好きじゃない人と結婚した「愛がなくても幸せになれると知った」プロポーズは「君は家にいるだけで何もしなくてもいい」

第1話

「結婚してほしい。君は家にいるだけで何もしなくてもいいから」

「それなら結婚します」

子爵令嬢アイラは、公爵家の令息ロバートのその言葉で結婚を決めた。

アイラは、豪華な公爵家の広間に足を踏み入れ、心の中で葛藤を抱えていた。両親の強い勧めでロバートとの見合いをすることになったが、正直なところ、彼女は乗り気ではなかった。しかし、親の期待に応えなければならないという重圧がのしかかっていた。

「アイラ嬢、ようこそ。今日はお会いできて光栄です」

ロバートは穏やかな微笑みを浮かべながらアイラを迎えた。彼の青い瞳と口元の緩やかな笑みは安心感を与える。

「こんにちは、ロバート様」

アイラは緊張しながらも彼に微笑み返した。

「アイラ嬢、実はお願いがあります。結婚してほしい」
「本当に、いいのですか？　私には何の特別な能力もありませんけど……」

ロバートは、真剣な表情に変わりアイラを見つめて言った。衝撃的な告白を受け、アイラは返す言葉が見つからず、ただただ目を丸くした。

「そんなことはないよ、アイラ嬢。君がいるだけで、僕は幸せなんだ。君の笑顔が見れたらいい」

ロバートは柔らかく語りかけた。その言葉がアイラの心に響き、少しずつ不安が和らいでいくのを感じた。

「本当に何もいたしませんよ？」

「それでいい。君がそばにいるだけで、僕は満たされるんだ。君がいてくれることが、僕にとって一番の幸せなんだ。君は家にいるだけで何もしなくてもいい」

ロバートは力強く言った。アイラは、彼の言葉に心が動かされ、自分の気持ちが変わっていくのを感じた。

「それなら、結婚してもよろしいです」

「それが聞けて本当に嬉しい。アイラ嬢となら、どんな困難も乗り越えられる気がする」

アイラは決意を込めて言った。ロバートの目が輝き、嬉しそうに微笑んだ。ロバートは、アイラの手を丁寧に握りしめ、目を輝かせながら言った。

「私、これからどうなるのか不安です。でも、結婚しても何もしなくてもいいなら、少しずつ自信が持てるかもしれません」

「不安は当然だよ。でも、二人で支え合っていこう。君がいることで、僕も元気になれるんだ」

アイラは心の中の不安を素直に話すと、ロバートは思いやりを持って言った。

「私たちは、これから一緒に新しい人生を歩んでいくのですね」

「そうだ。アイラ嬢と共に歩むことが、僕の一番の幸せだ」

アイラは微笑みながら言うと、ロバートはアイラを見つめ、幸福感に満ちた表情を浮かべた。

「これから、どんなことが待っているのでしょうね？」

「きっと素晴らしいことが待っているよ。君となら、どんな未来も楽しめるさ」

アイラは、不安と期待が入り混じった表情で尋ねると、ロバートは絶対に大丈夫だと、疑いのない自信に満ちた声で答えた。

二人の間には新しい絆が生まれた。公爵家の令息ロバートとの出会いは、アイラにとって新たな決断の第一歩となり、アイラの心にはロバートと共に歩む未来への期待が膨らんでいった。