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第3話

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「私たちは魔法のおかげで今を生きられるのだ!」
「よく存じております」

誰もが魔法の力があるから、帝国は他国から侵略を受けることなく平和を維持いじできている。ガブリエルは自分の信念や観念を強く主張した。クロエもその意見には理解して同意する。

「お前は公爵家の娘でありながら初級魔法すら使えないからな。恥ずかしく思わないのか?」
「そうですね……ですから家族からも失望したと言われてゴミみたいにあつかわれてます」
「冷たくされるのも仕方ないだろう。平民の子供でも初級魔法なら自在に使えるのだ。大人になると中級魔法を使いこなせるようになり、才能がある者は貴族にも引けをとらないほどの高威力こういりょくな上級魔法を意のままに操れる」

どういうわけか魔法は平民より貴族のほうが資質に恵まれていた。そうはいうものの、クロエは公爵家という上級貴族でありながら、魔法が全然使えないのです。

どうしてお前は魔法が使えないんだ?公爵家の長女として、あるまじき事だと小さい頃は両親から失望されて責められ続けた記憶しかない。ほとほと困り果てて心の中ではずっと悩んでいた。今は家族に諦められて、家の中では絶望的な立場に追いこまれている。クロエにはアンナという妹がいて、魔法の才能を高く評価されていた。

帝国の中でもトップクラスの実力をほこり、帝国魔法部隊に選ばれた超エリート組であった。そのためアンナは両親からとても溺愛できあいされて愛情を独占した。性格は自己中心的な態度が目立って、非常識な人間と言えるだろう。アンナのどんな我儘わがままでも許してきた両親のせいであった。


――明らかなことですが、魔法が使えない姉のクロエに対して妹のアンナは冷たく接している。いつもばか者扱いしていたのであります。

「お姉様は何故そんなに無能なのかしら?」
「……」
「私はこんなに魔法の優れた才能があるのに……神は不平等ですわ」
「……」
「お姉様はどうして魔法が使えないの?」
「はぁーっ、そんなこと私にも分かりませんよ」

読書をしていたら、アンナが絡んできました。いつものことなので気にもなりませんが、少々しつこいので深くため息をついて、わずかに口を開いて呆れたような迷惑そうな声で言う。

「魔法も使えないくせに、少しだけ顔が綺麗だからってガブリエル殿下と婚約して腹立たしい!」
「彼は私が魔法を使えなくても差別せずに愛してくれました」
「無能の分際で、生意気な口を叩かないで!!」

クロエは美しい容姿と、輝く美しい澄んだ青い瞳を持った女性でした。アンナも整った顔立ちをしていますが、クロエと比べると特に特徴がなく見劣りしてしまう。

そのことにアンナは屈折くっせつした気持ちを抱いていた。魔法が使えない姉が顔が良いだけで、王太子ガブリエルと婚約したことが許せなかったのです。
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