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第三話
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さらにルナ夫人の感情が高まる。
「マイロ! 何か言ってください!」
言い訳もできない写真にマイロ殿下はだんまりを決め込むしかなかった。
「黙っているということは真実なのですね…」
「……」
その時マイロ殿下の涙が頬を濡らし静かに泣き出す。
「マイロ泣きたいのは私のほうですよ! これまでよくも騙してくれましたね!」
「違う…ルナのことは愛している……」
マイロ殿下は消え入りそうな声で言う。
「何が違うの?」
「悪かった…」
「このお子さんの年齢はおいくつなの?」
「3歳だ……」
「相手の女性との出会いはどのような?」
「彼女は私の初恋の人なんだ…」
「私やお腹の子供よりもこの写真のクロエという方とそのお子さんのことのほうが大事なんですね?」
「そんなことはない! 心から愛してるよルナ……」
そう言いながらマイロ殿下はルナ夫人の手に触れようとする。
「汚い手で触らないでください! 私は離婚も考えています!」
愛するルナ夫人から容赦ない叱責されて落ち込むようにその場にうずくまりマイロ殿下は大号泣した。
数日後、マイロ殿下のお父様のアレクサンド陛下とお母様の皇后ヴィクトリア夫人に相談いたしました。
最初は信じられないとおっしゃっていました。確かに想像を絶することですからそのように思われるのも承知しています。
ですのでルナは例の写真を見せました。それを見たお二人はやはりひどくショックを受けて動揺しておられました。
「マイロ! 何か言ってください!」
言い訳もできない写真にマイロ殿下はだんまりを決め込むしかなかった。
「黙っているということは真実なのですね…」
「……」
その時マイロ殿下の涙が頬を濡らし静かに泣き出す。
「マイロ泣きたいのは私のほうですよ! これまでよくも騙してくれましたね!」
「違う…ルナのことは愛している……」
マイロ殿下は消え入りそうな声で言う。
「何が違うの?」
「悪かった…」
「このお子さんの年齢はおいくつなの?」
「3歳だ……」
「相手の女性との出会いはどのような?」
「彼女は私の初恋の人なんだ…」
「私やお腹の子供よりもこの写真のクロエという方とそのお子さんのことのほうが大事なんですね?」
「そんなことはない! 心から愛してるよルナ……」
そう言いながらマイロ殿下はルナ夫人の手に触れようとする。
「汚い手で触らないでください! 私は離婚も考えています!」
愛するルナ夫人から容赦ない叱責されて落ち込むようにその場にうずくまりマイロ殿下は大号泣した。
数日後、マイロ殿下のお父様のアレクサンド陛下とお母様の皇后ヴィクトリア夫人に相談いたしました。
最初は信じられないとおっしゃっていました。確かに想像を絶することですからそのように思われるのも承知しています。
ですのでルナは例の写真を見せました。それを見たお二人はやはりひどくショックを受けて動揺しておられました。
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