狂気の凶器

宵闇カラス

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死神

師匠

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俺は 謎の人体実験で力を手に入れたこいつらのことは心底信用できないがこの実験とアイツラの口ぶりで理解できたのは

「俺とアイツラはWinWinの関係を向こうが作ろうとしてること」

その関係が壊れない限り俺は殺されないだろう 少なくともそうでなければこんな力は与えない・・・

そんなことを考えていると不意に後ろから声をかけられてビクリとする

黒い艶のある男子にしては長めの髪の毛と高校生の俺と歳の差を感じさせないルックス
青い目は少し寂しそうな色を帯びている

「じゃあ 今日から君は僕と行動をしてもらうよ 君に殺し屋のことを色々教えてあげる 俺のことは先輩って呼んでね? そのうち俺のコードネーム教えてあげるからそれまでは俺のコードネーム知っても先輩って呼ぶことと あと俺のことはタメでいいよ」

「わかった」
もともと敬語を使う気なんて毛頭なかったからまぁいい

「何歳?」

「17」

「俺15だから俺のほうが年下だね!」

15歳なのに殺し屋・・・ 年齢的にありえない 最初はそう思ったが俺から目をそらし愛想笑いをやめた先輩の目には殺気というのだろうか 確かな圧があった

「今からこの施設を案内するね そして俺は君の指導係になったから部屋も同じだ 基本行動も一緒にする わからないことがあったら聞いてね」

先輩は俺に服の管理 訓練の時間などのタイムスケジュール 食堂やトイレなど様々な必要事項を俺に伝え 最後にこんな質問をした

「お前 人間をどう思う?」

「ゴミです 大半の人間は生きる価値もない」

人間もそんな捨てたもんじゃないと思うけどなぁ・・・

先輩がそう呟いたように聞こえたのは俺の空耳だろうか

「じゃあ なんでここに来たの?」

「人に恨みがあるからです さっきの質問で想像つきませんか?」

「そっか」

何だこの人・・・ この人が俺の先輩であり師匠になるのか・・・

「それともう一つ 今度は質問じゃなくて命令! もう少し愛想良く!」

「はーい・・・」
ふてくされたような口調で小さい声でそう答える俺を先輩は面白そうに見つめる

数秒間俺のことを見つめたあとパッと表情を変えると前を向いてあるき出した
「さて 大体説明は終わったし お昼まで訓練しよう!」
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