「今日から妹も一緒に住む」幼馴染と結婚したら彼の妹もついてきた。妹を溺愛して二人の生活はすれ違い離婚へ。

佐藤 美奈

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第19話

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「クロエ様、ローラの現状もお伝えいたします」

両親はローラの状況も少し語ってくれた。母の姉である伯母からの手紙では、ローラは生活面までも厳しく管理されて、そのことに対して不満があったためか一度逃げ出そうと、窓から飛び降りるがその際に片脚を折ってしまった。

それから伯母からの長い説教がはじまり、とにかくローラの考え方は根本的に間違っていると、いつまでもくどくどと言い聞かした。その結果、伯母に恐怖心を覚え大声で叫ばれた命令には反射的に従うようになる。

「逃げようなんて考えないことね。最もその足では無理でしょうけど」

これまで伯母はローラに、どちらかと言えば柔らかい口調で接していたので、ローラは伯母の家での生活は安心できる場所を獲得したと軽く考えていた。

ところが徹底的にしごかれる生活を送ることになって、落ち込んだ表情になりがちでした。伯母は情を捨てて口調をがらりと変えた。当然だが両親からの指示で、ローラのことを手加減せず教育してほしいということだった。

「伯母様ってこんなに厳しいの?前は穏やかなお方だったのに……辛くて寂しい……お兄様は今なにをしてるのかしら?」

ローラは小さくつぶやくような声を発する。もう逃げようという意志はないようだ。不意にミカエルのことを考えてしまう。

想う気持ちを言葉にできないまま、生き別れになったローラは兄の温もりを感じるのだった。


「息子とやり直すことはできないのでしょうか?」
「無意識にそのようなことができる時点で駄目ですね」

ミカエルの父は神妙な顔つきで頭を垂れている。その隣には息子のミカエルが床にひれ伏したまま身動き一つしない。

クロエはローラが家に住む経緯をミカエルの口から聞いて、怒り半分呆れ半分の表情で溜息をついて苦笑する。

ここまで根性曲がりな性格の男だったとは思わなかった。クロエは詳しく話を聞くまでは、新たなる気持ちで関係を築き、自分たちの結婚生活を再開しようと告げる決心をしていた。

だが隠しごとを知ってしまったら、それを望むのは無理なこと。信頼感が失われて不信が膨らむ状況では、ミカエルとの結婚を容易に続けるのは不可能だという最終的な結論に達した。

「息子が悪いのですから仕方ありません」
「ミカエルが申し訳ございません」
「私もミカエルのことを愛していたので悲しいです」

ようやく納得した様子で、父が口を開いた。そして母も続けてクロエに今までのミカエルの非礼を詫びる。目には涙を一杯溜めて、唇をかみしめながら言う。

クロエも深い愛を確認し合った相手との別れに、非常に複雑な心境が顔に出ていた。二人は結婚して僅か一ヶ月ほどで正式に離婚することになった。
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