突然「彼と別れて婚約破棄してください」と言われる〜恋人の王太子殿下に確認すると浮気相手と結婚したい?弱みを握られてました

佐藤 美奈

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第6話

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話し合いの滑り出しにマクシム殿下がクロエ令嬢と結婚したいとご両親様に伝えた時です。

「私は二人の結婚には反対です!」

父親のオリバー国王は二人の結婚を優しい口元で認めてくれましたが、母親のジュリエット王妃は異を唱える。

運命的な二人の恋人の未来をひたすらに黒く塗りつぶすような発言をしていました。

「クロエとの結婚を認めてくれないのならお母様とはこれから先は息子でもありません!」

マクシム殿下が生まれて初めてジュリエット王妃に怒りのスイッチが入って立ち向かい文句を口にする。

猫かわいがりして何をされてもよいほど溺愛している息子からそのように噛みつかれてジュリエット王妃は頭の中が真っ白になる。

かわいい息子に奈落へ突き落とされるような淋しさで困惑したような顔になりました。

「あなたがマクシムに言わせているのね! 今まで一度たりとも私に反抗するようなことはなかったのです!」

冷静さを失ったジュリエット王妃は銃口を婚約者に向けてクロエ令嬢が標的にされる。

「お母様勘違いなさらないでください。クロエは何も悪くありません」

マクシム殿下は迷うことなく愛する恋人を助ける。当たり前ですがクロエ令嬢はそんなことを吹き込んで言わせてないのですから。

「マクシムあなたはこの女に騙されてるのよ」
「そんなことは絶対にございません!」
「なら何故そのような言葉遣いを母に向かってするのですか?」
「お母様がクロエとの結婚を反対するからでしょう?」
「あなたは母親とこの女とどちらが大事なのですか!」
「そんなのクロエに決まっています!」

そう言われてジュリエット王妃は頭に雷が落ちたようなショックが全身を貫き、ひどく悲しくて声を立てて子供のように泣き始めるのです。

それをオリバー国王とマクシム殿下が甘やかす声で赤ちゃんをなだめるように優しく落ち着かせる。

数分間クロエ令嬢は困惑したような目つきで何ともいえない顔で眺めていました。

最後には、やっぱり息子が可愛いのかジュリエット王妃は折れます。

「冗談で言ったのよ。私はあなた達二人の愛を確かめたのです!」

都合の良いことを言ってごまかしていましたが、引きつった笑顔を頬に貼り付けて唇を固くむすんで無言の反抗を見せていたのを忘れません。
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