姉の婚約者に愛人になれと言われたので、母に助けてと相談したら衝撃を受ける。

佐藤 美奈

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「お母様!どこに行っていたのですか!」

数日後のある日、家にひょっこり戻ってくる母。どうやら友人の家に身をひそめていたらしい。

いつまで経っても現れないことに不安を抱いたイリスは捜索願いを出そうと思っていたところです。

幸いなことに父も姉も家を留守にしていたので、家族は母の突然の失踪を知ることもなかった。

「イリスごめんなさい」
「お母様は恥さらしです!到底許すことはできません!」
「お願いだから助けて……もう勘弁してちょうだい」

姉の婚約者と男女関係を持ってしまう倫理観のない母は許さない!言うことを聞かない子供をしつけるように愛を込めて一喝した。

命乞いに等しい母の悲痛を越えた叫びを容赦ない態度で右から左に受け流す。

「これからお母様と彼がどういう経緯でふしだらな関係になったのかきちんと聞かせていただきます!」
「わかったわ。正直に話します。実は……」

姉の婚約者との人目を忍ぶ恋を意図せずにあからさまに告白してしまい、娘に非難を受けることになった母は観念しろと言う娘の顔に押し切られて重い口を開く。

くたびれた顔の母は自らの過ちを認めて言葉を詰まらせながら、消え入りそうな声で娘に説明した。

「彼は優しく肩を抱いて慰めてくれたの」

きっかけはキースが婚約の挨拶に来た時のようです。

その時は父もイリスも居ましたが、まさか母に言い寄っていたなんて全く分かりませんでした。

でもそう言えば照れた感じで頬を赤らめて嬉しそうな表情の母が思い出される。


「今度二人で遊びに行きませんか?」
「えっ?」

母は最初冗談だと思い驚いたと言う。なにせ姉が少しだけ席を外した時に彼は口説いてきたのです。

彼はエメラルドグリーンの瞳で誘惑的な視線を母に送り、姉がその場を離れた時にちょっとした隙を狙って甘い言葉で誘ってきたらしい。

「最初に会った時から好きになりました」
「そんな……私は娘の母でおばさんだし……」
「僕は年上の落ち着きのある洗練された女性に心が惹かれます」

誘いに乗って母は彼と外で会った。キースはとても聞き上手で、母の話を素直に聞いてくれたことが嬉しくて胸がときめいたそう。

その時彼に求愛された母は、若い頃に戻れたような気分になれて心が弾んだと話す。


「彼だけは私を認めてくれて心の隙間を埋めて癒してくれた。寂しかったの……ミシェルには日頃から申し訳ないと思っていたわ」

その後も彼の呼びかけに応じる。関係持ったのも彼に従い、結ばれた時は天にも昇る気持ちで幸せに満たされた。

うっとりした目で体が溶けそうなほど心地良かったと少し頬を赤らめて恥ずかしそうに語る。

けど姉と顔を合わせると心苦しく思い、罪悪感を感じたと包み隠さず明かす。
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