオレは彼の事こんなに好きなんだろう。
なんでオレは彼の事こんなに嫌いになれないんだろう。
バカみたいだ。
何度目になるかわからないため息を吐いた時、ピコンッとスマホが鳴った。
通知には彼の名前。
ドキッとしながら開いてみると、
『予定あけるのって今週の土曜でよかったよな?』
とちゃんと約束を覚えていてくれたようだ。
下がらない口角はそのままに
『んーちゃんと覚えてたんだね。そうだよ』
とかわいくない返信。
絶対に今の顔は誰にも見られたくない。
だっていつも幼馴染を優先する彼が、こんな約束をちゃんと覚えていてくれた。
ただそれだけで有頂天!
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