お見合い相手はお医者さん!ゆっくり触れる指先は私を狂わせる。

すずなり。

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おかしい。

目線を上げると見えたのは白い服の人。

看護師さんだった。




千冬「わ・・・ごめんなさい・・・!」

天沢「いえ・・・こちらこそ・・・。」




ぶつかった看護師さんに謝ってると、私の後ろから秋也さんが現れた。




秋也「どうした?」

千冬「あ、ぶつかちゃって・・・。」

秋也「ちゃんと前を見て歩けよ?・・・あと、キミもな。」

天沢「・・・すみません。」





秋也さんは私の手にある紙を取り上げた。





秋也「これ見ながら歩いてたんだろ?じゃあ没収な。」

千冬「えっ!」

秋也「あとでゆっくり説明してやるよ。ご飯でも食べながら。」




そう言った時、看護師の人が秋也さんに聞いてきた。




天沢「あの・・笹倉先生・・?」

秋也「うん?」

天沢「患者さんと・・・ご飯ですか?」





秋也さんは私の肩を抱き、看護師に告げる。




秋也「俺の婚約者。ワケあって通院してるんだよ。」

天沢「!!!」

千冬「お世話になってます。」




私は看護師さんに深く頭を下げた。

頭を下げ、顔を上げたとき看護師さんの顔に見覚えがあることに気がついた。




千冬「あれ・・・?」

天沢「--っ!!・・し・・失礼します。」




そそくさと去って行く看護師さん。




秋也「?・・・知ってるのか?」

千冬「あ・・・うん。」

秋也「へぇー・・・。」



秋也さんは私の手を引き、歩き始めた。




秋也「さっさと採血行ってきな。」

千冬「はーい。」




秋也さんに手を引かれながら、私は思い出していた。





千冬(あの看護師さん・・・私の採血の量を間違えた人だ。)



謝ってくれてた光景が頭に浮かんだ。




千冬(向こうも気づいてた・・・ような?)



ぼーっと前を見ながら考えてると、秋也さんが私の顔を覗き込んできた。




秋也「?・・・どうした?考えごと?」

千冬「・・・うーん。」

秋也「?・・・まぁ、いいけど。・・・ほら、さっさと血抜いてこい。」




採血室に放り込まれ、秋也さんは仕事に戻っていった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーー






看護師「あら千冬ちゃん、いらっしゃい。」

千冬「こんにちはー。」




私は空いてるベッドを探す。

一番奥に見つけ、上着を脱いだ。



看護師「今日も自己血分取るねー。」

千冬「うん。・・・あ、私の血液型って知ってる?」



そう聞くと、看護師さんは私に顔を近づけてきた。

小声で私に言う。



看護師「知ってるけど・・・どうして?」

千冬「いや、内科にいてる先生は知らなかったから・・・みんな知ってるもんだと思ってて。」

看護師「あぁ。千冬ちゃんのはかなり珍しいからね。採血室で勤務する看護師はみんな知ってるのよ。」

千冬「そうなんだー。」

看護師「まぁ、他言しないことを誓約書に書かされるけどね。」

千冬「あー・・・ごめん(笑)」





採血の準備ができた看護師さん。

私はベッドに寝転がった。



看護師「今日もいつも通り100mlね。」

千冬「うん。今日は頑張って起きててみる。」

看護師「あはは。寝ちゃってたら2時間くらいで起こしに来るよ。」

千冬「お願いー。」




腕に針が刺され、血が抜かれ始める。

頑張って起きてようと思ってたけど、自然と瞼が重くなっていく。



千冬「あ・・・無理・・かも・・・。」




目を完全に閉じてしまった私は、夢の世界に旅立つしかなかった。






ーーーーーーーーーーーーーーーーー







秋也「・・・ゆ!・・・ふゆ!?・・・千冬っ!!」



私を呼ぶ声が聞こえる。

でも、目を開けることも・・・声を出すこともできない。




秋也「さっき取った血液戻して!早く!」

看護師「はいっ!」




血が全身を巡り、自分の体が温かくなっていくのがわかる。




秋也「千冬・・・なんでこんなことに・・・・。」




私の頭を撫でる誰かがいる。

近くで聞こえる声と、この大きな手は秋也さん以外考えられなかった。




千冬(秋也さん・・・私・・起きてるよ・・・。)




そう伝えたかったのに、私はまた夢の世界に旅立った。






ーーーーーーーーーーーーーーーー






千冬「ん・・・・・・。」





夢から覚めた私はぼーっと天井を見つめた。




秋也「!・・・千冬!目が覚めたか!?」

千冬「しゅ・・・やさん?ここ・・・・。」

秋也「内科の病室。千冬、採血したあと目が覚めなくて・・・入院させた。」

千冬「目が・・・?え?」




体起こして辺りを見回した。

病室に電気がついていて、窓の外はどう見ても暗い。





秋也「今、夜の10時。」

千冬「・・・夜!?」





病院に来ていたのは朝。

12時間近く眠ってたことになる。





秋也「最近疲れてた?」






秋也さんの言葉に、私はここ数日の仕事内容を思い返す。






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