幸せな結婚生活に妻が幼馴染と不倫関係、夫は許すことができるか悩み人生を閉じて妻は後悔と罪の意識に苦しむ

佐藤 美奈

文字の大きさ
5 / 12

第5話

ハリー殿下の問いかけにオリビア夫人はジョージは学園時代の同級生と口にしただけで後は何一つ答えない。

娘のカミーユの話しでは結婚してから数えきれないほどジョージと会っているから言い訳も思いつかないのだろう?あの妻の夢から覚めたような表情を見れば長年に渡り家族を裏切っていたことは確定した。

妻とジョージが二人だけでどこかに行った時はカミーユは妻の専属のメイドと遊んでいると教えてくれた。妻が何も話さないならメイドは全て分かっているからメイドに聞けばいい。

オリビア夫人もそれなりに忙しいから不倫が簡単に出来る環境ではないとハリー殿下は都合のいいように考えてしまうが不倫をする人間はどんな手段を使ってでも実行することが理解できた。

上品であどけない妻がジョージにとち狂ってると思うと悲しくてやるせない。自分の大事な妻でまだ断ち切れない愛情があるのに胸の中に穴が開いているような感じで気持ちが沈む。

「殿下!」

酒であたたかくなった身体は神経の高ぶりをほぐしていつの間にか泣きながら眠り込んでいた。水の流れのように言葉が耳元に自然と入ってきたハリー殿下を起こしたのは側近。

「ん?ああ、眠ってしまったか」

気のぬけたあくびをするハリー殿下に声をかけた側近は困惑したような顔になり、周りにいる側近は弱りきった表情で疑う余地もなくあきれ返って突っ立っている。

「殿下これから会談がありますから」
「すまない。飲みすぎたな」
「殿下しっかりしてください」
「はぁ…」

ハリー殿下はテーブルを見て笑顔を取り繕うと下を向いて力のない目で絶望的なため息をもらす。影のように主人に寄り添っている取り巻き達は当然ながらオリビア夫人の不健全な男女関係を知らない。

自分達の主人が何かむしゃくしゃして酒を勢いよく飲んで気分を落ち着かせているのだと勝手に思っている。ハリー殿下は好物の酒を浴びるように飲んでも胸の中の重苦しさが減ることはなかった。

あなたにおすすめの小説

〈完結〉姉と母の本当の思いを知った時、私達は父を捨てて旅に出ることを決めました。

江戸川ばた散歩
恋愛
「私」男爵令嬢ベリンダには三人のきょうだいがいる。だが母は年の離れた一番上の姉ローズにだけ冷たい。 幼いながらもそれに気付いていた私は、誕生日の晩、両親の言い争いを聞く。 しばらくして、ローズは誕生日によばれた菓子職人と駆け落ちしてしまう。 それから全寮制の学校に通うこともあり、家族はあまり集わなくなる。 母は離れで暮らす様になり、気鬱にもなる。 そしてローズが出ていった歳にベリンダがなった頃、突然ローズから手紙が来る。 そこにはベリンダがずっと持っていた疑問の答えがあった。

拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】 僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。 ※他サイトでも投稿中

優柔不断な公爵子息の後悔

有川カナデ
恋愛
フレッグ国では、第一王女のアクセリナと第一王子のヴィルフェルムが次期国王となるべく日々切磋琢磨している。アクセリナににはエドヴァルドという婚約者がおり、互いに想い合う仲だった。「あなたに相応しい男になりたい」――彼の口癖である。アクセリナはそんな彼を信じ続けていたが、ある日聖女と彼がただならぬ仲であるとの噂を聞いてしまった。彼を信じ続けたいが、生まれる疑心は彼女の心を傷つける。そしてエドヴァルドから告げられた言葉に、疑心は確信に変わって……。 いつも通りのご都合主義ゆるんゆるん設定。やかましいフランクな喋り方の王子とかが出てきます。受け取り方によってはバッドエンドかもしれません。 後味悪かったら申し訳ないです。

犠牲の恋

詩織
恋愛
私を大事にすると言ってくれた人は…、ずっと信じて待ってたのに… しかも私は悪女と噂されるように…

婚約者の心変わり? 〜愛する人ができて幸せになれると思っていました〜

冬野月子
恋愛
侯爵令嬢ルイーズは、婚約者であるジュノー大公国の太子アレクサンドが最近とある子爵令嬢と親しくしていることに悩んでいた。 そんなある時、ルイーズの乗った馬車が襲われてしまう。 死を覚悟した前に現れたのは婚約者とよく似た男で、彼に拐われたルイーズは……

君を幸せにする、そんな言葉を信じた私が馬鹿だった

白羽天使
恋愛
学園生活も残りわずかとなったある日、アリスは婚約者のフロイドに中庭へと呼び出される。そこで彼が告げたのは、「君に愛はないんだ」という残酷な一言だった。幼いころから将来を約束されていた二人。家同士の結びつきの中で育まれたその関係は、アリスにとって大切な生きる希望だった。フロイドもまた、「君を幸せにする」と繰り返し口にしてくれていたはずだったのに――。

某国王家の結婚事情

小夏 礼
恋愛
ある国の王家三代の結婚にまつわるお話。 侯爵令嬢のエヴァリーナは幼い頃に王太子の婚約者に決まった。 王太子との仲は悪くなく、何も問題ないと思っていた。 しかし、ある日王太子から信じられない言葉を聞くことになる……。

捨てられた私が今度はあなたを捨てる

nanahi
恋愛
「お前なんか愛していなかった」愛しいあなたは私にそう言い放った──侯爵令嬢エルザは美形の靴職人グレイと恋に落ち全てを投げ打ち結婚した。だがある日突然、グレイは置き手紙を残し消えてしまった。ようやくグレイと会えた時「お前なんか愛していなかった」と彼はエルザに冷たく言い放った。絶望の中、残されたエルザはなんと子どもをみごもっていた。しかも数年後、グレイは男爵令嬢と結託しエルザの大事な子を奪いにやって来た。