溺愛モードな警察官彼氏はチョコレートより甘い!?

すずなり。

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不穏な影2。

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そして翌々日の朝。
いつも通り朝4時に工場に入った私は、近衛さんがやってくるのを待ちながら作業を進めていた。
冷蔵庫に入れておいたチョコの状態を確認し、新しいチョコを作っていく。
焙煎済みのカカオ豆の殻をひたすらに剥いているうちにいつの間にか時間が経っていたようで、気がつけばお昼前になってしまっていた。

「もうそろそろ来るかな?近衛さん。」

宅急便のお兄さんが仕事をしてるのを確認したら、近衛さんが張り込みに工場に来る手筈だ。
朝9時くらいから宅急便屋さんは仕事を開始することから、たぶん今、どこにあのお兄さんがいるのか確認してるのだろう。
そしてこの近辺から遠ざかったとき、近衛さんは工場にやってくる。

「お昼・・・一緒に食べれるかなぁ。」

そう呟いたとき、コンコンっ・・・と、勝手口の扉がノックされる音が聞こえてきた。

「はーい・・・!」

扉を開けに行こうと返事をしたとき、ガチャっと扉が開いて近衛さんが入ってきたのだ。

「凜華、おはよう。」

そう言って入ってきた近衛さんは警察官の制服を身に纏っていた。
ピンとした空気を身に纏い、腰元には拳銃なんかが見える。

「お・・おはようございます。」
「今日は協力してくれてありがとう。あと・・・ごめんな。」
「いえっ・・・できれば私も安心したいので・・・」

あのお兄さんが犯人だとしたら捕まえてもらうのが一番安心できることだ。
これ以上盗まれることも無くなるだろうし、転売も無くなるはずだ。

「・・・少し中を見せてもらってもいい?」
「もちろんですっ。」
「触っちゃだめなものとか近づいたらダメなところ、教えてくれる?」
「はいっ。」

大型の機械は危ないことから近づかないで欲しいことや、パソコンにも触れないで欲しいこと、冷蔵庫を開ける時は極力長い時間開けないようにして欲しいことなんかを伝えた。
パソコンに触って欲しくない理由は、画面の中にあるものが移動してしまったらわからなくなるからだ。

「オーケー。じゃあちょっと見させてもらうな。」

近衛さんは勝手口を見たあと、工場の中を見て回り始めた。
どこかで立ち止まったかと思えば勝手口を見ていて、犯人が・・・あのお兄さんが入ってきたときのシミュレーションをしてるみたいだ。

「凜華、何時に出る?」

ある程度場所が定まったのか、そう聞いてきた近衛さん。
私は時計を見た。

「そう・・ですね。21か22時くらいでも大丈夫ですか?」
「大丈夫。三橋さんにそう伝えておくから。」
「ありがとうございます。・・・あ、近衛さんってもうお食事済ませました?軽くなんですがサンドイッチ作ってきたんですけど・・・どうですか?」

そう言って私は鞄の中からラップに包んだサンドイッチを取り出した。

「これ・・凜華が?」
「はいっ。あまり得意ではないんで、厚焼きの卵サンドですけど・・・」

食材をあまり買うことが無いから、料理は得意ではない。
でも『焼く』くらいはできるから、サンドイッチは作れるのだ。

「一緒に食べようか。まだ時間あるし・・・。」
「はいっ。コーヒー淹れますね。」

私は自分の休憩用に置いてあるポットにお湯を沸かし、コーヒーをドリップしていった。
近衛さんの分は紙コップに注ぎ、二人で小さなテーブルを囲う。

「イタダキマス。」
「いただきまーす。」

大きな口を開けてぱくっと食べたサンドイッチ。
ふと前を見ると近衛さんの一口でサンドイッチの半分が無くなっていたのだ。

「!?」
「うまっ・・!凜華、これ美味い!」
「そ・・それはよかったんだけど・・・一口が大きい・・・・」

近衛さんが残ったサンドイッチにかぶりつくと、そのサンドイッチは全て消えてしまった。
私が何口もかけて食べるサンドイッチを、近衛さんは二口で食べてしまったのだ。

(いっぱい食べるとは思ってたけど・・・一口が大きすぎる・・・)

私は自分の手にあるサンドイッチをじっと見つめた。
残り3分の2ほどあるサンドイッチを口いっぱい頬張っても半分も食べれる自信はなかった。

「たくさん持ってきたつもりだから・・・よかったら・・・」
「!!・・・食べる!」

近衛さんは私が持ってきたサンドイッチを次から次に食べていき、小さなテーブルの上はサンドイッチを包んでいたラップだらけになっていく。
私も手に持ってるサンドイッチを頬張るものの、圧倒的なスピードで食べ進める近衛さんには勝てなかったのだ。

(今度はもっとたくさんの種類作って来よ・・・。)

そんなことを秘かに決め、私たちは昼食を終えた。
その後は私は仕事、彼も仕事をし、時間が流れていく。
そして私が帰る予定の21時を回った時、近衛さんは定位置に着いた。
暗視ゴーグルをつけ手には拳銃を持ち、身を低くして息を殺し始めたのだ。

「・・・じゃあ交番に向かいますね。」
「あぁ、気を付けて。何かあったら叫ぶんだぞ?」
「はい。・・・近衛さんも気を付けてくださいね。」
「あぁ。」

私は誰とも話してなかったかのように電気を消して工場を出た。
そしていつも通り鍵を閉め、帰路につくように歩き始めたのだ。

(このあと交番に寄るふりをして中に入って待機。終わったら近衛さんが迎えに来てくれるんだよね。)

どうなるのかどきどきしながら交番に向かい、私は交番内で保護された。
三橋さんはもう工場に向かっていたようで、交番には私の知らない警察官さんが数名いたのだ。

「ご協力感謝いたします。奥へどうぞ。」
「は・・はい・・・。」

私は交番内奥にある事務室に通され、椅子に座るよう促された。
そしてしばらくの時間が流れたあと交番内が慌ただしくなり、どうやら犯人・・・宅急便のお兄さんが現行犯で捕まったという情報が、私の耳に入ってきたのだった。




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