王子に婚約破棄されて国を追放「魔法が使えない女は必要ない!」彼女の隠された能力と本来の姿がわかり誰もが泣き叫ぶ。

佐藤 美奈

文字の大きさ
4 / 47

第4話

しおりを挟む
「ですが、ガブリエル殿下はそんな魔法の使えない私を愛していると言ってくださいましたよね?」
「……確かに昔は愛していた。だが私にはディオール帝国をみちびくという使命があるのだ。我が妻には魔法の素質を持つアンジェリカを選ぶのは至極しごく当然なことであろう?」

この国でただ一人魔法が使えない女性のクロエに、誰もが冷たい目で彼女を睨みつけて、見下したような態度をとっていた。

それでもガブリエルだけは、とても優しく親切な目で見てくれた。明るい笑顔を見せて、目を合わせて話してくれるのもクロエは嬉しかった。彼はいつも助けて支えてくれた。それが彼女の救いだった。

いきなりプロポーズされた時は、この上ない喜びでした。婚約が決まって少しだけ家族も優しくなった気がする。ガブリエルはクロエのことは愛していた。それは間違いなく真実である。過去のものとなったが……。

「二人が婚約していたといううわさは本当だったのね……」
「あんな無能が魔法帝国の王妃なんて許されません!」
「魔法学園の創立記念パーティーに、あの者は相応ふさわしくないだろう……」
「魔法が使えないなんて貴族の恥だ……」
「太陽のごとくさかえるディオール帝国に魔法が使えない人間は必要ない」
「みっともない……早く他国に行けばいいのに……」

今も魔法学園の創立記念パーティーで、周りではクロエに対して不満や疑問を強く抱いている人は多い。批判的な意見が大半を占めていた。家族には見放され、さらに婚約していたガブリエルからも裏切られた。

日常的に色々な人から敵意を向けられて、彼女の心を傷つける。さんざん悪口を浴びせられて、彼女はどんなに辛い思いをしたことか。

ガブリエルはクロエと婚約した後は、魔法帝国で王太子という立場と、周りからの重圧に耐える日々を送る。そんな時、天才的な魔法の才能を発揮する幼馴染のアンジェリカに心が揺れて、特に親密な関係になるのに時間はかからなかった。


「――ガブリエル殿下に婚約破棄されたそうだな」
「……はい……」
「それならば、この家には必要ないな……」

その日、家に帰ってきてから父に呼ばれた。ガブリエルとの婚約が無くなったことを知って、娘のクロエを追い出すことに家族全員の決心がついた。何とも血も涙もない家族であろうか……。

「出ていけということですか?」
「私が今までお前が魔法を使えないことで、どれだけ恥をかかされて屈辱くつじょくを味わったかわかるか! お前はアンナのように魔法の才能はないが、美しい器量きりょうでガブリエル殿下の心を掴んで婚約までした。だが婚約破棄されたならお前に居場所はない!!」
「……わかりました」

クロエは家から絶縁ぜつえんを宣言されて国から追放された。ところがクロエは魔法帝国ディオールに、で絶対に必要な能力を持っていた。クロエがいなくなってすぐに国民の生活が混乱し、国の根幹を揺るがす大変な事態になる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜

織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。 侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。 学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

婚約破棄された千年転生令嬢は、名も居場所も縛られずに生きると決めました ――助けを乞うなら条件付きですわあ

ふわふわ
恋愛
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放。 ――はいはい、またその流れですわね。 貴族令嬢シェリア・ド・ラファルジュは、ある日突然、王太子から一方的に婚約を破棄され、平民出身の“聖女”リリカを選ばれる。 しかし彼女は嘆かない。なぜならシェリアは、千年分の転生の記憶を持つ存在だったから。 魔法、剣技、治癒術。 過去の人生で極めた力をすべて備えた彼女にとって、追放は「面倒事から解放されただけ」の出来事だった。 隣国ガルディア王国で“名も名乗らぬ旅人”として静かに暮らし始めたシェリア。 誰にも縛られず、期待も背負わず、助けるかどうかは自分で選ぶ―― そんな自由な日々を送っていた彼女のもとへ、やがて崩壊寸前となった祖国から「助けてほしい」という声が届く。 けれど、彼女はもう無償では救わない。 「私はもう、あの国の国民ではありません」 「条件を飲むなら向かいましょう。国民に罪はありませんから」 謝罪、対価、そして国を変える覚悟。 すべてを差し出した時、初めてシェリアは手を差し伸べる。 これは、 聖女でも英雄でもなく、 “選ぶ側”として生きることを決めた令嬢の物語。 婚約破棄ざまぁのその先で、 彼女は今日も、自分の居場所を選び続ける。

王命により、婚約破棄されました。

緋田鞠
恋愛
魔王誕生に対抗するため、異界から聖女が召喚された。アストリッドは結婚を翌月に控えていたが、婚約者のオリヴェルが、聖女の指名により独身男性のみが所属する魔王討伐隊の一員に選ばれてしまった。その結果、王命によって二人の婚約が破棄される。運命として受け入れ、世界の安寧を祈るため、修道院に身を寄せて二年。久しぶりに再会したオリヴェルは、以前と変わらず、アストリッドに微笑みかけた。「私は、長年の約束を違えるつもりはないよ」。

婚約破棄はまだですか?─豊穣をもたらす伝説の公爵令嬢に転生したけど、王太子がなかなか婚約破棄してこない

nanahi
恋愛
火事のあと、私は王太子の婚約者:シンシア・ウォーレンに転生した。王国に豊穣をもたらすという伝説の黒髪黒眼の公爵令嬢だ。王太子は婚約者の私がいながら、男爵令嬢ケリーを愛していた。「王太子から婚約破棄されるパターンね」…私はつらい前世から解放された喜びから、破棄を進んで受け入れようと自由に振る舞っていた。ところが王太子はなかなか破棄を告げてこなくて…?

婚約破棄された公爵令嬢ですが、王太子を破滅させたあと静かに幸せになります

ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エレナは、 誕生日の舞踏会で突然、婚約破棄を宣言される。 「地味で役に立たない」と嘲笑され、 平民の少女を新たな婚約者に選ぶ王太子。 家族にも見放され、エレナは王都を追われることに――。 しかし彼女は、ただの“癒しの令嬢”ではなかった。 静かに力を蓄え、事実と証拠だけで王太子の虚飾を暴き、 自らの手で破滅へと導いていく。 復讐の果てに選んだのは、 誰かに与えられる地位でも、名誉でもない。 自分で選び取る、穏やかな幸せ。 これは、 婚約破棄された公爵令嬢が 王太子を終わらせたあと、 本当の人生を歩き出す物語。 -

【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った

五色ひわ
恋愛
 辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。 ※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

処理中です...