ドリームミュージカル

ぱっりん

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高校一年生、桜川高等学校合唱部

19話「過激する練習と真実か」

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「...戸崎さん!」
「え、あはい!!」
「音が低いです!しっかり。」
「はい、すみません」
しゅんっとする。最近ここをすぐ間違える。
「...戸崎さん。アナタはここは歌わない方が良いかもしれません。」
「..,っ!!」
「どうしますか?コンクールを追い求めるか。ここは自分のためにするか」
「...」
そんな、言いカタされたら..,イヤでも...
「う、ここは.,.う、歌いません」 
私がいう。緊張と恥ずかしさで汗が滲む。
皆のために、ここを私は歌うべきでは、ないのだ。
「分かりました」
港先生は何かをメモした。
歌乃が、隣から心配の顔で見てくる…
花も、心も。それさえも、恥ずかしかった。
楽譜に×をかく。鉛筆で。
「では、みなさん、お知らせです。
コンクールまであと26日。
申し訳ないですが、ソロパート、のお話です。
メロディーのソロ。」
ソロ..,サビの後に、ソロがあるのだ。
実は、ここが一番難しい。
「ソロは...歌乃さんです」
歌乃がはっと顔を上げる。
嬉しそうな笑顔だ。
...ん、待てよ。あれ。
部長じゃないの?
その瞬間一本腕があがる。
「あの、部長や副部長ではないんですか」
三年の、言原莉子だ。
確か、歌乃同様、ミュージカル劇団に出てたらしい。
「はい。部長、副部長は、辞退しました」
...え?
「部長副部長共に、やりたくなかったそうです。」
ん?
「私やりたいです」
「?」
「私ソロやりたいんです!」
莉子が言う。
「でも、もうソロは決定しました」
「もう一度、お願いします!」
「...じゃあ明日やりましょうか」
「お願いします!」

部活は終わった。誰も彼もがいなくなったら、歌乃は叫びだした。
「あー!!!」
「うげっ!ど、どうしたの...」
私と歌乃しかいなくって静まり返った空間で叫ばれるとびくりとなる。
「もうソロは決定したって港先生が言ってるのに何で
もう一度なのよ!?ソロは、もう決まってるのに!!もーこの後セブンいく!」
歌乃が頭を抱えてブルブルする
「歌乃...」
「ルア」
「え?」
「ルアは、ソロなれなくて、悔しくないの?」
優しく、だが目は冷たい。
悔しい。そう、言おうとした。なのに、私は、
「悔しくない」
本心だった。
「何で??ルアもトップになりたいんじゃないの?
承認要求もあるんじゃないの?
なんで悔しくないの?
...」
「だって、私は、もう諦めてる」
「...悔しくないってこと?
アタシはソロを渡したくない。
悔しい!ソロなれなかったらどうしようって!
あんたは悔しくないんでしょ?
アタシはちがう!トップになりたいんだから!」
歌乃が大きく叫んで走って教室を出てく。その次の瞬間葵が入ってくる。
「忘れ物忘れ物。お?ルアまだいたのか」
先ほどの情報が読み込めなくて静止してる私に葵は、語りかける。
「葵...」数十秒後反応した私に、葵はほっとしたような顔をする。
「どうしたんだよ、練習でもないみたいだし。
高島もいねえじゃん?
ひとりで何やってんの?」
葵が私の隣に来て、言う。もう、忘れ物のペンは取ったようだ。
「歌乃、怒らせちゃった」 「は?」
「はあ」
思い出すだけで胸が痛くなる、だけど...
私は悪くない。心のどこかでそう思った。
「喧嘩?何でだよ。」
「...言いたくない」
泣きそうな私に、葵は溜め息をつく。
そして、頭をなでなでする。
「ちょっ!辞めてよ」
葵にいうけど、葵は、辞めない。
「なあ。全国金賞行けたら言いたいことがあるんだけど」
「ん?」
「お前が...」
キャー!
悲鳴が響き渡る。
「な、なに?」
二人で教室をでる。
そこには一年生が立っていた。
「どうしたの?」
「学園に、学園に、不審者が入ったの!」

この学園はビルみたいな感じで外に出るのに時間がかかる。10分程度だろうか。
...歌乃!セブンにいくって言ってた...!!
「あ、葵!ど、どうしよう!歌乃が、セブンに行くって.,.」
「と、とりあえず、確認しよう」
校門側の窓に、スマホのカメラをアップにしてつかう。
「いる!ナイフ持ってる奴!近くに...高島いる!ちょうど学園から
出てきたとこだ!」と同時に、不審者警報がなった。
「う、歌乃!」
つづく
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