親友と幼馴染の彼を同時に失い婚約破棄しました〜親友は彼の子供を妊娠して産みたいと主張するが中絶して廃人になりました

第一話

私、オリビア・ド・シャレット令嬢は婚約破棄を決断いたしました。 

彼、ノア・テオドール・ヴィクトー令息とは幼馴染で5年以上お付き合いして婚約までしたのに期待はずれで紳士とは程遠い男でした。

浮気をしたノアには何の心残りもありませんが、相手の両親には大変お世話になったことを考えると切ないです。 

彼の両親から土下座をされて謝られた時は身を切られる思いで申し訳ない気持ちでした。

「彼はオリビアに復縁はしてきたの？」

私にそう聞いてきたのは友達のアメリア伯爵令嬢。

「もちろん謝ってきたよ。私は許さなかったけどね」
「オリビアは彼のことあんなに好きだったのに……」
「確かに浮気する前は好きだったよ」

最後のノアは本当に惨めだった。 子供のように私の足に泣いてしがみついて許してくれって……。

私に捨てられそうになってやっとノアは自分のしてきたことが理解できたのでしょう。

ノアは自業自得ですが私と別れて心が病んでしまったみたいでこれから先まともな人生を送れないかもしれません。

きっかけはノアの部屋で見つけた恋文でした。

「これはなんですか！」と問いただしたらノアは口をつぐみました。

内心は許すつもりはありませんが「正直に答えれば許します」と言ったらあっさりと浮気を認めました。

ノアの言葉に私は驚きを隠せませんでした。浮気相手は私の親友のマチルダ伯爵令嬢だったのです。