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第13話
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「ミカエルは頭が沸いてるからクロエは妥協したら駄目だよ」
「そうよ!なんでこの家の主人のクロエが肩身の狭い思いをしなくちゃいけないの?」
「クロエに同情する。ミカエルが妹を手放さないなら離婚を積極的に進めた方がいい!ご両親がまともな神経なのが救いだね」
数日前の茶会での友人達の言葉が、クロエの脳裏によみがえる。これからミカエルとやり直すならば譲りあうようなことはせずに、ローラと踏ん切りをつけさせなさいと言った。
その考えにクロエも全面的に賛成している。ミカエルがローラのことを諦めることに決心しても生活してみて、まだ未練ありげな口ぶりでローラのことを迷っているようなら離婚を選択する。
「愛というのは理屈じゃない。ローラに会いたい……」
その頃ミカエルは、自分にとって愛しい存在であったローラと、意味もなく離れることが考えられなくて、他のことが見えなくなっていた。
だがいくら家族や友人が大切でも普通は、妻のことを最優先すべきはずだったことをミカエルは思い出すことはできるのか?
嫌なことは全て妻に負担をかけて、自分だけ妹のローラとイチャついて良い思いをしようとするミカエル。こんな夫とは結婚生活を続けていけるわけがない。
それにクロエを離れで生活させることにもミカエルは悪く思わなかったのか?何も感じなくてローラと一緒にいたければ離婚になり、実家から絶縁されて追い出されても文句は言えないだろう。
「なんて落ち着かない壁紙なのかしら」
クロエはローラが暮らしていた部屋を見渡すと小声でつぶやく。クロエに断りなく勝手にローラが部屋を模様替えしたのも許せなかった。
相談も無くローラを住まわせて、夫婦の共有財産を使い部屋を自分好みの環境へ作り変えたのだ。クロエが選んだ心に安らぎを与えて落ち着かせてくれる壁紙は、悪趣味なほど派手な模様に変わっていた。
「ミカエルいつもありがとう」
実際今回のことが起こるまでは、クロエとミカエルの夫婦はとても平和で幸せな日々を送っていた。
クロエは何かとミカエルに感謝の言葉をかけて、いつも労をねぎらったうえ、愛に満ちた笑顔を絶やさないで迎えてくれたことに、ミカエルも純粋にほっとして気持ちが癒された。
だけど今は明るく元気だったクロエの精神は底ぬけにすさんでいる。先日は友人達と心おきなく楽しい会話を嬉しそうな表情でくだけた口調でしゃべった。
でも一人になると急に暗く寂しく感じて、上品で美しい顔は別れの不安を抱いて悲しい気分になっていくのだった。
「そうよ!なんでこの家の主人のクロエが肩身の狭い思いをしなくちゃいけないの?」
「クロエに同情する。ミカエルが妹を手放さないなら離婚を積極的に進めた方がいい!ご両親がまともな神経なのが救いだね」
数日前の茶会での友人達の言葉が、クロエの脳裏によみがえる。これからミカエルとやり直すならば譲りあうようなことはせずに、ローラと踏ん切りをつけさせなさいと言った。
その考えにクロエも全面的に賛成している。ミカエルがローラのことを諦めることに決心しても生活してみて、まだ未練ありげな口ぶりでローラのことを迷っているようなら離婚を選択する。
「愛というのは理屈じゃない。ローラに会いたい……」
その頃ミカエルは、自分にとって愛しい存在であったローラと、意味もなく離れることが考えられなくて、他のことが見えなくなっていた。
だがいくら家族や友人が大切でも普通は、妻のことを最優先すべきはずだったことをミカエルは思い出すことはできるのか?
嫌なことは全て妻に負担をかけて、自分だけ妹のローラとイチャついて良い思いをしようとするミカエル。こんな夫とは結婚生活を続けていけるわけがない。
それにクロエを離れで生活させることにもミカエルは悪く思わなかったのか?何も感じなくてローラと一緒にいたければ離婚になり、実家から絶縁されて追い出されても文句は言えないだろう。
「なんて落ち着かない壁紙なのかしら」
クロエはローラが暮らしていた部屋を見渡すと小声でつぶやく。クロエに断りなく勝手にローラが部屋を模様替えしたのも許せなかった。
相談も無くローラを住まわせて、夫婦の共有財産を使い部屋を自分好みの環境へ作り変えたのだ。クロエが選んだ心に安らぎを与えて落ち着かせてくれる壁紙は、悪趣味なほど派手な模様に変わっていた。
「ミカエルいつもありがとう」
実際今回のことが起こるまでは、クロエとミカエルの夫婦はとても平和で幸せな日々を送っていた。
クロエは何かとミカエルに感謝の言葉をかけて、いつも労をねぎらったうえ、愛に満ちた笑顔を絶やさないで迎えてくれたことに、ミカエルも純粋にほっとして気持ちが癒された。
だけど今は明るく元気だったクロエの精神は底ぬけにすさんでいる。先日は友人達と心おきなく楽しい会話を嬉しそうな表情でくだけた口調でしゃべった。
でも一人になると急に暗く寂しく感じて、上品で美しい顔は別れの不安を抱いて悲しい気分になっていくのだった。
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