好きじゃない人と結婚した「愛がなくても幸せになれると知った」プロポーズは「君は家にいるだけで何もしなくてもいい」

ぱんだ

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第11話

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「そんな事ありえないだろう。レイラとは、あれから一度も会っていないんだ」

レイラの告白は、ロバートにとって青天の霹靂へきれきで、雷に打たれたみたいに思考が停止した。彼の脳内では、最後にレイラと交わした言葉や、彼女の顔がスローモーションで再生されている。一年以上も前の記憶なのに、昨日のことのように鮮明だ。

「でもな、姉が妊娠しているのは事実だぞ!」

しかし、レイラの弟の言葉は重く確信に満ちていた。レイラが妊娠してるのは本当のようだ。

ロバートの心臓は、ジェットコースターの急降下寸前のようにドキドキと音を立て始めた。一体、何がどうなっているんだ? 自分の知らない時間の中で、レイラと何かあったというのか? ロバートは頭を抱えたくなった。

「誰の子供なのか調べるしかないか……子供が生まれたら調べればいい。本当に僕の子供なのかを」

ロバートは、眉間に深い皺を刻んだ。その言葉には、拭いきれない不安が入り混じっていた。全く記憶にないが、もし、自分の子供だったら……? 想像するだけで胸の奥が熱くなった。


「嘘でした……」

すると、どこか怯えているようにも見えるレイラは俯き、消え入りそうな声で言った。レイラの心の中には、不安が渦巻いて胸が苦しくなる。目の前にいるのは、自分の家族。彼らの視線が、鋭い刃物のように感じられた。

「あんた、どういうつもりなの?」

レイラの母親は冷たく言い放った。彼女は手を叩きながら怒りを露わにした。レイラは、母親の言葉に耳を傾ける余裕もなかった。レイラは、風に吹かれた葉っぱのようだった。家族はレイラの返事に唖然とし、しばしの沈黙が流れた。

「姉さん、嘘って、どういうこと?」

「レイラ、何ていうことをしてくれたんだ!」

弟が首をかしげる。その無邪気さが、かえってレイラの心を締め付ける。レイラの父親も厳しい口調で続けた。

レイラは、彼らの言葉が重くのしかかるのを感じた。彼女の心の中には、ロバートへの愛情と裏切りの感情が交錯していた。ロバートの笑顔が思い浮かぶたびに彼女の心は揺れ動いた。

(ロバートの子供じゃないけど、でも、ロバートは本当に私のことを愛しているのよ!)

レイラは心の中で叫んだ。しかし、その言葉を口にする勇気はなかった。


レイラの告白を聞いた家族は呆れ果てた。長女の突拍子もない嘘に家族は紛糾。怒号とため息が入り混じって家族はショックを受けた。まさか、あなたがそんな嘘をつくなんてと開いた口が塞がらない。

「一体、何を考えているんだ!」
「恥を知れ!」
「もう、あんたの顔なんて見たくない!」

レイラの家族の怒りは収まることを知らず、わめき散らした声が部屋中に響き渡っていた。

ロバートは言葉を失った。レイラが、まさかこんな嘘をつくなんて想像すらしていなかった。彼の心は、深い悲しみとやり場のない怒りでぐちゃぐちゃになった。
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