溺愛×甘彼は最強!?初めての彼氏はレスキュー隊!

すずなり。

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再会とプレゼント。

病院のエントランスホールで見知らぬ外国人に声をかけられた俺は、よくわからない言語で問われていた。
前にもこんなことがあった気がして、既視感を覚える。

「えっとー…ちょっと言葉がわからなくてですね……」

そう伝えるものの、日本語を話していない時点で伝わるはずもない。
どうにか身振り手振りで『わからない』ことを伝えようとするが、それも難しそうだ。

「くそっ…成海さんがいてくれたら助かるのに……」

そう呟いたとき、この外国人は俺の肩をガシッ!と掴んできた。

「へ!?」
〖ナルミ!?ミオリを知っているのか!?〗

わからないなりに聞き取れた単語『成海』と『美織』。
俺の目が大きく見開いたのを、この外国人は見逃さなかった。

「急にお声がけして申し訳ありません、私、この『アレク』の秘書でございます。アレクは今、成海美織さんという女性を探してまして…」

外国人の後ろから現れた小柄な女性が、日本語でそう聞いてきた。

「あ…日本語がわかる方ですね?助かりますが…あの、成海さんとはどういったご関係で…」

成海さんだったら、多言語翻訳の仕事から外国人の知り合いがいてもなんの不思議はない。
でも…

(この外国人、どっかで見たことがある気がするんだよな…)

記憶をたどるように考えていると、秘書がにこやかに言葉を継ぐ。

「アレクはかつて交通事故に遭いまして、この病院に搬送されたんです。その際、成海さんが付き添いとしてオランダ語で医師とやりとりをしてくれたと――」
「……っ!」

その説明に、俺の脳裏に一つの記憶がよみがえった。
あの日…俺と成海さんが初めて出会ったあの事故の日の救助者がアレクだったのだ。

〖彼女に会いたいんだ!連絡先を知っているなら…教えてくれ…!〗
「―――と、言ってます」
「……」

俺は、ここで勝手に成海さんの連絡先を教えてはいけないことをわかっていた。
でも、礼を言いたい気持ちもよくわかる。

「…ちょっと待ってもらえますか?本人に聞いてみますので…」

そう言うと、秘書がその旨を通訳する。
俺はそのあいだにスマホを取り出して、成海さんにメールを送った。

『ちょっと急ぎで返信が欲しいんだけど、成海さんが助けた外国人の人いただろ?タクシーの事故のときの…あの人と今一緒にいてて、成海さんに会いたいって言ってるんだ。連絡先も知りたいって…どうする?』

そう送ると、すぐに返事が送られてきた。

『わぁ!そうなんですね!…私は大丈夫ですが…今、外ですし向かいますよ?消防署ですか?』

俺はその返事を、秘書に伝えた。
彼女はちょうど外出しているようで、どこかで会うことが可能なこと。
連絡先も伝えて大丈夫そうなことも。

「では、この病院のカフェでお願いしてもいいですか?」

秘書に言われ、俺はそうメールを打った。
彼女からの返信は『近くにいるので、10分ほどで着きます』とのこと。

〖そんなに近くにいたのかい!?〗

アレクの驚きように、俺は昨日彼女が火事に巻き込まれたことを簡単に説明した。
その際に、大事なものが壊れてしまったことも。

(たぶん、読唇術で読み取れるとは思うけど、一応…)

俺は自分の唇を指さし、アレクさんにこう伝えた。

「彼女と話しをするとき、唇をはっきり動かして喋ってもらってもいいですか?ちょっと事情があるんです」

そう伝えると、秘書を介してアレクさんは少し怪訝な顔を見せた。
だがそれは一瞬のことで、彼はにこやかに笑って首を縦に振ったのだ。

〖もちろんだよ。ありがとう、キミには感謝してる〗
「…いえ、仕事に戻りますのでこれで失礼します」

俺は軽く頭を下げ、病院の出口に向かって歩き始めた。
書類上の手続きが終わった伊藤たちと合流し、外に出る。

すると、少し遠くから成海さんが歩いてくるのが目に入った。
ゆったりと歩く姿に、胸が一瞬だけ跳ねる。

「あ…」

俺が気づくと同時に彼女も俺に気がつき、手を振る。
その姿も愛しくて、自然と笑みが零れていた。

(かわいい)

俺も手を振り返し、そのまま署の車に乗って病院をあとにしたのだった。




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