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第3話
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「何も話せなくてシエナごめんなさい」
顔が悲しげに曇るオリビアは核心に触れない。いくら気持ちを深く結び合わせている親友でも恥かしくてためらう。婚約者のアルフィ殿下と妹のエリーが男と女の仲になっていたなんて……。
しかもそれを偶然とはいえ、注意深く見てしまった。胸が激しく波打ち目の前が真っ暗になった。そんな一家の不名誉なことを軽々しく口にできません。
もちろん、シエナはオリビアとアルフィが婚約してることも知っています。シエナにお礼を言い家に帰ったら両親に相談した。
「本当なのか?」
「はい……」
「アルフィ殿下とエリーが……信じられない」
苦い記憶を思い出す。見た瞬間、雷に打たれたようになり、一生癒えることがないかもしれない精神的苦痛を負った気分。オリビアが嘘偽りのない真実の言葉を話すと、両親は冷静さを失う。
両親と話してたら騒いでいる声がする。エリーが帰宅したようだ。
「エリー、オリビアから全て話は聞いた。事実なのか説明しなさい」
エリーはオリビアが視界に入ると息もつけないほど驚き顔がこわばる。父に促されて無言のまま近寄って話し合いの席に着く。
しばらくエリーは顔を伏せて疲れはてた様子で体は震えながら沈黙が室内を覆う。
「黙っていても分からないだろう?」
眉をしかめて険しい表情で父がとがめるような無愛想な口調で問いただす。
「何も喋らないのは認めるという事だな……残念だ」
再度父が問いかけてもエリーはうつむいたままずっと顔を上げない。オリビアは妹が罪の意識に苦しんでいるという風に見えました。
仕方のないことだろう。両親はすぐに代言人を呼び寄せて、正式に婚約解消することを告げる準備を進めていた。
「あの日は疲れて部屋で休んでいただけで、エリーは服を脱ぐ癖があるらしい。僕も正直言うと驚いたよ……」
数日後、互いの家族で協議を行う。一生懸命に苦しい言い訳を重ねても事実は消えない。アルフィに恋に落ちていた気持ちが冷めていく。
「恥を知れ!」
「いい加減にお黙りなさい!」
呆れて成り行きを見守っていたオリビアだったが、ご両親様の陛下と皇后が堪忍袋の緒を切らす。厳しさのある言葉を発せられて不愉快そうに睨まれるとアルフィは大人しくなる。
彼のふざけた言い逃れが通用するわけもなく、見事に婚約破棄が完了した。
顔が悲しげに曇るオリビアは核心に触れない。いくら気持ちを深く結び合わせている親友でも恥かしくてためらう。婚約者のアルフィ殿下と妹のエリーが男と女の仲になっていたなんて……。
しかもそれを偶然とはいえ、注意深く見てしまった。胸が激しく波打ち目の前が真っ暗になった。そんな一家の不名誉なことを軽々しく口にできません。
もちろん、シエナはオリビアとアルフィが婚約してることも知っています。シエナにお礼を言い家に帰ったら両親に相談した。
「本当なのか?」
「はい……」
「アルフィ殿下とエリーが……信じられない」
苦い記憶を思い出す。見た瞬間、雷に打たれたようになり、一生癒えることがないかもしれない精神的苦痛を負った気分。オリビアが嘘偽りのない真実の言葉を話すと、両親は冷静さを失う。
両親と話してたら騒いでいる声がする。エリーが帰宅したようだ。
「エリー、オリビアから全て話は聞いた。事実なのか説明しなさい」
エリーはオリビアが視界に入ると息もつけないほど驚き顔がこわばる。父に促されて無言のまま近寄って話し合いの席に着く。
しばらくエリーは顔を伏せて疲れはてた様子で体は震えながら沈黙が室内を覆う。
「黙っていても分からないだろう?」
眉をしかめて険しい表情で父がとがめるような無愛想な口調で問いただす。
「何も喋らないのは認めるという事だな……残念だ」
再度父が問いかけてもエリーはうつむいたままずっと顔を上げない。オリビアは妹が罪の意識に苦しんでいるという風に見えました。
仕方のないことだろう。両親はすぐに代言人を呼び寄せて、正式に婚約解消することを告げる準備を進めていた。
「あの日は疲れて部屋で休んでいただけで、エリーは服を脱ぐ癖があるらしい。僕も正直言うと驚いたよ……」
数日後、互いの家族で協議を行う。一生懸命に苦しい言い訳を重ねても事実は消えない。アルフィに恋に落ちていた気持ちが冷めていく。
「恥を知れ!」
「いい加減にお黙りなさい!」
呆れて成り行きを見守っていたオリビアだったが、ご両親様の陛下と皇后が堪忍袋の緒を切らす。厳しさのある言葉を発せられて不愉快そうに睨まれるとアルフィは大人しくなる。
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