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少女の力
9 孤独の心
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アクヒサリアの街の東門からしばらく歩き、道を外れて2人は森へと入る。
カラッと晴れた青空の、差す陽に生まれる木漏れ日と一緒に揺れる草花の上を歩く。
「トレジャーハンターってなんです?」
道中、タクトは軽く自身の身の上を話した。
普段そんなことを他人に話すことのないタクトにとって、漠然とした気持ちひとつを語るのにもワクワクした。
「古い遺跡を発掘したり調査したりして、昔の文明がどう生きて、何を考えてたかを調べるんだ」
ストラは周囲を警戒する様子もなく、タクトの話を聞いていた。
「でも、それが何かの役に立つんです? 昔のことなんて、伝承でも伝わりますし。私たちよりも長命な方々から教わることも出来ませんか」
風に揺れる草木の音と、動物や鳥の鳴き声がタクトの心を掻き立てた。
そんなことはタクトにも解っていた。
国中を回り、様々な遺跡を調べてきたリナルドの今の暮らしを見れば嫌でも解ろう。しかしそれを呑み込めるほどタクトは利口ではない。
「そんな人たちが、いつでも近くにいるわけじゃないから。どんな時も学べるようにするには大事だと思わない?」
すこし、怖かった。
己の目標の、夢の#何某_なにがし__#を誰かに否定されかねないのが恐ろしかった。
「あの街の魔導機関も蒸気機関も、新しいものです。わざわざ古いものから学ばなくても……あっ」
難しい顔をしていたストラが顔を上げ、遠い方を見た。
「あれ、スリーズですよね!」
タクトはストラの指さす方を見た。
木の葉の隙間からちらっと、枝になる紅い点が見えた。
「私、採ってきます!」
ストラは笑顔で樹の方へ駆けていった。
他人を護衛することも忘れた無邪気な様子に、タクトはしっぽの付け根がくすぐったく感じられた。
木々の間を心地よい風が通り抜ける。
少女の後を、ゆっくり歩いて追った。
樹の下で、ストラがぴょんぴょんとスリーズを採ろうとしていた。手が木の実に掛かると、実の付いていた枝が大きく揺れた。
揺れた枝に呼ばれるように辺りを見た。スリーズの樹は点々とではあるがこの周辺に群生しているらしい。
揺れた枝が下に来たタイミングでスリーズを1つ採る。
親指よりも少し大きいくらいの小さな紅い実。
それを口に放ってみる。
微かな酸味が、甘味を覆っていた。
(ラウラに持って帰ったら喜ぶかな。リナルドは……どうだろう)
全てがお酒と一緒に胃袋へと消えていく気がした。
近くではストラが声にならない音を上げながら頬を押さえていた。
「採って帰るから、手伝って」
「分かりました!」
ストラは他の木の下へ走っていく。
タクトは木へとジャンプし、スリーズを2、3と採る。カバンに入れる時、コインがチラリと見えた。
(護衛代って、どれくらいなんだろ)
そもそも前払いでなくて良かったのか。手持ちの分で足りるのか。値切る気はないが、ぼられないとも限らない。
(後で聞いてみるか)
カバンには十分な量のスリーズが詰められていた。
どうやらストラはまだ来ないらしい。
見回した中で一番大きな広葉樹に跳び登り、高みの枝に腰掛けた。この森は緩やかな丘になっているようで、城壁の奥のアクヒサリアの街が見えた。
高くそびえる教会の屋根、そこから少し外れたところで教会よりも高く流れる工場の煙。
あの高く空を貫いていた三角の屋根は、天から降りる神の依代として作られたという。鐘を鳴らした三角形を超えて流れる煙を見ると、果たして神はどこへと降りゆくのか。
そんなことを考えながら、煙の伸びる様を見ていた。
カバンから1つ、スリーズを取って口に放り込んだ。
それを細かく噛んで飲み込んで、
「遅いな……」
カバンを押さえて樹から飛び降りた。
耳を立ててみるが、草の擦れる音でストラの居場所は掴めない。
——まさかおかしな輩に襲われてはいないか。
そう考えると、タクトの足と呼吸がはやくなる。
しばらく先の樹と樹の間に、長い髪の先がふわっと揺れるのが見えた。その方へ行こうとすると、剣の鞘から柄が無くなっているのに気づいた。
まさか嫌な予感が的中してしまったか、そう思って急いで駆けつけた。
ストラが構えた抜き身の剣の先には赤い毛を纏った狼が対峙していた。
無理に力んだ腕と共に震える剣の刃が、木漏れ日をキラキラと反射する。その剣を見つめて狼は身を低くしている。
「ルールー!」
タクトの声が聞こえて、狼はストラからのっそりと離れながらタクトの方へ近づいていく。ストラの腕の力が緩む。
一定の距離を保つ狼の横を、ストラの方へと歩く。
「タクト、狼です」
見ればわかる。
そう思いながらストラに説明する。
「大丈夫だから、剣をしまって」
「でも……」
困ったような声を出す。
その声の主を制して赤毛の狼に手を伸ばす。
「この辺りを縄張りにしてるはぐれなんだ。襲ってきたりしないから」
それでもなお眉尻を下げるストラに、タクトは口角を上げて頷く。
タクトの手の甲にゆっくりとすり寄ってくる狼を見て、ストラは驚きの表情へと変わる。
「食料には、しないのですか?」
「しないよ」
目の前の動物を食べるほどお腹は空いてはいない。
「この辺に来る人はルールーって呼んでるんだ。臆病者」
ストラは少しの間を置き、剣を収めた。そして、そろそろと手を甲を向けて差し出す。
ルールーはしばらく警戒した後、ストラの手に軽くすり寄った。狼の幼な姿に目を丸くする。
「あは。見てください、狼です」
タクトは頭を搔いた。
一礼をして去っていくルールーを2人で見送った。
その後ろ姿を見て、ストラがぽつりと放った。
「狩猟の好きな兄がいるんです」
狼が視界に映らなくなると、小鳥のさえずりが再び耳に入ってきた。
「時折、あれくらい大きな動物も獲ってきたんです。——生きてるのを見たのは久々でしたが」
剣の柄をさすった。
「この剣はその兄から頂戴しました。ですが、これのせいで彼を怖がらせてしまったかもしれないです」
ストラは表情を曇らせた。
「大丈夫だよ、きっと。敵じゃないって分かってもらえただろうし」
「そうでしょうか……」
「アイツ、臆病だから。すり寄っただけでも希望はあると思う」
「……そう思うことにします」
少し強い風が吹いて、スリーズの甘い香りが漂った。
その香りで思い出し、ストラに尋ねた。
「そういえば、スリーズは集めてくれた?」
「はい。木陰に」
ストラが目をやった方を見ると、小さな袋が膨らんでいるのが見えた。大きさからして20個ほどだろうか。
近くへ向かい、ストラが拾い上げた。
「今日は、他に行く場所はありませんか」
尋ねられてタクトほ黙り込んだ。
元々どこにも予定などなかったのだから、その次などと聞かれても困るだけである。
「今日はもう大丈夫、かな」
「……そうですか」
僅かに暗がった声で答えるストラを見た。
——何かしてしまっただろうか。
わからない。
タクトはストラから小袋を受け取った。
「1人だとこんなに持って帰れないから助かるよ」
「お気になさらず。……ところで」
少し頬の綻んだストラの方を向いた。
「お友達とかは、いらっしゃらないんですか?」
「うっ……」
変な声が出たことも相まって、口を固く閉じた。
タクトはストラから目を逸らした。それを覗き込もうとする。
タクトはこくんと軽く頷いて、
「……いない」
絞り出すようにして声を出した。
「そうなのですね」
ストラは肩の力を抜きつつ、剣の柄に触れていた指を離した。その手を自分の胸に当て、ホッとした表情で告げた。
「私……私も、あまり親しい方は周りにはいませんでしたから。怖かったんです。狼も、あなたも」
「……そう」
「今日みたいな出会いが、またあるといいですね」
タクトはそっぽを向いて静かに頷いた。胸のどこかがこそばゆく感じられた。
門から街に入り、一礼をして去っていくストラの背中を見送った。また同じくらいの歳の人と出会うようなことがあるだろうか。そんなことを考えながら家路についた。
「ただいま帰りました」
薄暗い室内に向かってストラが声をかけた。
声の残響もすぐに聞こえなくなり家はしん、と静まり返る。
腰につけていた幾つかの装備を棚の上に片づけ、少し分けて貰ったスリーズの小包みをテーブルの上に置いた。
「少し、話を聴いてもらえますか」
虚空に向けたように放った言葉は、しかし返事はない。
ストラは続けた。
「同じくらいの歳の男の子と会ったんです。すごく、久々に、楽しかったんです」
壁に掛けてある一枚の絵に指を伸ばした。
「母上、兄上……」
壁の絵には優しく笑って椅子に座る女性と、その後ろで笑みを浮かべる幼い男女が描かれていた。
「ですから少しだけ、わがままを許してください」
カラッと晴れた青空の、差す陽に生まれる木漏れ日と一緒に揺れる草花の上を歩く。
「トレジャーハンターってなんです?」
道中、タクトは軽く自身の身の上を話した。
普段そんなことを他人に話すことのないタクトにとって、漠然とした気持ちひとつを語るのにもワクワクした。
「古い遺跡を発掘したり調査したりして、昔の文明がどう生きて、何を考えてたかを調べるんだ」
ストラは周囲を警戒する様子もなく、タクトの話を聞いていた。
「でも、それが何かの役に立つんです? 昔のことなんて、伝承でも伝わりますし。私たちよりも長命な方々から教わることも出来ませんか」
風に揺れる草木の音と、動物や鳥の鳴き声がタクトの心を掻き立てた。
そんなことはタクトにも解っていた。
国中を回り、様々な遺跡を調べてきたリナルドの今の暮らしを見れば嫌でも解ろう。しかしそれを呑み込めるほどタクトは利口ではない。
「そんな人たちが、いつでも近くにいるわけじゃないから。どんな時も学べるようにするには大事だと思わない?」
すこし、怖かった。
己の目標の、夢の#何某_なにがし__#を誰かに否定されかねないのが恐ろしかった。
「あの街の魔導機関も蒸気機関も、新しいものです。わざわざ古いものから学ばなくても……あっ」
難しい顔をしていたストラが顔を上げ、遠い方を見た。
「あれ、スリーズですよね!」
タクトはストラの指さす方を見た。
木の葉の隙間からちらっと、枝になる紅い点が見えた。
「私、採ってきます!」
ストラは笑顔で樹の方へ駆けていった。
他人を護衛することも忘れた無邪気な様子に、タクトはしっぽの付け根がくすぐったく感じられた。
木々の間を心地よい風が通り抜ける。
少女の後を、ゆっくり歩いて追った。
樹の下で、ストラがぴょんぴょんとスリーズを採ろうとしていた。手が木の実に掛かると、実の付いていた枝が大きく揺れた。
揺れた枝に呼ばれるように辺りを見た。スリーズの樹は点々とではあるがこの周辺に群生しているらしい。
揺れた枝が下に来たタイミングでスリーズを1つ採る。
親指よりも少し大きいくらいの小さな紅い実。
それを口に放ってみる。
微かな酸味が、甘味を覆っていた。
(ラウラに持って帰ったら喜ぶかな。リナルドは……どうだろう)
全てがお酒と一緒に胃袋へと消えていく気がした。
近くではストラが声にならない音を上げながら頬を押さえていた。
「採って帰るから、手伝って」
「分かりました!」
ストラは他の木の下へ走っていく。
タクトは木へとジャンプし、スリーズを2、3と採る。カバンに入れる時、コインがチラリと見えた。
(護衛代って、どれくらいなんだろ)
そもそも前払いでなくて良かったのか。手持ちの分で足りるのか。値切る気はないが、ぼられないとも限らない。
(後で聞いてみるか)
カバンには十分な量のスリーズが詰められていた。
どうやらストラはまだ来ないらしい。
見回した中で一番大きな広葉樹に跳び登り、高みの枝に腰掛けた。この森は緩やかな丘になっているようで、城壁の奥のアクヒサリアの街が見えた。
高くそびえる教会の屋根、そこから少し外れたところで教会よりも高く流れる工場の煙。
あの高く空を貫いていた三角の屋根は、天から降りる神の依代として作られたという。鐘を鳴らした三角形を超えて流れる煙を見ると、果たして神はどこへと降りゆくのか。
そんなことを考えながら、煙の伸びる様を見ていた。
カバンから1つ、スリーズを取って口に放り込んだ。
それを細かく噛んで飲み込んで、
「遅いな……」
カバンを押さえて樹から飛び降りた。
耳を立ててみるが、草の擦れる音でストラの居場所は掴めない。
——まさかおかしな輩に襲われてはいないか。
そう考えると、タクトの足と呼吸がはやくなる。
しばらく先の樹と樹の間に、長い髪の先がふわっと揺れるのが見えた。その方へ行こうとすると、剣の鞘から柄が無くなっているのに気づいた。
まさか嫌な予感が的中してしまったか、そう思って急いで駆けつけた。
ストラが構えた抜き身の剣の先には赤い毛を纏った狼が対峙していた。
無理に力んだ腕と共に震える剣の刃が、木漏れ日をキラキラと反射する。その剣を見つめて狼は身を低くしている。
「ルールー!」
タクトの声が聞こえて、狼はストラからのっそりと離れながらタクトの方へ近づいていく。ストラの腕の力が緩む。
一定の距離を保つ狼の横を、ストラの方へと歩く。
「タクト、狼です」
見ればわかる。
そう思いながらストラに説明する。
「大丈夫だから、剣をしまって」
「でも……」
困ったような声を出す。
その声の主を制して赤毛の狼に手を伸ばす。
「この辺りを縄張りにしてるはぐれなんだ。襲ってきたりしないから」
それでもなお眉尻を下げるストラに、タクトは口角を上げて頷く。
タクトの手の甲にゆっくりとすり寄ってくる狼を見て、ストラは驚きの表情へと変わる。
「食料には、しないのですか?」
「しないよ」
目の前の動物を食べるほどお腹は空いてはいない。
「この辺に来る人はルールーって呼んでるんだ。臆病者」
ストラは少しの間を置き、剣を収めた。そして、そろそろと手を甲を向けて差し出す。
ルールーはしばらく警戒した後、ストラの手に軽くすり寄った。狼の幼な姿に目を丸くする。
「あは。見てください、狼です」
タクトは頭を搔いた。
一礼をして去っていくルールーを2人で見送った。
その後ろ姿を見て、ストラがぽつりと放った。
「狩猟の好きな兄がいるんです」
狼が視界に映らなくなると、小鳥のさえずりが再び耳に入ってきた。
「時折、あれくらい大きな動物も獲ってきたんです。——生きてるのを見たのは久々でしたが」
剣の柄をさすった。
「この剣はその兄から頂戴しました。ですが、これのせいで彼を怖がらせてしまったかもしれないです」
ストラは表情を曇らせた。
「大丈夫だよ、きっと。敵じゃないって分かってもらえただろうし」
「そうでしょうか……」
「アイツ、臆病だから。すり寄っただけでも希望はあると思う」
「……そう思うことにします」
少し強い風が吹いて、スリーズの甘い香りが漂った。
その香りで思い出し、ストラに尋ねた。
「そういえば、スリーズは集めてくれた?」
「はい。木陰に」
ストラが目をやった方を見ると、小さな袋が膨らんでいるのが見えた。大きさからして20個ほどだろうか。
近くへ向かい、ストラが拾い上げた。
「今日は、他に行く場所はありませんか」
尋ねられてタクトほ黙り込んだ。
元々どこにも予定などなかったのだから、その次などと聞かれても困るだけである。
「今日はもう大丈夫、かな」
「……そうですか」
僅かに暗がった声で答えるストラを見た。
——何かしてしまっただろうか。
わからない。
タクトはストラから小袋を受け取った。
「1人だとこんなに持って帰れないから助かるよ」
「お気になさらず。……ところで」
少し頬の綻んだストラの方を向いた。
「お友達とかは、いらっしゃらないんですか?」
「うっ……」
変な声が出たことも相まって、口を固く閉じた。
タクトはストラから目を逸らした。それを覗き込もうとする。
タクトはこくんと軽く頷いて、
「……いない」
絞り出すようにして声を出した。
「そうなのですね」
ストラは肩の力を抜きつつ、剣の柄に触れていた指を離した。その手を自分の胸に当て、ホッとした表情で告げた。
「私……私も、あまり親しい方は周りにはいませんでしたから。怖かったんです。狼も、あなたも」
「……そう」
「今日みたいな出会いが、またあるといいですね」
タクトはそっぽを向いて静かに頷いた。胸のどこかがこそばゆく感じられた。
門から街に入り、一礼をして去っていくストラの背中を見送った。また同じくらいの歳の人と出会うようなことがあるだろうか。そんなことを考えながら家路についた。
「ただいま帰りました」
薄暗い室内に向かってストラが声をかけた。
声の残響もすぐに聞こえなくなり家はしん、と静まり返る。
腰につけていた幾つかの装備を棚の上に片づけ、少し分けて貰ったスリーズの小包みをテーブルの上に置いた。
「少し、話を聴いてもらえますか」
虚空に向けたように放った言葉は、しかし返事はない。
ストラは続けた。
「同じくらいの歳の男の子と会ったんです。すごく、久々に、楽しかったんです」
壁に掛けてある一枚の絵に指を伸ばした。
「母上、兄上……」
壁の絵には優しく笑って椅子に座る女性と、その後ろで笑みを浮かべる幼い男女が描かれていた。
「ですから少しだけ、わがままを許してください」
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