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第二章:田沢京子
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***
こんな朝っぱらから……まずはそう思ったの。
なんたって朝の四時よ。ひっどい夢みて、汗びっしょりで飛び起きてさ、いつも通りに虚しい気分にとらわれていたわけ。しかしまあ、どうして夢から覚めるとあんな気分になるのかしら? 夢の内容なんてすぐに忘れちゃうのにね。何か大事な物がするっと手から抜け落ちていくっていうか……でも、その欠片がね、こう囁くわけですよ……自分の人生これで良いのか? とかね。
まあ、そんなブルーな感じだけど、あたし鼻が悪いんで口をあけっぱで寝るのね。
で、結果、毎朝口の中がべたべた。だから水を飲もうと思ったの。あたしの部屋二階なんで下の台所にいくべ、と。
だけど、階段降りた所の窓、これ、うちの横のゴミ捨て場がまる見えなんだけどさ、そこのカーテンが開いてるわけよ。
で、階段を降りるにつれて、そろそろ朝日が拝めそうな薄暗さの中、外がだんだん見えてくるの。
近所の婆さんが椅子に座ってるのよ。
うちの横って、住宅街の一番奥でさ、アパートと挟まれて道が終わってて、そのまま裏の道まで通じちゃえばいいのに、なんでか行き止まりにして近所のゴミ捨て場にしてあるわけ。大通りに面したとこに『この先、行き止まり:町内会一同』なんて看板まで貼ってあるんだけど、それでも、よく車が入ってきて、おっかしいなあ、ここ前は道が向こうまで通ってませんでしたっけ? とかなんとか言いながら懸命にUターンしてるんだけどね。結局ちょっと前にゴミ捨て場の後ろにフェンスができて、大きいマンションが建ったんだけどさ、百メール以内にゴミ捨て場って三つもあるのよ? うちの隣ってのは便利だけど、こう、税金の無駄っていうか、行政の闇を感じるわけですよ。
あ、近所の婆さんの話だけど、その人、葦田のおばちゃんって呼ばれてるのね。うちの二軒隣でさ、おばちゃんっていうけど、まあお婆ちゃん。老婆なんですよ。
ぶっちゃけ、あたしはこの人、なーんか好きなんだけどさ、ちょっとぼけ――ええっと認知症になっちゃってるみたいなんだよね。いつも同じ服着ててさ、まあ、汚い感じじゃないんだけど、近所をうろうろしてて、ずっとぶつぶつ何か言ってるの。
(テロップ)――みんな気味悪がってる?――
え? いやいや、まあ、ああいうのって慣れちゃうと普通っていうか、空気っていうか、風景の一部っていうか、アパートに新しく引っ越してきた人とかが、すっげぇ顔してる時があるけど、じきその人も慣れていくわけでさ。ま、日常なんだよね。
で、葦田のおばちゃんはゴミ収集が無い日は折り畳みの椅子を持ってきて、ゴミ捨て場に座るのね。あれ、なんていうか知らないけど、緑の大きなゴミボックスあるじゃない。上をスライドさせるやつ。あれにぴったり椅子をくっつけて、一日中座ってぶつぶつ言ってるわけよ。
で、その日の朝よ。ゴミ収集が無い火曜日。確かに葦田のおばちゃんが『座る日』なんだけどさ、だけど、朝の四時だよ? 外まだ薄暗いんだよ? いや、ホント新聞配達してる人が心臓麻痺起こすってーの。
――怖かった? もしかして悲鳴を上げたとか――
いやいや、ははは……吃驚したけどさ、いつも通りだからねえ。野良猫は近づいたら引っ掻く奴もいるけど、葦田のおばちゃんはそういう事はしないの。むしろほとんど動かないの。まるで座禅してるみたいだね。ま、時々、尻ポジ修正の為かなんかでもぞもぞはするんだけど。
だからまあ、そのまま階段を降りて行ったわけですよ。え? いや、足音は殺したけどさ。気付かれて目があったりしたら、気まずいっしょ? で、まあ無事降り切って、窓に背を向けて、右手に玄関を見ながら――あ、うちの階段って玄関の正面にあるの。で、玄関を通り抜けて居間兼台所に入ったわけ。で、水飲んでもう一眠りって思ったら、カチって音がしたの。
――何の音だったんですか?――
ほら、誰か来たり猫が通ったりすると外のライトが点くあれ、あれのカチっ。新聞配達にはちょっと早いし、足音もしなかったんで、野良猫が横切ったなと思ったわけ。
――違った、と? ――
うん。玄関のドアにあるスリットの磨りガラス越しにね、ぼんやりとした黒い影が見えるのよ。真っ黒い影。
ちょっと前にさ、やっぱり擦りガラス越しに真っ白い顔が覗き込んでるって動画がネットで話題になったじゃない。あれは風で揺れてる花だったっけ? だから一瞬ギョッとしたけどさ、よくよく考えてみたら玄関の横に母さんが鉢植えとか一杯置いてるんだよね。だから、まあ、一瞬息が詰まったけど、そういうことか、と思ったわけ。
でもさ……ドアの外のセンサーって、元からある物に反応するんじゃなくて、なにがしかの大きな動きに反応するんじゃなかったっけ? それに玄関のドアのスリットはドア中央部に二つ開いてるのよ。そんな所に、つまり、ドアのド真ん前に鉢植えは置かないでしょう?
また、カチッ。
ライトが消えてる。
でも、もう外が薄明るかった。
誰かが、いや何かがドアの外にいたの。
勿論人だったと思うよ。頭と肩と腕が判ったから。背? 小さいから多分子供。近所の子供かって? ま、早朝着席ババアがいるなら、早朝玄関引っ付き児童がいてもOKだね。
でもねえ、真っ黒なんだよ。
うちのドアの磨りガラス、無色なんだよ。誰かその前に立てば、幾ら明け方だっていっても服の色とか柄とか、肌の色だってわかるわけ。
それなのに、そいつ真っ黒。大体、夜だって真っ黒はないじゃない。
そこで、ちょっと思い出したんだ。
よくさ、道路にさ、黒っぽい染みとかがあるじゃない。あれが、そういえば玄関の前にあったなって。
どうしてかな、あたしの頭の中で、それと黒い影ががっちり結びついたんだ。
ここで、あたしの事をちょっと話すけど、まああれ。いわゆる霊感もち。死んでる人が見えたり、妙な声が聞こえたり、電柱の影になんか変なねじくれた奴が見えたりするって人種。だから、呼ばれてこの動画に出てるんだけどさ。いや、信じてくれなくてもいいよ。だけど、あたしはその時、染みと影は関係あるなってピンと来たわけ。
話を戻すと、その影がね、よく見ると動いてるの。左手、だと思う部分がじりっじりって上がってくの。
あ、って思った。しまったなあって。
ピンポーンってチャイムがね、鳴ったの。
カメラが点く音がして同時にノイズが入った外の音声が、あたしの右手の方のインターホンから聞こえてくる。幽霊が見える時っていうか見えちゃった時はさ、無視するのが一番なの。向こうに気づかれると面倒なんだ。ついてこられちゃって部屋の机の裏とかに立ってたりすると最悪。
だから、必死に目がそっちに行かないようにしたの。
でもね、声が。ノイズで歪んでるんだけど、聞こえたの。
性別は――ちょっとわからないかな。年齢もね。なんかいっぱい喋ってるのよ。大勢で、ザワザワ、ワシャワシャッて感じでさ。
ん? 何を言ったかって?
それがよく判らないの。大勢ってせいもあるんだろうけど、なんかこう、ぐちゃぐちゃでざらざらした音でさ、、耳から入って、頭の隅の方でじんわり拡がるだけ……みたいな?
でも、まあ、どうでもいいのよ。こういうのは後で、はっ! と内容が判る物だからね。
それに、こういう声とか音とかを聞くことなんてよくあるし、嫌だったら返事をしなければいいだけだしね。向こうも多分探ってる段階だからね。
でもね、その後が最悪。あたしの立ってた場所がねぇ……。
その時、居間兼台所のドアにいたの。わかる? 左手には玄関。右手にはさっき降りてきた階段。それで……
――ああ、正面は――
そう、カーテンがひいてない窓。
べったりとね。
べったりと葦田のおばちゃんが窓に張り付いてこっちを見てたのよ……。
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こんな朝っぱらから……まずはそう思ったの。
なんたって朝の四時よ。ひっどい夢みて、汗びっしょりで飛び起きてさ、いつも通りに虚しい気分にとらわれていたわけ。しかしまあ、どうして夢から覚めるとあんな気分になるのかしら? 夢の内容なんてすぐに忘れちゃうのにね。何か大事な物がするっと手から抜け落ちていくっていうか……でも、その欠片がね、こう囁くわけですよ……自分の人生これで良いのか? とかね。
まあ、そんなブルーな感じだけど、あたし鼻が悪いんで口をあけっぱで寝るのね。
で、結果、毎朝口の中がべたべた。だから水を飲もうと思ったの。あたしの部屋二階なんで下の台所にいくべ、と。
だけど、階段降りた所の窓、これ、うちの横のゴミ捨て場がまる見えなんだけどさ、そこのカーテンが開いてるわけよ。
で、階段を降りるにつれて、そろそろ朝日が拝めそうな薄暗さの中、外がだんだん見えてくるの。
近所の婆さんが椅子に座ってるのよ。
うちの横って、住宅街の一番奥でさ、アパートと挟まれて道が終わってて、そのまま裏の道まで通じちゃえばいいのに、なんでか行き止まりにして近所のゴミ捨て場にしてあるわけ。大通りに面したとこに『この先、行き止まり:町内会一同』なんて看板まで貼ってあるんだけど、それでも、よく車が入ってきて、おっかしいなあ、ここ前は道が向こうまで通ってませんでしたっけ? とかなんとか言いながら懸命にUターンしてるんだけどね。結局ちょっと前にゴミ捨て場の後ろにフェンスができて、大きいマンションが建ったんだけどさ、百メール以内にゴミ捨て場って三つもあるのよ? うちの隣ってのは便利だけど、こう、税金の無駄っていうか、行政の闇を感じるわけですよ。
あ、近所の婆さんの話だけど、その人、葦田のおばちゃんって呼ばれてるのね。うちの二軒隣でさ、おばちゃんっていうけど、まあお婆ちゃん。老婆なんですよ。
ぶっちゃけ、あたしはこの人、なーんか好きなんだけどさ、ちょっとぼけ――ええっと認知症になっちゃってるみたいなんだよね。いつも同じ服着ててさ、まあ、汚い感じじゃないんだけど、近所をうろうろしてて、ずっとぶつぶつ何か言ってるの。
(テロップ)――みんな気味悪がってる?――
え? いやいや、まあ、ああいうのって慣れちゃうと普通っていうか、空気っていうか、風景の一部っていうか、アパートに新しく引っ越してきた人とかが、すっげぇ顔してる時があるけど、じきその人も慣れていくわけでさ。ま、日常なんだよね。
で、葦田のおばちゃんはゴミ収集が無い日は折り畳みの椅子を持ってきて、ゴミ捨て場に座るのね。あれ、なんていうか知らないけど、緑の大きなゴミボックスあるじゃない。上をスライドさせるやつ。あれにぴったり椅子をくっつけて、一日中座ってぶつぶつ言ってるわけよ。
で、その日の朝よ。ゴミ収集が無い火曜日。確かに葦田のおばちゃんが『座る日』なんだけどさ、だけど、朝の四時だよ? 外まだ薄暗いんだよ? いや、ホント新聞配達してる人が心臓麻痺起こすってーの。
――怖かった? もしかして悲鳴を上げたとか――
いやいや、ははは……吃驚したけどさ、いつも通りだからねえ。野良猫は近づいたら引っ掻く奴もいるけど、葦田のおばちゃんはそういう事はしないの。むしろほとんど動かないの。まるで座禅してるみたいだね。ま、時々、尻ポジ修正の為かなんかでもぞもぞはするんだけど。
だからまあ、そのまま階段を降りて行ったわけですよ。え? いや、足音は殺したけどさ。気付かれて目があったりしたら、気まずいっしょ? で、まあ無事降り切って、窓に背を向けて、右手に玄関を見ながら――あ、うちの階段って玄関の正面にあるの。で、玄関を通り抜けて居間兼台所に入ったわけ。で、水飲んでもう一眠りって思ったら、カチって音がしたの。
――何の音だったんですか?――
ほら、誰か来たり猫が通ったりすると外のライトが点くあれ、あれのカチっ。新聞配達にはちょっと早いし、足音もしなかったんで、野良猫が横切ったなと思ったわけ。
――違った、と? ――
うん。玄関のドアにあるスリットの磨りガラス越しにね、ぼんやりとした黒い影が見えるのよ。真っ黒い影。
ちょっと前にさ、やっぱり擦りガラス越しに真っ白い顔が覗き込んでるって動画がネットで話題になったじゃない。あれは風で揺れてる花だったっけ? だから一瞬ギョッとしたけどさ、よくよく考えてみたら玄関の横に母さんが鉢植えとか一杯置いてるんだよね。だから、まあ、一瞬息が詰まったけど、そういうことか、と思ったわけ。
でもさ……ドアの外のセンサーって、元からある物に反応するんじゃなくて、なにがしかの大きな動きに反応するんじゃなかったっけ? それに玄関のドアのスリットはドア中央部に二つ開いてるのよ。そんな所に、つまり、ドアのド真ん前に鉢植えは置かないでしょう?
また、カチッ。
ライトが消えてる。
でも、もう外が薄明るかった。
誰かが、いや何かがドアの外にいたの。
勿論人だったと思うよ。頭と肩と腕が判ったから。背? 小さいから多分子供。近所の子供かって? ま、早朝着席ババアがいるなら、早朝玄関引っ付き児童がいてもOKだね。
でもねえ、真っ黒なんだよ。
うちのドアの磨りガラス、無色なんだよ。誰かその前に立てば、幾ら明け方だっていっても服の色とか柄とか、肌の色だってわかるわけ。
それなのに、そいつ真っ黒。大体、夜だって真っ黒はないじゃない。
そこで、ちょっと思い出したんだ。
よくさ、道路にさ、黒っぽい染みとかがあるじゃない。あれが、そういえば玄関の前にあったなって。
どうしてかな、あたしの頭の中で、それと黒い影ががっちり結びついたんだ。
ここで、あたしの事をちょっと話すけど、まああれ。いわゆる霊感もち。死んでる人が見えたり、妙な声が聞こえたり、電柱の影になんか変なねじくれた奴が見えたりするって人種。だから、呼ばれてこの動画に出てるんだけどさ。いや、信じてくれなくてもいいよ。だけど、あたしはその時、染みと影は関係あるなってピンと来たわけ。
話を戻すと、その影がね、よく見ると動いてるの。左手、だと思う部分がじりっじりって上がってくの。
あ、って思った。しまったなあって。
ピンポーンってチャイムがね、鳴ったの。
カメラが点く音がして同時にノイズが入った外の音声が、あたしの右手の方のインターホンから聞こえてくる。幽霊が見える時っていうか見えちゃった時はさ、無視するのが一番なの。向こうに気づかれると面倒なんだ。ついてこられちゃって部屋の机の裏とかに立ってたりすると最悪。
だから、必死に目がそっちに行かないようにしたの。
でもね、声が。ノイズで歪んでるんだけど、聞こえたの。
性別は――ちょっとわからないかな。年齢もね。なんかいっぱい喋ってるのよ。大勢で、ザワザワ、ワシャワシャッて感じでさ。
ん? 何を言ったかって?
それがよく判らないの。大勢ってせいもあるんだろうけど、なんかこう、ぐちゃぐちゃでざらざらした音でさ、、耳から入って、頭の隅の方でじんわり拡がるだけ……みたいな?
でも、まあ、どうでもいいのよ。こういうのは後で、はっ! と内容が判る物だからね。
それに、こういう声とか音とかを聞くことなんてよくあるし、嫌だったら返事をしなければいいだけだしね。向こうも多分探ってる段階だからね。
でもね、その後が最悪。あたしの立ってた場所がねぇ……。
その時、居間兼台所のドアにいたの。わかる? 左手には玄関。右手にはさっき降りてきた階段。それで……
――ああ、正面は――
そう、カーテンがひいてない窓。
べったりとね。
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