皇太子殿下の秘密がバレた！隠し子発覚で離婚の危機〜夫人は妊娠中なのに不倫相手と二重生活していました

第四話

不意に陛下と夫人が頭を下げられました。

「息子が申しわけないことをした」
「ルナさんごめんなさい…あなたも妊娠していて大変な時なのに……」

謝られるお二人にルナも恐縮して精神が引き締まる。

本当の娘のように可愛がってもらっていたのでルナは終始心苦しい気持ちでした。

しばらく無言の間が続いてルナが沈黙を破る。

「申し上げにくいのですが、マイロ殿下とは離婚も考えています」

離婚することになるかもしれないことを伝えると陛下が神妙な面持ちで言われました。

「もう一度話し合って、もしも叶うならば愚かな息子にチャンスを与えてほしい」
「ルナさん私からもお願い……」
「出来れば二人がまっさらな状態で…仕切り直してくれ」
「ルナさんマイロを許してあげて……」
「辛いだろうがここは私達の顔を立ててほしい」

ご両親様からのたび重なる説得にルナは口をつぐみ、うつむき加減の姿勢で思い悩んでいました。

「わかりました。もう一度マイロ殿下と話し合ってみます」

陛下と夫人からそのように言われればルナは頼みごとを承諾するしかない。

「そうか…無理を言ってすまないな」
「ルナさんありがとう」

涙を浮かべながらルナにねぎらいの言葉をかける。

「勿体ないお言葉です」

ルナも緊張で体が硬直しながら返事をして退席した。

自宅に戻っても深く考え込むルナ。

お二人には仲直りするように涙ながらに訴えられて悲願されましたが、正直なところルナの心ではこの期に及んでマイロ殿下と何を話し合えばいいのかという気持ちでした。