不倫した妹の頭がおかしすぎて家族で呆れる「夫のせいで彼に捨てられた」妹は断絶して子供は家族で育てることに

佐藤 美奈

文字の大きさ
10 / 24

第10話

しおりを挟む
「お姉様!私を助けてくれるようにお父様に何か言ってください」
「無理だよ」
「かわいい妹をお姉様は見捨てるおつもりですか?」
「私にはどうすることもできない」
「そんなことありません!お姉様ならお父様にも対抗できます!」

自我を失い目の色を変えた妹のアメリアが悪霊に取り付かれたような凄まじい勢いで飛び込んでくる。

お気の毒なほど熱心になり演説のような強い意気込みで泣いて頼み込むが姉のエミリーは決して態度を崩さない。

「騒々しいですよアメリアもう黙ってちょうだい!」
「お母様も助けて!」
「諦めなさい!」
「そんなこと言わないでお母様!」
「はしたない!淑女として下品極まりないですよ!」
「お母様…」
「浅ましい!」

温和な性格の母親のイザベラも神経が張り裂けそうになるほどの怒りに震えて我慢の限界でした。それでもイザベラは愛を込めて怒っている。

いくら助けを求めても家族は本気で見捨てる目をして、野良犬でも追い払うように冷たい態度で突き放す。

既にあなたは家族ではないという気持ちで、エミリーとイザベラも助け舟を出すことはなかった。

「アメリアいい加減にしろ!見苦しいぞ!」

蜘蛛の巣にかかった虫のようにみっともなく全力であがく妹に、往生際が悪いと父親のジャックが怒りと威厳のこもった声を上げる。

だがアメリアも間髪を入れずに全身から怒りを発してけんか腰で叩き切るように鋭く反論した。

「お父様!私はかわいいだけが取り柄なんですよ!あんな多額のお金なんて稼げるわけがありません!」
「どんな手段を使っても構わないぞ」

その瞬間ハッとして何かを閃いたアメリア。

「お父様は気高き可憐な公爵令嬢に体を売れとおっしゃるのですか?」
「別に私はそんなことを一言も口にしてはいない」

ジャックは遠まわしに自分に娼婦をしろと言ったことにアメリアは本能的に気づく。

「ギャャーー!!キェェーーーーーー!!ギョョーーーー!!キィィーーー!!」

つい今しがたの絶叫よりも輪をかけて大きい叫びが部屋中に響き渡る。アメリアの怪鳥のような気違いの悲鳴を数十秒間に渡って聞くことになった。

聞くに堪えない悲鳴に全員が耳を手で押さえ神経に寒気が走り、絶望に震えてる目をして恐怖から瞳が揺れている。

この精神異常者は一筋縄ではいかないと微塵も疑うことなく部屋の中にいた全員が手に取るようにハッキリと理解した。

かつて溺愛して愛嬌のいい声にかわいい妻の姿はなく、変わり果てて醜態をさらす妻を夫のオリバーは捨て犬を見るような同情の眼差しを向ける。

「僕は君のことを愛していたけど何もわかっていなかったんだね…」

深く引きつった顔をしたオリバーは肩をふるわせてこみ上げてくる悲しい思いを抑えきれずに、泉のような瞳から涙が頬を濡らす。

涙は拭いても止まらなく火がついたように子供のように大声で泣き出し、オリバーは天井を見上げて悔しさをかみしめる。

蜃気楼のように幻の結婚生活だった。自分はアメリアという女性に魔法をかけられていたのではないか?と心の中心でそう思っていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】精神的に弱い幼馴染を優先する婚約者を捨てたら、彼の兄と結婚することになりました

当麻リコ
恋愛
侯爵令嬢アメリアの婚約者であるミュスカーは、幼馴染みであるリリィばかりを優先する。 リリィは繊細だから僕が支えてあげないといけないのだと、誇らしそうに。 結婚を間近に控え、アメリアは不安だった。 指輪選びや衣装決めにはじまり、結婚に関する大事な話し合いの全てにおいて、ミュスカーはリリィの呼び出しに応じて行ってしまう。 そんな彼を見続けて、とうとうアメリアは彼との結婚生活を諦めた。 けれど正式に婚約の解消を求めてミュスカーの父親に相談すると、少し時間をくれと言って保留にされてしまう。 仕方なく保留を承知した一ヵ月後、国外視察で家を空けていたミュスカーの兄、アーロンが帰ってきてアメリアにこう告げた。 「必ず幸せにすると約束する。どうか俺と結婚して欲しい」 ずっと好きで、けれど他に好きな女性がいるからと諦めていたアーロンからの告白に、アメリアは戸惑いながらも頷くことしか出来なかった。

【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜

よどら文鳥
恋愛
 伯爵令嬢のミリアナは、次期公爵レインハルトと婚約関係である。  二人は特に問題もなく、順調に親睦を深めていった。  だがある日。  王女のシャーリャはミリアナに対して、「二人の婚約を解消してほしい、レインハルトは本当は私を愛しているの」と促した。  ミリアナは最初こそ信じなかったが王女が帰った後、レインハルトとの会話で王女のことを愛していることが判明した。  レインハルトの幸せをなによりも優先して考えているミリアナは、自分自身が嫌われて婚約破棄を宣告してもらえばいいという決断をする。  ミリアナはレインハルトの前では悪女になりきることを決意。  もともとミリアナは破天荒で活発な性格である。  そのため、悪女になりきるとはいっても、むしろあまり変わっていないことにもミリアナは気がついていない。  だが、悪女になって様々な作戦でレインハルトから嫌われるような行動をするが、なぜか全て感謝されてしまう。  それどころか、レインハルトからの愛情がどんどんと深くなっていき……? ※前回の作品同様、投稿前日に思いついて書いてみた作品なので、先のプロットや展開は未定です。今作も、完結までは書くつもりです。 ※第一話のキャラがざまぁされそうな感じはありますが、今回はざまぁがメインの作品ではありません。もしかしたら、このキャラも更生していい子になっちゃったりする可能性もあります。(このあたり、現時点ではどうするか展開考えていないです)

我慢しないことにした結果

宝月 蓮
恋愛
メアリー、ワイアット、クレアは幼馴染。いつも三人で過ごすことが多い。しかしクレアがわがままを言うせいで、いつもメアリーは我慢を強いられていた。更に、メアリーはワイアットに好意を寄せていたが色々なことが重なりワイアットはわがままなクレアと婚約することになってしまう。失意の中、欲望に忠実なクレアの更なるわがままで追い詰められていくメアリー。そんなメアリーを救ったのは、兄達の友人であるアレクサンダー。アレクサンダーはメアリーに、もう我慢しなくて良い、思いの全てを吐き出してごらんと優しく包み込んでくれた。メアリーはそんなアレクサンダーに惹かれていく。 小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。

【完結】気味が悪いと見放された令嬢ですので ~殿下、無理に愛さなくていいのでお構いなく~

Rohdea
恋愛
───私に嘘は通じない。 だから私は知っている。あなたは私のことなんて本当は愛していないのだと── 公爵家の令嬢という身分と魔力の強さによって、 幼い頃に自国の王子、イライアスの婚約者に選ばれていた公爵令嬢リリーベル。 二人は幼馴染としても仲良く過ごしていた。 しかし、リリーベル十歳の誕生日。 嘘を見抜ける力 “真実の瞳”という能力に目覚めたことで、 リリーベルを取り巻く環境は一変する。 リリーベルの目覚めた真実の瞳の能力は、巷で言われている能力と違っていて少々特殊だった。 そのことから更に気味が悪いと親に見放されたリリーベル。 唯一、味方となってくれたのは八歳年上の兄、トラヴィスだけだった。 そして、婚約者のイライアスとも段々と距離が出来てしまう…… そんな“真実の瞳”で視てしまった彼の心の中は─── ※『可愛い妹に全てを奪われましたので ~あなた達への未練は捨てたのでお構いなく~』 こちらの作品のヒーローの妹が主人公となる話です。 めちゃくちゃチートを発揮しています……

「帰ったら、結婚しよう」と言った幼馴染みの勇者は、私ではなく王女と結婚するようです

しーしび
恋愛
「結婚しよう」 アリーチェにそう約束したアリーチェの幼馴染みで勇者のルッツ。 しかし、彼は旅の途中、激しい戦闘の中でアリーチェの記憶を失ってしまう。 それでも、アリーチェはルッツに会いたくて魔王討伐を果たした彼の帰還を祝う席に忍び込むも、そこでは彼と王女の婚約が発表されていた・・・

幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。 そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。 たった一つボタンを掛け違えてしまったために、 最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。 主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?

【完結】記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました

Rohdea
恋愛
誰かが、自分を呼ぶ声で目が覚めた。 必死に“私”を呼んでいたのは見知らぬ男性だった。 ──目を覚まして気付く。 私は誰なの? ここはどこ。 あなたは誰? “私”は馬車に轢かれそうになり頭を打って気絶し、起きたら記憶喪失になっていた。 こうして私……リリアはこれまでの記憶を失くしてしまった。 だけど、なぜか目覚めた時に傍らで私を必死に呼んでいた男性──ロベルトが私の元に毎日のようにやって来る。 彼はただの幼馴染らしいのに、なんで!? そんな彼に私はどんどん惹かれていくのだけど……

【完結】大好きな彼が妹と結婚する……と思ったら?

江崎美彩
恋愛
誰にでも愛される可愛い妹としっかり者の姉である私。 大好きな従兄弟と人気のカフェに並んでいたら、いつも通り気ままに振る舞う妹の後ろ姿を見ながら彼が「結婚したいと思ってる」って呟いて…… さっくり読める短編です。 異世界もののつもりで書いてますが、あまり異世界感はありません。

処理中です...