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急変2。

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俺は看護師と一緒に病院の廊下を走っていた。





秋也「どういうことだ!?」

看護師「・・・千冬ちゃんのいつもの採血をしてたら突然警告音が鳴り出して・・・!」

秋也「警告音!?」

看護師「何事かと思って見に行ったら・・・血液を保存するパックが裂かれてて・・・血液が全て床に・・・!」

秋也「!!」

看護師「それだけじゃなくて、血液を取る機械のスピードがマックスになってて大量の血液が・・・!」





その看護師の言葉に、俺の心臓が嫌な音を立て始めた。

どくどくと身体に響く心臓の音は・・・千冬が無事じゃないことを知らせてるようだ。





秋也「今、誰が処置を!?」

看護師「それが・・・内線電話がどこも繋がらなくて・・・!千冬ちゃんの主治医を直接呼びに行ったんです!その間もみんなで交代で・・・!」




走っていた俺の足がピタッと止まった。





秋也「・・・交代で・・・何してたんだ・・・?」




看護師の表情から・・・何を言うのか分かった。





看護師「蘇生措置です・・・。」

秋也「---っ!!」





暗い顔をする看護師。

その看護師のはるか後ろに・・・天沢の姿を見つけた。

俺を見て・・・悪魔のように笑ってる。





秋也「・・・・急ぐぞ!」

看護師「はいっ!」





止めていた足をまた動かせ、俺は採血室に急いだ。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








医師「早く血を集めて戻すんだ!貯血も持ってきて!!」

看護師「はいっ!」





千冬の寝てるベッドの周りは・・・大変なことになっていた。




床は血の跡。

ベッドの周りは点滴の管だらけ。

千冬の上にまたがってる主治医は・・・心臓マッサージをしていた。





秋也「代わります!」

医師「頼むっ・・・!」




汗だくの主治医と交代し、俺は千冬の上にまたがった。

血の気がない真っ白な顔の千冬が目に入る。




秋也「---っ!・・・千冬っ!戻って来いっ!」





手を胸に置き、心臓マッサージをする。

俺が必死にしてる間、看護師たちは床の血を集め、体に戻す準備をしてくれた。





秋也「体中のライン取って!輸液も入れろ!」




どれくらいの血が流れ出たかはわからなかったけど、床に落ちてる血の跡から考えると・・・




秋也「3リットルくらいか?やばいな・・・。」




千冬の体重から考えて流れ出た血液の量は致死量に近い。




秋也「頼む・・・頼むから戻って来い・・・!」




必死に心臓マッサージをしてると、千冬の主治医が俺の手を止めた。




医師「ちょっとモニター見てみよう。」





心臓マッサージを止め、心拍が戻ってるかどうか確認する。

真っ直ぐの平行線を辿っていたモニターは、ピッ・・・ピッ・・・と、音を立て始めた。




医師「戻った・・・!」

秋也「はー・・・。」




動きを再開した千冬の心臓。

顔色も・・・さっきよりはよくなった。





医師「ICUで様子みよう。」

秋也「そうですね。」





たくさんの点滴ごと千冬は運ばれていった。




医師「それにしてもなんでこんなことに・・・」




俺は千冬の主治医に事の経緯を説明した。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







医師「千冬ちゃんの血が売られてた!?」




空いてる診察室で伝えると、主治医は驚いてた。





秋也「はい・・・。一緒に千冬の血を売らないかと誘われまして。」

医師「医療従事者がなんて発言を・・・」

秋也「天沢は解雇になります。おそらく・・・千冬の血液パックを一つ取ってから機械を操作したんでしょう。内線の受話器を外して繋がらないようにし、千冬の命を奪おうとした。」

医師「ーーーっ!」



主治医の手に力が入ってる。

怒りが・・・伝わってくる。





秋也「・・・俺、千冬の様子見てきます。」

医師「・・・あぁ。」





診察室を出てICUに向かう。

途中、バタバタと病院関係者が何人か走り抜けた。





秋也「?」





何事かと思い、走り抜ける一人を捕まえた。





秋也「何かあったんですか?」





俺の問いに、その人は慌てながら言う。





「なんかパトカーが来てて・・・!誰か連れて行かれたって!」

秋也「!!・・・それって・・・」




きっと天沢だ。

そう思った時、俺の前に理事長が現れた。





理事長「本人を捕まえて問いただしたら吐いたのよ。」

秋也「理事長・・・。」

理事長「『いいカモだったのに。』って言ってたわ。」

秋也「カモって・・・。採血室で機械をいじったのも天沢ですか?」





そう聞くと、理事長は伏し目がちに俺に言った。





理事長「・・・・冷静に聞ける?」

秋也「・・・わかりませんが・・・知りたい。」
















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