悪役令嬢ですが婚約破棄されたこともあって異世界行くには妥協しません!

droit

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第九話

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 わたしたちは遺跡の奥へ進んでいくと、そこには大きな扉が待ち構えていた。扉には複雑な魔法陣が刻まれており、それを解除しなければ開くことはできないようだった。

「この扉の先に、きっと遺跡の秘宝があるはずよ。」

わたしは扉の前で立ち止まり、その魔法陣をじっくりと観察した。古代文字が描かれた魔法陣は、ただの装飾ではなく、強力な結界を形成しているようだった。

「姉さん、この魔法陣を解ける?」

セオが心配そうに尋ねる。わたしは微笑み、力強く頷いた。

「もちろん。わたしに任せて。」

わたしは手をかざし、魔法陣に意識を集中させた。古代の呪文を唱えながら、ゆっくりと魔法陣を解いていく。複雑な構造を持つ結界だったが、わたしの知識と力で少しずつその力を削り取っていった。

数分後、魔法陣が完全に解除され、扉がゆっくりと開かれていく。その向こうには、広大な空間が広がっており、中央には輝く水晶が浮かんでいた。

「これが遺跡の秘宝か…」

セオが呟くように言った。その水晶からは、圧倒的な力を感じる。まさに、この世界に存在する最強の魔力が封じられていることがわかる。

「でも、この力はあまりにも強大すぎる。扱いを誤れば、この世界そのものを破壊しかねないわ…」

わたしはその力に警戒しながら、慎重に水晶に近づいていく。しかし、その時だった。突然、空間が歪み、別の存在が現れた。

「やはり来たか…」

暗い声とともに、黒いローブを纏った人物が現れた。その姿は、まるで闇そのものが具現化したようだった。

「誰だ!」

セオが剣を構え、敵に向き合う。しかし、黒いローブの男は冷笑を浮かべるだけで、何の反応も見せない。

「私はこの秘宝の守護者。お前たちがここに辿り着いたことは驚きだが、この力を手にするには相応の代償を払ってもらおう。」

彼の言葉に、わたしは身構えた。これまでの戦いとは違う、まったく別次元の力を感じたからだ。

「わたしたちは、この力を手にするためにここまで来た!何があっても諦めるつもりはないわ!」

わたしは強い決意を込めて言い放った。しかし、その守護者は一切の感情を見せず、淡々とした声で続けた。

「ならば、その覚悟を示してみせろ。」

その瞬間、彼が手をかざすと、空間が激しく揺れ、強烈なエネルギーが放たれた。わたしとセオはその圧倒的な力に圧倒され、一瞬で距離を取らざるを得なかった。

「これまでの敵とは全然違う…!」

わたしは全身に緊張を走らせながら、セオに視線を向けた。彼もまた、必死に耐えながら、わたしに向かって力強く頷いた。

「でも、二人ならきっと勝てるわ。絶対に諦めない…!」

わたしは全ての力を解放し、セオと共に最後の戦いに挑む決意を固めた。この戦いを制し、遺跡の秘宝を手に入れることで、わたしたちはさらなる高みへと進むことができると信じていた。
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