実家に帰ったら平民の子供に家を乗っ取られていた!両親も言いなりで欲しい物を何でも買い与える。

佐藤 美奈

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エマに危害を加えたメイド達は罰を受けて、全員正座させられてました。ひとり残らずひどく恐縮した顔で身が縮み上がって人形のように固まっている。

その光景が瞳に映ったリディアは、やるせない悲しみをうかべて胸を切なくさせていた。

どうして平民で家と無関係のエマには、常識を突き抜けた慈愛のある対応ができるのに、家で身を粉にして働いているメイド達には、ぞんざいに扱うのか理解ができない。

それにこのメイド達のほとんどは、行儀見習いで奉公している貴族の令嬢です。父を長として同じ派閥で身内のような存在。長年に渡って親同士で仲の良い令嬢が何人もいるのに。

「お父様これは一体どういう事でしょうか?お父様が懇意にしている親の娘達なのですよ?」

両親から弾圧の対象になっているメイド達を救えるのは、この家の娘のリディアしかいないのです。メイド達のことを守ると約束したのに、怒りを通り越して情けない気持ちで自分に苛立つ。

「それは私の台詞だ。エマから話は聞いた。どうしてエマを平民だという理由で見下すのだ?それよりも一番許せないのは、お前がメイドに指示してエマを袋叩きにしてこの家から追い出そうとしたそうだな」

久しぶりに対面した父は、温かみを捨てさり人の心を持たない機械のように人が変わった感触を持つ。リディアの脳裏に焼きついている記憶の父は、いつでも深い愛情のある穏やかな顔つきで柔らかい言い回しで慈愛に満ちていた。

「あなたはいつからそんなに冷たい人間になったのですか?」

父の後ろでエマを抱きしめていた母は、実の娘に向けるとは思えない軽蔑の眼差しで、頭のおかしい人物を観察するように人間味を感じさせない表情。

エマは以外に元気そうな印象を受ける。それどころか純粋な子供とは思えない底意地が悪い顔で、勝ち誇ったようにニヤついていた。先ほどまで虫の息の状態で弱っていたのが演技だと疑うほどです。

姿形は同じ人なのに、中身が全くの別人になった。エマに魔法で誘惑されたみたいに、リディアに手の平を返して態度が変わった両親に、わけもなく涙がにじんできた。

そんな両親でも自分は助けたいと強く思い、覚悟を決めた顔でくじけた心を立て直す。

「これはいくらお父様とお母様でも公爵家を守るためにも徹底的に戦わなければいけませんね」

両親は世話する子供がいない物足りなさをエマで埋めているのかもしれない。子供だから限度を知らなくて他人の家で偉そうに振る舞えるのだろう。

「私達はエマをこの家の養子にしようと考えている」

品性に欠けるエマを養子にする?あってはならない言葉。お世辞にも可愛いと言えない容姿で、正直答えると見てくれが悪く顔の整い具合もかなり乱雑。

「お父様は気が触れています」
「何とでも言え!妻もエマの養子を決意している」
「そんな信じられない……お母様まで……」
「本当よ。だってエマが可愛くて仕方がないの」

両親の命令でリディアは地下の牢屋に閉じ込められました。数日間食事も与えられずにそのまま放置されて、気がついたら泉下の客となる――

最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
この物語を、皆さまと共有できたことが何よりの幸せです。
またどこかの物語でお会いできますように。
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