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ヨーロッパ・アジア - Eurasia -

ベヒーモス

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 ベヒーモス


 カバ、もしくは象に似たとされる巨大な幻獣。『旧約聖書きゅうやくせいしょ』の『ヨブ記』四十章に記されており、骨は青銅の管、肋骨ろっこつは鉄の棒のようだという。沼や川のあしの中にんでおり、その食欲は非常に旺盛で、千もの山にえる草をむさぼり食うとされる。また、獣たちの王と言われており、動物たちにはしたわれていたようだ。神がつくったという最高傑作とされたベヒーモスだが、後年になるとベヘモット(もしくはベヘモス、ビヒモス)と呼ばれる悪魔のモデルにされてしまう。ベヘモットは象の頭を持つ太鼓腹たいこばらの巨人で、七つの大罪のひとつである暴飲暴食を象徴している。これは、先に述べた旺盛な食欲が転じたためであり、海の怪物レヴィヤタンと対をなす陸の怪物となった。象頭の人間というイメージは、インドの神ガネーシャからきているという説も存在する。また、アラビアに伝わって、魚の姿に変わったのが、バハムートである。その巨大な身体で大地を支えているとされるバハムートは、その鼻孔だけで七つの海を悠々とおおい隠すほどだったと伝えられている。
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