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第11話
「なにがあったの?早く教えて!」
心中穏やかでいられないアイシャは理性を失い、やり場のない怒りをぶつける。他の何よりも愛しいナルセスのことが心配で仕方なかった。
やはり不意の出来事が起こったのか結論として二人の逢い引きは本日は中止になったらしい。
それを聞いて胸をなでおろしたアイシャは、内心で大きくため息を吐く。とりあえずホッとした気持ちになり自然と表情がゆるむ。
「ただいま」
「お帰りなさい」
ナルセスはいつもの通りに帰宅した。アイシャも変わらぬ態度で接して笑顔で迎えるが、よく見ないと分からない程の頬に細い涙の痕がある。
「まだ少しやる必要がある事が残っているから、夕食ができたら呼ぶように伝えてくれ」
「わかりました」
「それじゃ頼むよ」
そう言って部屋に入ってもナルセスは何もする事はない。ルージュとの密会が中止になったが、アイシャに対する罪悪感が湧いてきて合わせる顔がないというのがナルセスの本音であった。
一緒に夕食を食べるが普段のように会話を交わすこともなく、とても静かに食事をする。ここで今日のことを告げたら、ナルセスはどう答えるのだろうとアイシャは頭をかすめますが沈黙を守り続ける。
「今日は疲れているから早く休むよ」
「はい、お休みなさい」
「うん」
夕食を終えてナルセスは先に寝室に向かった。ベッドに入るとルージュのことでハッとさせられ気分が落ち込む。
もし会っていたら、相変わらずオモチャにされていたかもしれないと思うとナルセスは恐怖心を感じて震えていた。心身ともに限界に達しなかなか寝付けなかった。
「なにがあったの?」
「実は……」
報告によると、この前の逢い引きが中止になったのは、ルージュ側の事情でやむを得ない用事があったらしい。
あれから数日後の朝、最近アイシャもナルセスも寝つきが悪くほとんど眠れていない。今日は、なおいっそう眠れなかったのに、二人はいつもよりも早く目が覚めた。
この日は、再び逢い引きする日だった。それにしてもあまりにも早すぎる。ルージュは余程ナルセスの体に飢えているのだろうか?
「ナルセスを傷つけるルージュを許せないわ」
監視者から渡された二人の手紙のやり取りの調査書にアイシャは軽く目を通す。大いに品性に欠けるルージュの欲望を駆り立てるような内容に、アイシャは躍動感みなぎる美しい声でつぶやく。
いつものように、夫婦一緒に朝食を食べ終えるとナルセスは仕事に行き、アイシャはこの前のように行動し万全の準備をして部屋で待機する。
「失礼いたします。二人は接触しました」
この前と違い予定通りの時間につなぎ役が部屋に入り報告をする。順調に進んでいるようだ。
心中穏やかでいられないアイシャは理性を失い、やり場のない怒りをぶつける。他の何よりも愛しいナルセスのことが心配で仕方なかった。
やはり不意の出来事が起こったのか結論として二人の逢い引きは本日は中止になったらしい。
それを聞いて胸をなでおろしたアイシャは、内心で大きくため息を吐く。とりあえずホッとした気持ちになり自然と表情がゆるむ。
「ただいま」
「お帰りなさい」
ナルセスはいつもの通りに帰宅した。アイシャも変わらぬ態度で接して笑顔で迎えるが、よく見ないと分からない程の頬に細い涙の痕がある。
「まだ少しやる必要がある事が残っているから、夕食ができたら呼ぶように伝えてくれ」
「わかりました」
「それじゃ頼むよ」
そう言って部屋に入ってもナルセスは何もする事はない。ルージュとの密会が中止になったが、アイシャに対する罪悪感が湧いてきて合わせる顔がないというのがナルセスの本音であった。
一緒に夕食を食べるが普段のように会話を交わすこともなく、とても静かに食事をする。ここで今日のことを告げたら、ナルセスはどう答えるのだろうとアイシャは頭をかすめますが沈黙を守り続ける。
「今日は疲れているから早く休むよ」
「はい、お休みなさい」
「うん」
夕食を終えてナルセスは先に寝室に向かった。ベッドに入るとルージュのことでハッとさせられ気分が落ち込む。
もし会っていたら、相変わらずオモチャにされていたかもしれないと思うとナルセスは恐怖心を感じて震えていた。心身ともに限界に達しなかなか寝付けなかった。
「なにがあったの?」
「実は……」
報告によると、この前の逢い引きが中止になったのは、ルージュ側の事情でやむを得ない用事があったらしい。
あれから数日後の朝、最近アイシャもナルセスも寝つきが悪くほとんど眠れていない。今日は、なおいっそう眠れなかったのに、二人はいつもよりも早く目が覚めた。
この日は、再び逢い引きする日だった。それにしてもあまりにも早すぎる。ルージュは余程ナルセスの体に飢えているのだろうか?
「ナルセスを傷つけるルージュを許せないわ」
監視者から渡された二人の手紙のやり取りの調査書にアイシャは軽く目を通す。大いに品性に欠けるルージュの欲望を駆り立てるような内容に、アイシャは躍動感みなぎる美しい声でつぶやく。
いつものように、夫婦一緒に朝食を食べ終えるとナルセスは仕事に行き、アイシャはこの前のように行動し万全の準備をして部屋で待機する。
「失礼いたします。二人は接触しました」
この前と違い予定通りの時間につなぎ役が部屋に入り報告をする。順調に進んでいるようだ。
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