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第15話
「ナルセスも本当にそう言っていたの?もしそうならルージュと結婚したいという理由を教えてくれる?」
そこでアイシャは、覚悟を決めて少し慌てた口調でまくし立てるように問いただす。
「密会した時には、ナルセスはいつもアイシャと別れて私と結婚したいと話すのよ。理由は自分は種無しだからアイシャに子供を作ってあげられないと悩んでいたわ。でも私は彼が好きだから、子供なんていらないからってナルセスのことを支えたいと慰めてあげた」
ルージュの表情が緩んで薄ら笑いを浮かべながら、勝ち誇った悪魔のような調子で言う。しかしアイシャの心は水が澄んだように揺らぎがなく冷静に保たれていた。
正面に座っているのは、まさに狂人のたぐい。よくもここまで堂々とした態度でいられるものだと、こっちが面食らってしまった。神をも恐れぬあまりにも傲慢すぎる発言を繰り返すルージュに、アイシャもなぜか落ち着いて頭の中を整理する。
「ナルセスが種無しだと?彼がそう答えたの?」
「本人からじゃないけど、色気を覗かせて彼の友人から聞いたわ。名前は確かハリソン」
アイシャの知る限りでハリソンという人物は、ナルセスの以前からの友人で気心の知れた関係。だが昔からお調子者の性格で秘密が守れないのが欠点だと、ナルセスが笑いながら話してくれたことがアイシャの脳裏によみがえる。
だけど今回のところは、このハリソンのお陰でナルセスが本当にルージュに脅されていたことが強い確信を持つ事ができた。
「そうですか……次回はナルセスを入れて話し合いましょう。何か意見はありますか?」
「別に何も問題はないわ。私も望むところよ」
「では今日はこれで帰らせてもらいます」
本当は今すぐにでもルージュの頬に一発、平手打ちをかましたい衝動を抑えるのに必死だった。
だがそんな事はどうでもいいと思えるほどの気持ちもある。愛しいナルセスがルージュに脅されて抱かれていた事が分かったことが、最大の収穫だと自分を納得させる。
なぜアイシャが強い確信を持てたのかと言うと、それはナルセスが種無しではないからです。どうしてナルセスが種無し扱いなのか?その理由はハリソンにありました。
「一度病院で診てもらおう」
「そうね」
実を言えば、アイシャとナルセスは結婚した時から子供を望んでいました。ところが、なかなか子宝に恵まれず二人は悩んでいた。信頼できる医者に体を診断してもらい、結果として二人とも正常だと判明した。
「僕達は毎日全身全霊を注いで頑張って仕込んでるのに、それなのになぜ子供ができないんだ!」
「ナルセス冷静になって!診察して二人とも異常はないと言われたんだから、ゆっくり作ればいいじゃない」
「でもおかしいだろう?やっぱり僕に問題があるんじゃないか?」
医者から問題ないと言われてたので、アイシャは地道に努力を重ねて子供を作ればいいと思いましたが、ナルセスは自分の体が原因なのかと挫折に似た心情で激しく思い込み、精神が破壊されて無力感に打ちのめされていた。
そこでアイシャは、覚悟を決めて少し慌てた口調でまくし立てるように問いただす。
「密会した時には、ナルセスはいつもアイシャと別れて私と結婚したいと話すのよ。理由は自分は種無しだからアイシャに子供を作ってあげられないと悩んでいたわ。でも私は彼が好きだから、子供なんていらないからってナルセスのことを支えたいと慰めてあげた」
ルージュの表情が緩んで薄ら笑いを浮かべながら、勝ち誇った悪魔のような調子で言う。しかしアイシャの心は水が澄んだように揺らぎがなく冷静に保たれていた。
正面に座っているのは、まさに狂人のたぐい。よくもここまで堂々とした態度でいられるものだと、こっちが面食らってしまった。神をも恐れぬあまりにも傲慢すぎる発言を繰り返すルージュに、アイシャもなぜか落ち着いて頭の中を整理する。
「ナルセスが種無しだと?彼がそう答えたの?」
「本人からじゃないけど、色気を覗かせて彼の友人から聞いたわ。名前は確かハリソン」
アイシャの知る限りでハリソンという人物は、ナルセスの以前からの友人で気心の知れた関係。だが昔からお調子者の性格で秘密が守れないのが欠点だと、ナルセスが笑いながら話してくれたことがアイシャの脳裏によみがえる。
だけど今回のところは、このハリソンのお陰でナルセスが本当にルージュに脅されていたことが強い確信を持つ事ができた。
「そうですか……次回はナルセスを入れて話し合いましょう。何か意見はありますか?」
「別に何も問題はないわ。私も望むところよ」
「では今日はこれで帰らせてもらいます」
本当は今すぐにでもルージュの頬に一発、平手打ちをかましたい衝動を抑えるのに必死だった。
だがそんな事はどうでもいいと思えるほどの気持ちもある。愛しいナルセスがルージュに脅されて抱かれていた事が分かったことが、最大の収穫だと自分を納得させる。
なぜアイシャが強い確信を持てたのかと言うと、それはナルセスが種無しではないからです。どうしてナルセスが種無し扱いなのか?その理由はハリソンにありました。
「一度病院で診てもらおう」
「そうね」
実を言えば、アイシャとナルセスは結婚した時から子供を望んでいました。ところが、なかなか子宝に恵まれず二人は悩んでいた。信頼できる医者に体を診断してもらい、結果として二人とも正常だと判明した。
「僕達は毎日全身全霊を注いで頑張って仕込んでるのに、それなのになぜ子供ができないんだ!」
「ナルセス冷静になって!診察して二人とも異常はないと言われたんだから、ゆっくり作ればいいじゃない」
「でもおかしいだろう?やっぱり僕に問題があるんじゃないか?」
医者から問題ないと言われてたので、アイシャは地道に努力を重ねて子供を作ればいいと思いましたが、ナルセスは自分の体が原因なのかと挫折に似た心情で激しく思い込み、精神が破壊されて無力感に打ちのめされていた。
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