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第12話
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王室の家族は、しばらくじっとしていた。エリザベス女王は椅子に腰を下ろしたまま、夫と息子のガブリエルは、ボロ雑巾のように床に転がっている。
「――お母様」
「ガブリエルどうしました?」
「本当にディオール帝国は崩壊するのでしょうか……?」
不意に目覚めたガブリエルが母の顔を見つめながら声をかける。その声に間も与えず反応して息子に言うと、彼はとても誠実な目で魔法帝国は崩れかけているのかと聞いた。
「……今、外国がこの国に侵略してきたらどうなると思います?」
息子の問いに対する母の言葉は質問でした。現時点で外敵に攻められた時はどうしますか?エリザベスは少し寂しそうな顔をして言う。それでいて優しい声である。
「それなら何も問題ないと思います!」
「どうして、そう言い切れるのですか?」
ガブリエルは自信たっぷりの顔つきだった。あまりに自信ありげな態度で顔を見上げている。エリザベスは不思議そうに首を傾げて尋ねてみた。なんで息子はあんなに元気な顔をしているの?母はそんな思いだった。
「確かに全ての国民が魔法が使えません。ですが、世界最強の魔法使いのお母様がいらっしゃるではありませんかっ!!!」
この国は絶対大丈夫だと、ガブリエルが素早く誇り高い口ぶりで答えられた理由は母であった。エリザベスは世界の誰もが認める天下無敵の魔法使い、というのが主張の根拠となっていたようだ。
大正解。まったくもってその通りなのです。ついでに申しますと、幼馴染のアンジェリカとクロエの妹のアンナは世界2番目と3番目の魔法使いである。実際はエリザベスの最大出力の1%以下なのですが……。
「はぁー、そういうことですか……やはりあなたの頭は大変おめでたいですね……」
やっぱり、この子は知識が足りない。なんで当たり前のことが分からないのか?あまりに悲しすぎる顔に変わって心の中は悲泣で広がっていく。息子の教育係に、もっと厳しい指導をお願いしなかったことに後悔したのであります。
「お母様!何か私は間違ったことを言いましたか?」
「ガブリエルよく聞きなさい。あなたの言うことは昔からどんなときも何から何まで間違っています」
まるで見当違いな息子の言葉に呆れたような声で返した。まだエリザベスは心に余裕があった。軽く微笑みかける表情はじつに自然で、人間であることの温かみを感じさせてくれる。
「からかうような事はおやめくださいっ!!!」
「私はふざけておりません。いつも真剣ですよ」
「ならば、さっき申し上げた通り、お母様がいつもみたいに攻撃魔法で敵部隊を駆逐したらよろしいのでは?」
お戯れならおやめください!ガブリエルは憤激の叫びをあげて興奮が急上昇すると最高点を通り越して、そのまま限界突破した。彼は神経が張り裂けそうであった。
エリザベスは、特にからかうつもりで言ったのではありませんでしたが、キレやすい息子に困ったものですねと思いながら言う。話している本人は、自分が的外れな意見を言っていることを分かっていないのです。
「私がどのように、この国を守れるのですか?」
「ですから、お母様の想像を絶する破壊力を持つ極大魔法で壊滅させればいいでしょう!お母様は世界一の魔法使いなのですからっ!!!」
母は悲しそうな顔で目に涙を浮かべて重く沈んだ声で言った。相当におめでたい男の発想であるが、涙を耐えるのに全精力を集中するエリザベスには、この時は少し息子の楽天的な性格が羨ましかった。
「黙れ小僧!だから私がどうやって守るのよっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「お、お母様……?」
美しく最も気高い心で超人的な力を持っているあのお母様がひどく取り乱した。涙を流しながら子供のようにすさまじい癇癪を起こした。これは、ただ事でないと感じたガブリエルは、やっとある思いが頭に浮かぶ。
「――もう無理なのです。私に国民を守れる力は無くなったのですよ」
「……な、なんで……?」
エリザベスはそれなりの時間首をうなだれて小康状態であった。今を平和に過ごしている国民たちの命を自分はもう救えない。エリザベス女王は強く確信しているような話し方で断言する。
何とも弱気な母の言葉に彼の精神は激しく動揺した。圧倒的な強さを誇って、この世界で神の域に達しているお母様がどうして……?
「あなたたちと同じように、私も魔法が使えなくなったのよ」
「――お母様」
「ガブリエルどうしました?」
「本当にディオール帝国は崩壊するのでしょうか……?」
不意に目覚めたガブリエルが母の顔を見つめながら声をかける。その声に間も与えず反応して息子に言うと、彼はとても誠実な目で魔法帝国は崩れかけているのかと聞いた。
「……今、外国がこの国に侵略してきたらどうなると思います?」
息子の問いに対する母の言葉は質問でした。現時点で外敵に攻められた時はどうしますか?エリザベスは少し寂しそうな顔をして言う。それでいて優しい声である。
「それなら何も問題ないと思います!」
「どうして、そう言い切れるのですか?」
ガブリエルは自信たっぷりの顔つきだった。あまりに自信ありげな態度で顔を見上げている。エリザベスは不思議そうに首を傾げて尋ねてみた。なんで息子はあんなに元気な顔をしているの?母はそんな思いだった。
「確かに全ての国民が魔法が使えません。ですが、世界最強の魔法使いのお母様がいらっしゃるではありませんかっ!!!」
この国は絶対大丈夫だと、ガブリエルが素早く誇り高い口ぶりで答えられた理由は母であった。エリザベスは世界の誰もが認める天下無敵の魔法使い、というのが主張の根拠となっていたようだ。
大正解。まったくもってその通りなのです。ついでに申しますと、幼馴染のアンジェリカとクロエの妹のアンナは世界2番目と3番目の魔法使いである。実際はエリザベスの最大出力の1%以下なのですが……。
「はぁー、そういうことですか……やはりあなたの頭は大変おめでたいですね……」
やっぱり、この子は知識が足りない。なんで当たり前のことが分からないのか?あまりに悲しすぎる顔に変わって心の中は悲泣で広がっていく。息子の教育係に、もっと厳しい指導をお願いしなかったことに後悔したのであります。
「お母様!何か私は間違ったことを言いましたか?」
「ガブリエルよく聞きなさい。あなたの言うことは昔からどんなときも何から何まで間違っています」
まるで見当違いな息子の言葉に呆れたような声で返した。まだエリザベスは心に余裕があった。軽く微笑みかける表情はじつに自然で、人間であることの温かみを感じさせてくれる。
「からかうような事はおやめくださいっ!!!」
「私はふざけておりません。いつも真剣ですよ」
「ならば、さっき申し上げた通り、お母様がいつもみたいに攻撃魔法で敵部隊を駆逐したらよろしいのでは?」
お戯れならおやめください!ガブリエルは憤激の叫びをあげて興奮が急上昇すると最高点を通り越して、そのまま限界突破した。彼は神経が張り裂けそうであった。
エリザベスは、特にからかうつもりで言ったのではありませんでしたが、キレやすい息子に困ったものですねと思いながら言う。話している本人は、自分が的外れな意見を言っていることを分かっていないのです。
「私がどのように、この国を守れるのですか?」
「ですから、お母様の想像を絶する破壊力を持つ極大魔法で壊滅させればいいでしょう!お母様は世界一の魔法使いなのですからっ!!!」
母は悲しそうな顔で目に涙を浮かべて重く沈んだ声で言った。相当におめでたい男の発想であるが、涙を耐えるのに全精力を集中するエリザベスには、この時は少し息子の楽天的な性格が羨ましかった。
「黙れ小僧!だから私がどうやって守るのよっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「お、お母様……?」
美しく最も気高い心で超人的な力を持っているあのお母様がひどく取り乱した。涙を流しながら子供のようにすさまじい癇癪を起こした。これは、ただ事でないと感じたガブリエルは、やっとある思いが頭に浮かぶ。
「――もう無理なのです。私に国民を守れる力は無くなったのですよ」
「……な、なんで……?」
エリザベスはそれなりの時間首をうなだれて小康状態であった。今を平和に過ごしている国民たちの命を自分はもう救えない。エリザベス女王は強く確信しているような話し方で断言する。
何とも弱気な母の言葉に彼の精神は激しく動揺した。圧倒的な強さを誇って、この世界で神の域に達しているお母様がどうして……?
「あなたたちと同じように、私も魔法が使えなくなったのよ」
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