王子に婚約破棄されて国を追放「魔法が使えない女は必要ない!」彼女の隠された能力と本来の姿がわかり誰もが泣き叫ぶ。

佐藤 美奈

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第19話

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「――お母様が最後に神のお告げを受けた時は、なんて言われたのですか?」

クロエが去って国民全員が魔法を使えなくなった。そのことが知られてりん国の兵が攻撃を仕掛けてきた。王族たちは追い詰められて絶体絶命の危機ききおちいってしまう。重苦しい失意の中で、ガブリエルがエリザベスに視線を向けて言った。答えが返ってくるかわからない質問だったが……。

「……私が外出先の静かな日向ひなたで、横になってゆっくり静養せいようしていたら神の声が聞こえました」

ディオール帝国の女王エリザベスは、心から幸福を感じながら明日の英気をやしなっていた。国民の命を守るために戦い続けてきた。まずは外国軍に占領せんりょうされていた国を取り戻して勝利の勝鬨かちどきを上げると、もう反撃を開始して逆に次々と他国を占領していった。

毎日いそがしい身の上で彼女は遊びに出かけた覚えなどはない。だがクロエとガブリエルの婚約が決まって、ようやく安心した表情になると、かねて計画を立てている2年間の世界旅行に出かけた。

エリザベスはずっと以前から酒はひかえていたのだが、旅行中は解禁して前よりも楽しそうに飲んでいた。周りの景色けしきが明るく見えて、大きな歓喜かんきと充実感を覚えていた。そんな時、神からの啓示けいじを受ける。

「――エリザベス!」

旅行中のエリザベスは心が弾む日々を送っていた。その日は、まぶしい太陽がかがやいていたので何と素晴らしいことだろうと思い、泊まっている宿の縁側でのんびり日向ぼっこをしていた。

とても気持ちいい気分でいたら、頭の中に怒鳴り声がひびいた。あまりに突然のことで、エリザベスもまだ気持ちの整理ができていなくて困惑した表情を見せる。幸福な感情が一瞬でどこかに吹き飛んでしまった。

「……神……?」

エリザベスは頭に思い浮かんだ言葉を口に出した。聞き覚えのある声で間違いなく神の声だった。とはいえ、いつもと様子がおかしい。神は感情的になってまるで喧嘩腰けんかごしのようであった。彼女は神の態度に一抹いちまつの不安が心にわき上がったのです。

「よくも娘のクロエを……ただでは済まさんぞ!!」

また容赦ようしゃなく怒鳴り声が飛んできた。神は込み上げてくる怒りを抑えきれなくなっていたのだ。常に冷静な語り口の神がどうしたのか?クロエに何があったのか?理解不能のエリザベスは精神的に不安定な状態になった。普段の神のお告げは、静かで穏やかな声が頭の中に響くのです。

「……あの、何かありましたか?」
「何かありましただと?ふざけておるのかっ!!!」

思わず声を出して質問した。いつもは神と話をすることなんて出来なくて、エリザベスが何か言っても神は会話をする気もないらしく軽く聞き流すだけである。ところが今回初めて神との会話が成立してしまった。
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