OWNER OF LONELY HEART

偽バッチリー中田

文字の大きさ
1 / 6
第一章

オールナイトジャポン

しおりを挟む
著者 バッチリー中田

 
OWNER OF LONELY HEART
(オーナーオブロンリーハート)

 
まえがきとあらすじ

 
プログレッシブロック・バンドYESの大ヒット曲『OWNER OF LONELY HEART』から題名頂きました

ユウキが、メインパーソナリティのローカルインターネットラジオ番組『オールナイトジャポン』
 
病欠のユウキに代わり、急遽メインパーソナリティに大抜擢されたのは、アシスタントの伊豆原ハズキだ

ゲストにはユウキの知人、ターコ・アンド・ヤーキーズのメンバー達がライブ告知の為に参加する
 
生放送中、ゲストにリスナーも巻き込み、ハプニングだらけのオールナイトジャポンはどこへ向かうのか?

ラジオは孤独人のオアシス!
リアルとファンタジーの交差世界へいってらっしゃい

 
プロローグ
 

与田ユウキ(ヨダユウキ)は晴れの国、岡山県蒜山高原にある従兄弟の一軒家で暮らしている
 
従兄弟の設楽佑(シタラタスク)が先月からスウェーデンに出張中で、早くても半年は帰国しない予定だ
 
その間、ユウキは自然と背中合わせの生活を満喫している

高校時代のユウキは登校拒否になり、実家に引きこもって好きな音楽やラジオ番組を聴いて過ごしていた
特にイジメに合っていたとかでは無い
 
ユウキは中学時代に、アメリカのロックバンド『ベルベット・アンダーグラウンド』をラジオで聴いて衝撃を受けた
それ以来、ポストパンクに夢中になり、学校の友人とも次第に話さなくなってしまったのだ
 
高校に進学してから一週間は登校したが、それ以降は一度も学校に行かずに引きこもり生活を続けていた
 
成人式の日も部屋の中に閉じこもり、一歩も外に出なかった

そんなユウキに、突然奇跡が舞い降りる

ユウキは、YouTubeやTikTokを使い、自身の楽曲を毎日アップし続けていた
ある日曜日の朝、ユウキの作品を観たという音楽クリエーターが連絡してきたのだ
なんと、その人物は人気クリエーター集団『マクセルX』の中心メンバーのウォンカだった

マクセルXは、世界的に人気のクリエーターチームで映像、芸術、音楽、ファッションなどの幅広い分野で活動するカリスマアーティスト集団である
《二〇二六年の世界に最も影響を与えた十人》に選出された
だが授賞式会場には、メンバーの誰一人も現れなかった

ウォンカは双子の弟ワーインと音楽ユニット《ウォンカワーイン》として活動している
作品自体はテクノ、ハウス、ヒップホップなどダンスミュージックが中心だが、ワールドミュージックの普及と存続に、熱の入った活動を続けている
最近では特に、日本民謡に興味がある様子で、現在は日本の何処かに滞在中らしい

ウォンカに見出されたユウキは、ただのニートから音楽中心の生活へシフトチェンジした
ウォンカのプッシュもあって、マクセルXからの依頼をメインに寝る間も惜しんで仕事に明け暮れる
今では個人的な仕事も請け負うようになり、サウンドクリエイターとして国内外で活動している。

ユウキが一番意外だったのは、作詞が高く評価されて仕事に繋がっている事だった。
普通なら自身の経験からイメージを膨らませ心に響く詩が書ける筈だ。
ユウキは引きこもりでコミ障なので、一般的な青春だったり社会生活の経験が無い。
しかし、それが逆にメリットになっている。

ユウキ自身が自ら選択した道だが、全く悩みが無かった訳でも無い
引きこもりだって、思春期の少年らしく人には言えない悩みを抱えているのだ。
ユウキと同じような経験をしながら、生きている人達にはユウキの言葉は芯をついてくる。
経験者だからこそのリアルな言葉が少年少女に刺さったようだった。

ユウキはマクセルX事務所の下請け業務委託契約になっている。
個人の仕事は依頼者から直接請負うので、数をこなすとゆうよりは一つ一つ丁寧に作業を進めていくスタイルである。

親のスネを齧るだけの生活から、急に裕福になった成り上がりであるが、余り物欲が無いタイプなので預金は勝手に増えていった。

誰しも貧しさから解放されると、世の中に対しての考え方も変わっていくものだが、ユウキも例外では無い。

ユウキはマクセルXと仕事をするようになり、彼等の思想や社会貢献など積極的な姿勢に感銘を受けた。
格差社会からくる貧困や犯罪、環境問題や利権争いによる戦争被害などを真剣に考えるようになった。
今自分のできる事は何かを模索しながら、マクセルXの社会貢献運動にも積極的に参加している。

そんなユウキは昨年から月に2~4回の頻度でインターネットラジオ番組を始めた。
番組名はオールナイトジャポン(某有名ラジオ番組のパクリである)
ラジオの内容はユウキの仕事関係や人間関係でのエピソードとゴシップ、ユウキがハマっている〇○、リスナーなんでも悩み相談、この3本コーナーを軸に生放送している。

オールナイトジャポンを始めた頃は、リスナーの殆どがユウキのファンだったので、年齢層は十代~二十代前半が八割を占めていた。

ユウキは基本的に一人で仕事をしていて、他人とのコミュニケーションはLINEでやり取りしている。
インターネットラジオを始めて三ヶ月ぐらい経った頃、ラジオ番組のリスナーだった伊豆原ハズキをラジオ番組のアシスタントとして採用した。
ハズキがアシスタントになってから、徐々にリスナーの年齢層も広がってきた。

ハズキは武蔵野美術大学卒業後、埼玉県の実家に戻り、アルバイトをしながら油絵を描いていた。
元々はマクセルXの大ファンで、ウォンカワーインのリミックスアルバムからユウキの存在を知った。
その後はユウキの楽曲を漁りまくっている。

ハズキはオールナイトジャポンのアシスタントに採用されてから、ユウキの仕事も手伝うようになった。
現在の住まいは、ユウキが借り住まいしている一軒家の離れで、来客用に使用していた二LDKの部屋で暮らしている。

オールナイトジャポンは、ユウキの仕事場のレコーディングスタジオから生放送している。
スタジオはユウキの住まいから10キロほど離れた森の中にあって、ユウキの拘りで潜水艦を改造して使えるようにした。(潜水艦自体はタダ同然だったのだが、内外装の改造にはかなりの金額をかけているようだ)
潜水艦の着想は、ユウキが大好きなウェスアンダーソン監督の名作ライフアクアティックかららしい

ハズキがユウキのアシスタントになってからは、スタジオの雰囲気が明るくなり優しいオーラが漂っている。
ナチュラルな親しみ易さが、オールナイトジャポンのリスナーに浸透していった。
ハズキ効果で知名度も上がってきた事で、ゲストも度々訪れるようになった。

因みに、オールナイトジャポンには他にもスタッフが二人いる。
プロデューサー兼作家の山田ちゃんとPAのマモルちゃんだ。
二人ともユウキが信頼できる友人である。

さて、今夜もそろそろ生放送がはじまりそうだ
 

〈第一章 オールナイトジャポン〉

 
ある小春日和の生放送

パパラパパ パパラパパ パパラパパ パパラパパ
オールナイトジャポンのオープニングテーマ曲《ソウルボサノバ》が流れる

※余談なので本編とはあまり関係ない話
昭和の頃、クインシージョーンズのこの曲は、大阪モード学園のCMで使われていたので関西人には馴染み深い

平成になっても、サッカーブラジル代表のロナウドやロナウジーニョが、ビーチサッカーを楽しむ映像でインパクトのあったナイキのCMが有名だ
有名アーティストのカヴァ曲やサンプリングのネタでも使われているので、読者も一度は耳にした事があるかも知れない

《ソウルボサノバ》を番組オープニング曲に使ったのには、ユウキが兵庫出身で小さい頃に聞いていた懐かしさからだ
それに、本家の老舗ラジオ番組《オールナイトニッポン》の有名なオープニング曲《ビタースウィートサンバ》にかけてブラジリアンミュージックだから採用した

因みにクインシージョーンズを知らない方に分かりやすく説明する
《マイケルジャクソン》の大ヒットアルバム《スリラー》や《USA for Africa》の《ウィアーザワールド》のプロデューサーだ
《ウィアーザワールド》のMVで、指揮をしている人物こそクインシージョーンズなのである

では本編を続けてご一読ください

「オールナイトジャポン!」

ハズキのタイトルコールで、番組はスタートした

「こんばんわ、オールナイトジャポンパーソナリティのハズキでーす」
「本日も岡山の某森の中より皆様にお送りいたしますねー」
「皆さん風邪ひいてませんか?」
「大分春っぽくなってきましたよねー」
「でも、まだ朝と夜は肌寒いから油断大敵ですよー!体調崩しちゃわないよー気をつけてくださいねー」
「というのもですねー、オールナイトジャポンのメインパーソナリティ我らがユウキ君が風邪で体調不良の為欠席です...残念っ」
「なので、かなり不安なのですが本日は私ハズキがユウキ君の代打でメインパーソナリティを務めさせていただきます」
「生放送で一人喋りはめちゃくちゃ緊張します~」
「でーすが!」
「あっ、まーきの!みたいになっちゃいましたね、アハハハ、古いか」
「えーっと、ユウキ君がこの不安定な環境を心配してくれましてですねー」
「なんとっ!」
「スペシャルなお客様が来てくださっているんですよー!」
「誰だ!誰だ!リスナーさん達も気になりますよねー?」
「では発表しますよー!」
「もー発表しますか?聞きたい?どーしよっかな?うんっ、しつこいか!」
「はいはい、分かりましたっ!」
「心配性のユウキ君がお願いして、お忙しい中来て下さいました今夜のスペシャルゲストはターコ・アンド・ヤーキーズの皆さんでーす、よいしょー!」

パチパチパチパチ(ハズキの拍手)

(ターコ・アンド・ヤーキーズ)
「どうもこんばんは、ターコ・アンド・ヤーキーズです」
「宜しくお願いします」

(ハズキ)
「皆さんお待たせしてすみませんでした、アハハ」

(ターコ・アンド・ヤーキーズのメンバー)
「全然問題ないよ、まだ早いくらいだしねー」

「そーだね、俺もまだ心の準備が出来てないからねっ」

「ハズキちゃんって凄いよねぇ、オープニングの怒涛の一人トークが圧感だったわ!私も見習わないと」
「今日は勉強も兼ねて参加させていただきます」

(ハズキ)
「そんなぁー、本当の事言われたら照れるじゃ無いですか、、、」
「うそうそ、エヘヘ」
「ターコ様、ありがとうございます!」
「リスナーさんには、誰が喋ってるか分からないと思いますので、先ずはターコ・アンド・ヤーキーズさんに自己紹介してもらいましょー!」

ガサゴソガサ(人が動く音)

(平子)
「あっすみません、えー皆さん今晩は、ターコ・アンド・ヤーキーズの一応リーダーの平子です」

(ハズキ)
「私、平子さんはお久しぶりですよねー」

(平子)
「そーだね、ハズキちゃんとは一年振りかな、、、去年のライブ以来だから」

(ハズキ)
「そーですね、私は昨年に観客席からライブを見させて頂きましたので、皆さん存じ上げております」
「リーダーの平子さんとは、ライブ前日にユウキ君と私と三人で、お食事をご一緒させてもらいして、あの時以来とゆう事になりますねー」
「平子さんのバンドでの担当を、リスナーさんに教えて頂けますか?」

(平子)
「えー平子ですハハ、えーギター弾いてます」

(ハズキ)
「平子さん、ありがとうございます」
「では、隣のキュートなお姉様お願いします」

(ターコ)
「キュートだなんて初めましてなのに、ありがとうハズキちゃん」
「えっとぉ、隣のキュートなお姉様やらしてもらってるターコです。なんちゃってねぇ、ウフフ」
「歌唄ってます。リスナーの皆さん今日は宜しくお願いします」

(ハズキ)
「アハハ、ありがとうございます」
「ターコ様は私より歳下ですが、キュートでクールビューティなお姉様なんですよ」

(ターコ)
「ハズキちゃんのが盛り盛りキュートなんだけどね、でも確かにバンド内では、クールなお姉様キャラ設定で大人達に盛られてますねぇ、ウフフフ」

(ハズキ)
「逆にターコ様から褒められてしまいました」
「嬉しいですぅーありがとうございます」
「ターコ様!大人の設定だろうが、そんなの関係ねぇーですよ!」
「私はターコ様推しなんで、リスナーさんもターコ様の歌声はチェキラ!ですから」

(ターコ)
「リスナーの皆さんチェキラらしいので、宜しくお願いします。」

(ハズキ)
「最後は、小島さんどーぞ!」
「あっ先に名前言っちゃった、アセアセ、すみませんお願いします」

(小島)
「ハハハ、ドラム担当の小島です。今日は宜しくお願いします」

(ハズキ)
「小島さんはドラムスなんですが、プロデューサーも兼任されていて凄い人なんですよー」

(小島)
「いやいや、プロデュース自体はバンド全員でやってんだけどね、ウチは曲によって担当が変わるから」

(ハズキ)
「そーなんです、全員で作ってる感じなんですよねー」
「やっぱり、そうゆう日頃の工夫がライブでの一体感を創り上げる秘訣なんでしょうね!」

(小島)
「うーん、どうなんだろうね?フィーリングなんだけどさ、それぞれ気持ち良い方向ってのがあるんだけど、そこら辺が何となく似てんだろうね」

(ハズキ)
「なるほど、興味深いですね」

(平子)
「そーやって俺らが散々メチャクチャ演んだけど、最後に上手くバランスとってくれるのがコジさんなんだよ」
「ハズキちゃんも現場のコジさん見たら驚くよ!」

(ターコ)
「そうそう手品みたいだよ」

(小島)
「なんだよ、珍しく褒めるね鳥肌立つわ、ワハハハ」

(ハズキ)
「皆さん、とっても仲良しで素晴らしいです」
「バンドの濃いめのエピソードなんかは、途中途中お伺いします」
「平子さん、ターコ様、小島さん、ありがとうございます」
「はいっ!今夜のオールナイトジャポンは、ターコ・アンド・ヤーキーズのメンバー御三方をスペシャルゲストに迎えまして、ハズキがお送りしていきます」
「早速ですが、昨年末にリリースされましたターコ・アンド・ヤーキーズ五枚目のアルバム《change》から、私の大好きなファンキーでカッコ良い一曲をリスナーさんにお届けします」
「ターコ・アンド・ヤーキーズで《オーナー・オブ・ロンリーハート~ライブ・イン・コットンクラブ》
聴いてください」

曲が流れだしブースのマイクがオフになる

ー 曲が終わったら、続けてお知らせ入ります ー
プロデューサー兼作家の山田ちゃんから、ハズキにカンペの指示が入った

(ハズキ)
「皆さん今日は忙しい中、急遽来ていただきまして本当にありがとうございます」

(平子)
「大丈夫大丈夫!明日から俺達広島入りだから、ユウキ君にはラジオでツアーの告知していいよって誘って貰ってたんだよ」
「それに、コジさんもターコもハズキちゃんに会いたいって言ってたから丁度いいねーって事で」
「ユウキ君が欠席なのは残念たけど」

(ターコ)
「私もハズキちゃんに会いたかったから、来れてうれしーのよ」
「コジさんは人見知りだから緊張してるけど、ウフフ」

(ハズキ)
「えっ、小島さんがですか?」
「人見知りな方には見えませんけどね、アハハハ」

(ターコ)
「緊張してるのが逆に太々しく見えちゃうタイプだからね、コジさん!フフフ」

(小島)
「俺?人見知りキャラだったの?ターコには、そう見えてんのかな」

(平子)
「ターコ!コジさんは、ただの図々しいオジサンだぜ」

(ハズキ)
「アハハハハハハ!」
「でも今日は、本当にありがとうございます。感謝です」

ターコは鼻から息を吸い込みハズキに尋ねる

(ターコ)
「あのさハズキちゃん、ここのブースの中って独特の香りがするんだけど、何の香りだろ?」

ハズキは息を吸い、首を傾げて答える

(ハズキ)
「あー私も気になってたんですよね、、、」
「もしかしたら、ユウキ君がハマってるマッシュルームのアロマディフューザーですかね?」

(ターコ)
「なんだか不思議な香りよね、私は結構好きかも」
「今度会ったら、ユウキ君に聞いてみようかな?」

(ハズキ)
「私から聞いておきますね」
「平子さんは、ブースの香り気になりますか?」

(平子)
「よく分かんないな?」
「ターコは匂いフェチなとこあんじゃん?」
「俺もコジさんも、匂いには鈍感な方だからね」

(ハズキ)
「小島さんは気になりませんか?」
「平子さんには鈍感だって言われてますけど、アハハ」

(小島)
「俺も良く分かんないな?」
「それよりも、俺達の体臭のが気になんじゃないの?」
「ねぇ平子ちゃん、ワハハハハハ」

小島の自虐ネタに笑いながら話すハズキ

(ハズキ)
「アハハハ!全く気になりませんよ、それに加齢臭好きですから」

(平子)
「ちょっと加齢臭ってさ、コジさんはいいけど俺は傷つくんですけど!」

(小島)
「平子ちゃん、ゆーよねぇ」

(ハズキ)
「あら懐かしいですね、どんだけぇーっ!アハハハ」

小島のおやじギャグでブース内の空気が和む

(ハズキ)
「では皆さん、CM明けにリスナーさんからの相談メールを読んでいきますので、答えれる事だけで良いですからお願いします」

ー そろそろお知らせ終わります ー
山田ちゃんからのカンペが出る

CM明けでマイクがオンに

 (ハズキ)
「はい!今夜のオールナイトジャポンは、ハズキとスペシャルゲストのターコ・アンド・ヤーキーズから、平子さん、ターコ様、小島さんの四人で生放送でお送りしています」

パチパチパチパチ
(ハズキとターコ・アンド・ヤーキーズの拍手)

(ハズキ)
「ターコ・アンド・ヤーキーズで《オーナー・オブ・ロンリーハート~ライブ・イン・コットンクラブ》を聴いていただきました」
「この曲大好きなんですよ!」

(平子)
「この曲ってカバーソングなんだけど、ハズキちゃんはイエスのオリジナルは知ってるの?」

(ハズキ)
「えー!カバー曲なんですか?平子さんが書いたんじゃないんですね!」
「イエスって名前は知ってますけど、古いバンドですよね」

(平子)
「イエスはイギリスのロックバンドなんだけどね、この曲は80'sだから俺はまだ生まれてない頃だけど、コジさんはリアルタイムでしょ?」

(小島)
「俺だって子供だったから、リアルタイムじゃねぇ!」

(ターコ)
「私は知ってるよ!両親がロック好きでイエスのアルバムも母親が良く聴いてたからね」

(小島)
「そーだよな、この曲持って来たのターコだしね、ワハハハ」

(ターコ)
「そうよ、コジさんにイエスのロンリーハート演りたいんだけどって言った時さ、『はぁーオマエいつ生まれだ?』って顔してたもん、フフフフフ」

(平子)
「えっ!俺はてっきりコジさんが演りたいんだって思ってたんだけど」
「コジさんにしては、珍しく趣味いいじゃんって感心してたのにな」
「真相聞いてガッカリだわ」
 
(小島)
「そんな顔はしてねぇけど」
「イエスっていってもこの曲かよ!凄えなって感心したのは覚えてるわ、ワハハハ」

(ハズキ)
「ターコ様のセンス!流石ですねー」

(小島)
「確かに俺じゃ選ばない曲だよな、バリバリのプログレ時代ならまだしもね」
「このアルバムってMTV全盛期だから、ドラマティックなメロディと進行がウケたんだろうね」
「ハズキちゃん、俺は趣味悪くないからね!おぼえといてよ、ワハハハ」

(ハズキ)
「もちろんそんな事思ってませんよ、アハハハ」
「私も生まれてませんけど、八十年代ならではなんですよね」

(小島)
「それでね、ロンリーハートをカヴァするって事になって久々にじっくりイエスのアルバム聴いたんだよ」
「流石プログレッシブ・ロックだな、イエス凄い事やってるな!って感動しちゃったよね」

(平子)
「確かにキャッチーなメロディーだけど、アレンジにプログレ魂と遊び心があってさ、俺もこの時代に生きていたかったなって思わされるんだよね」

(ハズキ)
「はぁ?私は素人なんでイエスさんも知りませんし、でもなんだか今っぽさ感じます」

 (ターコ)
「あっ分かる分かるー!私もハズキちゃんと同世代だけど最近のアーティストは80'とか90'sも意識してる人結構いると思うよ」

(ハズキ)
「ターコ様と共感できるのは嬉しいですね」

(平子)
「そーだね、ビリーアイリッシュとかも当時のユーリズミックスあたりの雰囲気バリバリ出てるもんねー!流行りはニューウェーブてかっ」

(小島)
「俺は最近の日本の若い人達のは疎いけど、ニューウェーブが流行ってんのは分かるな、その辺は平子ちゃんと同意見だね」

(平子)
「ただ、俺達のは80'sって言うよりファンクっぽいアレンジにしてるからね!」

(小島)
「原曲の雰囲気とは違う方向になっちゃったけど、流石が平子ちゃん!って感じのグルービーなサウンドで俺的にも、やり甲斐のあるアレンジだね!」

(ハズキ)
「確かに!原曲は知りませんけど80'sってよりファンカデリック的な感じしますね」

(ターコ)
「へぇー、ハズキちゃんてファンカデリックは聴いてんだね!ウフフフ、おもろい」

(ハズキ)
「この五枚目のアルバムは、昨年のライブツアーでの良いとこ取りライブアルバムなんですよねー」

(平子)
「あっそれ、誰も触れてなかったなぁ!ハズキちゃんありがとう流石だね」
「皆さん、コジさんの魔法でカッコいい仕上がりのライブアルバム《change》是非買って聴いて下さい!」
「アマプラとかのサブスクにもありますよ、宜しくお願いします!」

ー そろそろメールコーナーいきましょう ー
山田ちゃんからカンペが出る
 
(ハズキ)
「はい!それではリスナーさんからのメールコーナーいきましょう」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...