常連客は社長さんだった!?一枚の不在伝票が全ての始まり。

すずなり。

文字の大きさ
10 / 40

兄妹。

悠乃「兄です。」

蓮「妹だけど?」




遼平「・・・は!?」

悠乃「もー・・昨日突然来たんですよ。『帰るのめんどくさいから泊めて』って。」



悠乃ちゃんは俺にエスプレッソを手渡し、お兄さんの分であろうコーヒーを淹れ始めた。



蓮「泊まりに行っただけなのにお前、人使いが荒いぞ?」

悠乃「食べる分のパンをこねてもらっただけでしょう?バンバン激しく打つしかしないから膨らまなかったし。」

蓮「お前が激しくって言ったんじゃんか。」

悠乃「激しくにもほどがあるのに。」

遼平(そっちかよ・・・。)





悠乃ちゃんはコーヒーを淹れ終わり、カウンターに戻ってきた。




悠乃「はい。たまにはまともなご飯食べなよ?」

蓮「分かってる。抜けれそうなときにお前に食わせてもらうよ。」



お兄さんにコーヒーを手渡した悠乃ちゃん。

お兄さんはコーヒーを受け取り、1杯分のコーヒー代には余りまくるほどのお金と鍵を悠乃ちゃんに手渡した。




悠乃「!?・・・多すぎなんだけど。」

蓮「宿泊代な。また寄る。」

悠乃「もー・・・。」



そのまま店の出口に向かって歩き始めたお兄さん。

出口の前で振り返って、悠乃ちゃんに言った。



蓮「あ、こいつのことだろ?お前が昨日言ってた相手。ま、がんばれよー。」

悠乃「!?・・ちょっとっ!」

蓮「ははっ、じゃーなー。」



手を振りながらお店を出て行ったお兄さん。

俺はその姿を見送りながら彼女に聞いた。



遼平「・・・お兄さん、いたんだ。」

悠乃「はい。うち、両親が海外に住んでまして・・・親代わりに兄が私の面倒を見てくれてたんですけど仕事が忙しい人で・・・。」

遼平「なんの仕事されてるの?」

悠乃「医者です。だから救急車には乗りたくないですね、絶対に怒られるんで(笑)」

遼平「へぇー・・・。」





お客が並んでないのをいいことに、俺は悠乃ちゃんと話を続けた。

悠乃ちゃんは新しいコーヒー豆を補充したり、ごみをまとめたりしながらも俺の相手をしてくれた。




悠乃「あれ?杉野さん、お仕事は?」

遼平「うん?俺、あんまり時間が関係ない仕事だからね。比較的自由だよ?」

悠乃「へぇー・・そうなんですか。」

遼平「うん。・・・・あ、もう一つ聞いてもいい?」

悠乃「どうぞ?」




俺は気になったことを聞くことにした。



遼平「さっきお兄さんが言ってたことって俺の事?」

悠乃「---っ!・・・どうでしょうか。」

遼平「・・・俺のことなんだ。」

悠乃「そうは言ってませんよ?」

遼平「否定も肯定もしない時点で答えは『肯定』なんだよ。手の内は明かしたくないけど、図星を突かれた時によく言うセリフだ。」

悠乃「・・・・・・。」




図星をついてしまったのか一瞬黙り込んだ悠乃ちゃん。



悠乃「昨日、でかけたことを兄と喋ってたんですよ。その話の事だと思います。」

遼平「あぁ、なるほど。・・・『がんばれ』っていうのは?」

悠乃「・・・・・・。」

遼平「?」

悠乃「な・・なんでしょうね・・・?」

遼平(わかってるけど俺には言いたくないってことかな。)




嘘がつけないのか、嘘をつくのが下手なのか・・・

器用なのか、不器用なのかわからない悠乃ちゃんを見て、俺は思わず笑ってしまった。



遼平「ははっ。」

悠乃「!?・・・なんで笑うんですかー?」

遼平「いや・・・かわいいなと思って・・・。」




笑いながらも 悠乃ちゃんの顔を見ると、彼女の顔が真っ赤に染まってるのが見えた。



遼平「え・・・?」

悠乃「ちょ・・ちょっとゴミ捨て行ってきます・・・っ。」



バタバタと裏へ駆けて行ってしまった悠乃ちゃん。



遼平「しまった・・・笑いすぎたかも。」














あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

好きになった子が男の娘だったけど、もう遅い ~無人島で溺れたのは、恋だった~

まさき
恋愛
「苗字は?」 「……いい。汐でいいよ」 無人島に漂着した俺が拾ったのは、 秘密を抱えた美少女だった。 焚き火の夜、ふたりきりの密林、 濡れた髪、触れそうな距離―― 気づいたときには、好きになっていた。 そして知ってしまった。 汐が、女の子じゃないことを。 でも、もう遅い。 俺の心は、完全に溺れていた。

兄妹じゃないとわかったのでお兄様と結婚したら、全部仕込みでした

こじまき
恋愛
【20260401読みやすいように話を分割しました】 伯爵令嬢ヘイゼルは、兄アリステアに恋をしている。叶わないと知りながら、それでも諦めきれなかった。 しかし子ども時代の「取り違え」が発覚し、子爵令嬢ロレッタとして“正しい場所”で生き直すことに。 そして妹ではなくなった彼女に、アリステアは求婚する。 運命のねじれは正されて、望んだとおりに最愛の人と結ばれた―― けれど――その「正しい運命」は、兄アリステアによって用意されたものだった―― ※「小説家になろう」にも投稿しています。

冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない

彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。 酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。 「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」 そんなことを、言い出した。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

イケメンエリート軍団??何ですかそれ??【イケメンエリートシリーズ第二弾】

便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC” 謎多き噂の飛び交う外資系一流企業 日本内外のイケメンエリートが 集まる男のみの会社 そのイケメンエリート軍団の異色男子 ジャスティン・レスターの意外なお話 矢代木の実(23歳) 借金地獄の元カレから身をひそめるため 友達の家に居候のはずが友達に彼氏ができ 今はネットカフェを放浪中 「もしかして、君って、家出少女??」 ある日、ビルの駐車場をうろついてたら 金髪のイケメンの外人さんに 声をかけられました 「寝るとこないないなら、俺ん家に来る? あ、俺は、ここの27階で働いてる ジャスティンって言うんだ」 「………あ、でも」 「大丈夫、何も心配ないよ。だって俺は… 女の子には興味はないから」

幼馴染に振られた少女と家族を失った孤独な少年の慰め合い同盟〜いつの間にか離れられなくなってしまって〜

めのめむし
恋愛
高校1年生の羽山涼は、家族が亡くなったことで意気消沈をしていて、クラスにも打ち解けないで、陰キャぼっちな高校生活を送っていた。 母の死から49日がたち気分が変わった涼は今までとは違う生活をすると決心する。 そんな時、学校でトップクラスの美少女、栗山奏が失恋で傷心した上に強引なナンパにあって、困っているところを助ける。 お互いの境遇を明かしあった2人は意気投合し、お互いの愚痴を聞き合う、慰め合い同盟を結ぶ。 学校で仲良く話したり、お互いの家を行き来したり、デートに行ったり、2人の距離はだんだん近くなってくるが、奏は失恋から立ち直っていないため、お互いギリギリの線で踏み込めずにいる。 そんな時、涼が本当はイケメンだということが発覚し、急に女子にモテるようになる。涼は気にしていないが、奏は気が気でない様子。 心のどこかで失恋を引きずりながらも、涼に迫ってしまうという矛盾した行動に涼も奏本人も翻弄されてしまう。 やがて、奏が失恋を完全に乗り越え、涼も自分に素直になった時、2人は離れられないほど、お互いを求める関係になっていた。 会話中心 描写少なめで進行していきます。苦手な方はお避けください。