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第1話 結婚を申し込まれる
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「ロナウド・オスバッカスは一生かけてソフィア・フランチェスカを愛しい人として幸せにし守りぬき共に生きることを誓います」
男爵令嬢ソフィアは幼馴染の子爵令息ロナウドに結婚の申し込みをされて受け入れる。思いが湧きあがり抱き合いキスを交わした。学園を卒業したら夫婦になることが決まった。二人は社交的で明るい性格で友人にも恵まれて楽しい学園生活を送っていた。
「――どうしたの?ソフィア?」
「ロナウドごめんなさい。ぼーっとしてたみたい」
「別にいいんだよ。ぼーっとする時は誰にでもあるからね。それとも何か悩みがあるの?」
「え?悩みなんてないよ」
「本当に?何か隠し事してない?」
放課後、一緒に下校していた。学園を出て少し歩いたところでロナウドが話しかけてきた。いくらか元気がないような気がして、心配そうな顔でソフィアの顔を覗き込んでいる。
思わずはっとして我に返り声を出した。ソフィアは他のことを考えているような感じだった。ロナウドはふわりと優しく微笑んで言った。何か困った顔してるけど悩み事でもあるの?
ソフィアは余計な心配をかけたくないという思いから、無理して作っている笑顔を見せて言った。でも古くから仲良くしている相手なので、ロナウドは思うところがありソフィアの様子がおかしいと感じた。
「何もないから心配しないで。この前プロポーズしてもらえて今もロナウドと一緒にいられて私は幸せよ」
「わかった。ソフィアがそういうなら信じるよ。でも何か困った事があればすぐに相談してくれ。僕はいつでもソフィアの味方だからね」
「うん、ありがとう」
ソフィアは首を振り否定した。結婚しようと申し込んで来てくれたことに、幸福な気分に浸っていると微笑み何ひとつ悩むことはないと話す。
ロナウドはそれ以上しつこく聞くような事はしなかった。それでも本当に悩んでいるなら事情を打ち明けて相談してほしいと言うと、ソフィアは感情のあふれる声でお礼を言い曖昧に笑ってごまかしていた。
ロナウドはいつも思いやりを抱いてくれて肯定的に受け止めてくれる。ソフィアの意見が間違っていると思ったら、愛情を込めて叱ってくれる心から尊敬し愛している相手。
――ソフィアは言えなかった。自分が学園でいじめられてるなんて……正直に話すと不安な気持ちで一杯だった。でもこの時はロナウドに助けを求める事が恥ずかしいと思ってしまって言えませんでした。これは自分で解決すべき問題だと考えていました。
男爵令嬢ソフィアは幼馴染の子爵令息ロナウドに結婚の申し込みをされて受け入れる。思いが湧きあがり抱き合いキスを交わした。学園を卒業したら夫婦になることが決まった。二人は社交的で明るい性格で友人にも恵まれて楽しい学園生活を送っていた。
「――どうしたの?ソフィア?」
「ロナウドごめんなさい。ぼーっとしてたみたい」
「別にいいんだよ。ぼーっとする時は誰にでもあるからね。それとも何か悩みがあるの?」
「え?悩みなんてないよ」
「本当に?何か隠し事してない?」
放課後、一緒に下校していた。学園を出て少し歩いたところでロナウドが話しかけてきた。いくらか元気がないような気がして、心配そうな顔でソフィアの顔を覗き込んでいる。
思わずはっとして我に返り声を出した。ソフィアは他のことを考えているような感じだった。ロナウドはふわりと優しく微笑んで言った。何か困った顔してるけど悩み事でもあるの?
ソフィアは余計な心配をかけたくないという思いから、無理して作っている笑顔を見せて言った。でも古くから仲良くしている相手なので、ロナウドは思うところがありソフィアの様子がおかしいと感じた。
「何もないから心配しないで。この前プロポーズしてもらえて今もロナウドと一緒にいられて私は幸せよ」
「わかった。ソフィアがそういうなら信じるよ。でも何か困った事があればすぐに相談してくれ。僕はいつでもソフィアの味方だからね」
「うん、ありがとう」
ソフィアは首を振り否定した。結婚しようと申し込んで来てくれたことに、幸福な気分に浸っていると微笑み何ひとつ悩むことはないと話す。
ロナウドはそれ以上しつこく聞くような事はしなかった。それでも本当に悩んでいるなら事情を打ち明けて相談してほしいと言うと、ソフィアは感情のあふれる声でお礼を言い曖昧に笑ってごまかしていた。
ロナウドはいつも思いやりを抱いてくれて肯定的に受け止めてくれる。ソフィアの意見が間違っていると思ったら、愛情を込めて叱ってくれる心から尊敬し愛している相手。
――ソフィアは言えなかった。自分が学園でいじめられてるなんて……正直に話すと不安な気持ちで一杯だった。でもこの時はロナウドに助けを求める事が恥ずかしいと思ってしまって言えませんでした。これは自分で解決すべき問題だと考えていました。
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