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高校二年生、一年生とのギスギス
1話「新入生」
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「すみません、入部したいんですが」
その言葉を、待っていた!
と、ルアは、飛び上がる。
新体制になって、
琴が部長、ゆかが、副部長、
見空が学生指揮。ルアが指導係になった。
全て、雪葉の伝言通りだ。
ルアは、高校二年生だし、
琴、見空達も三年生なのだ。
そんな中、ルアが、新入部員を、求め続けているのは、
もう、誰もが知ってる。
皆部に引き入れたくて、よだれを垂らしながら、
新入部員を、勧誘していた。
そんな中、ルアは、見学しに来た一年生を狙った。
強豪校だからと、来る一年生達を、片っ端から、
誘う。
すると、石桃梨音という、一年生だけは、
いいですよ、と返事をする。
こちらに、上目遣いをして、
「ルア先輩に可愛がって貰えるのなら」と、
ふふと笑う。意味不明だが、
入部のためには仕方ない。
それでいいよ、と、いって今に至るのである。
新入部員も全員集まって、
完全新体制での、部活が始まったのだ。
「ルア先輩~隣座りますねー」
梨音が走ってくる。
「いいよ、はいどうぞ、梨音ちゃん」
梨音のスペースを多くしてあげる。
すると、梨音は、猫のように喉を、
ゴンロゴンロ鳴らして、
優しいーと、笑った。
琴、ゆか、見空、港が、黒板の前に立ってる。
緊張感がバリンと走る。
琴が口を開いた。
「皆。去年の事覚えてる?」
琴が、周りをきっと、睨む。
「はい」
皆が、細い声で返事する。
去年、全国金を取れなかったのだ。
「今年は、新入部員は、こんな感じ。実力者も結構多いですしね。
だけど、練習はサボっては絶対いけませんから!
今年の目標は、全国金、いいですねっ?」
琴がチョークで、自分のからだより大きく文字を書く。
「ハイッ!」
大きい返事が返る。その中には、ルアの言葉もいた。
「宜しい」
琴が、そういって、幹部の紹介をする。
ルアも、一応紹介された。
続いて港がメロディーコーラスの説明をする。
すると、一本すらっとした白い手が上に上がる。
「川口さん、どうしましたか」
琴が言う。
新入生の、川口杏奈だ。
「メロディーに落ちた場合、メンバー決めでも、
メロディーには、なれないんでしょうか」
杏奈の言葉に、はい、と琴が返事をする。
「分かりました。ありがとう御座います」
その無表情に、思わず昔の歌乃を思い出した。
「んーすみませぇん、
あのぉ。メンバー決めはぁ。
えこぉひいきとかぁ、あるんですかぁ?」
のっぺりとした声の、持ち主は、
小川桃ヶ華だ。
ももかと読む。
こちらも、新入生。
「はい、ありません」
ゆかが、返す。
他にも、質問が続いた後、終わる。
そして、いよいよ、合唱を始める。
基礎練からだが。
合唱が終わると、梨音が、声をかけてくる。
「先輩~一緒に帰りましょうよぉ」
いつもは、歌乃か、葵と帰るのだが、
梨音の、圧に、うんと返すしかなかった。
カバンを肩にかける。
梨音は、お上品に両手にぶら下げているが。
「先輩~あの、今日思ったんですが、
見空先輩って、下手じゃないですか」
いきなりの爆弾発言に、思わず、
周りを見回す。な、なんで?と返す。
「何か、声自体はいいけど、表現力と、コントロールというか、
高校からの初心者か、なんかの訳ありなのかなあって感じですよ~」
確かに、雪葉問題があって、まだ数ヶ月なのだから、
それも当たり前なのだろう。
そんなことを思う。
寮と学校のつなぎ目の廊下を歩いていると、
タタタタダ、という、走る音が2つした。
「ルア」
男と女の声が混じり合う。
振り向くと、葵と、歌乃であった。
「ど、どーしたの二人とも...」
汗だくの姿に、ルアは、驚く。
「いやまた、何かあったのか、と思って、恋人としては」
葵が言う。そうなのだ。ルアと葵は、恋人だ。
...じゃなくて!
「あ、葵!何一年生の前でいってんの!」
怒ると、ごめん!と葵が言う。
「大丈夫ですよぉ。私内緒にしますから」
人差し指を口の前に出して、言う梨音は、やはり美少女だ。
歌乃より、少し身長が低い、156くらいだ。
歌乃は、160cmらしい。
「アタシは、置いていったんかと思って‥」
息が荒い歌乃は、歌乃の発想だ。
そんなわけないじゃん、と言おうとしたその時だ。
「そうですよぉ。ルア先輩は、
歌乃先輩より、私を優先したんです」
ごめんなさーいと、舌をぺろんと出す梨音。
赤いリボンつき、カチューシャと、お団子がちらんと揺れる。
「はぁ?」
歌乃が、疑問形でいうが、怒りは明らかだ。
「ちょ、梨音ちゃん、何いってんの?」
「えー、先輩は、私の、味方じゃないんですか。」
上目遣いで見られると、う、うーんと返すしかなくなるではないか。
すると、梨音は、歌乃を見て、ふふんと笑う。
「梨音ちゃーん?ルアの、好きな食べ物知ってるー」
歌乃が、ムカついたからと、マウントを取っている。しかし
「鈴カステラと、ハンバーグ」
と、梨音は、的あたりの言葉を、口に出した。
「え、何で知ってるの」
ルアが言うと、梨音は、
「ルア先輩ガチ勢なんで」
と口に出した。
寮に帰って、さっきの事を思い出す。
結局ルアと葵で取り繕ったが大変だったなあ。
あれを、他の生徒にバレて、瞬く間に噂が広がって、
梨音は、ルア直属の後輩という名前になった。
確かにミュージカル科だが。
なぜ、私に執着するのだろう、とルアは考える。
悩んでも分からない。
なので、ルアは、制服のまま、
眠りについていた。
つづく
その言葉を、待っていた!
と、ルアは、飛び上がる。
新体制になって、
琴が部長、ゆかが、副部長、
見空が学生指揮。ルアが指導係になった。
全て、雪葉の伝言通りだ。
ルアは、高校二年生だし、
琴、見空達も三年生なのだ。
そんな中、ルアが、新入部員を、求め続けているのは、
もう、誰もが知ってる。
皆部に引き入れたくて、よだれを垂らしながら、
新入部員を、勧誘していた。
そんな中、ルアは、見学しに来た一年生を狙った。
強豪校だからと、来る一年生達を、片っ端から、
誘う。
すると、石桃梨音という、一年生だけは、
いいですよ、と返事をする。
こちらに、上目遣いをして、
「ルア先輩に可愛がって貰えるのなら」と、
ふふと笑う。意味不明だが、
入部のためには仕方ない。
それでいいよ、と、いって今に至るのである。
新入部員も全員集まって、
完全新体制での、部活が始まったのだ。
「ルア先輩~隣座りますねー」
梨音が走ってくる。
「いいよ、はいどうぞ、梨音ちゃん」
梨音のスペースを多くしてあげる。
すると、梨音は、猫のように喉を、
ゴンロゴンロ鳴らして、
優しいーと、笑った。
琴、ゆか、見空、港が、黒板の前に立ってる。
緊張感がバリンと走る。
琴が口を開いた。
「皆。去年の事覚えてる?」
琴が、周りをきっと、睨む。
「はい」
皆が、細い声で返事する。
去年、全国金を取れなかったのだ。
「今年は、新入部員は、こんな感じ。実力者も結構多いですしね。
だけど、練習はサボっては絶対いけませんから!
今年の目標は、全国金、いいですねっ?」
琴がチョークで、自分のからだより大きく文字を書く。
「ハイッ!」
大きい返事が返る。その中には、ルアの言葉もいた。
「宜しい」
琴が、そういって、幹部の紹介をする。
ルアも、一応紹介された。
続いて港がメロディーコーラスの説明をする。
すると、一本すらっとした白い手が上に上がる。
「川口さん、どうしましたか」
琴が言う。
新入生の、川口杏奈だ。
「メロディーに落ちた場合、メンバー決めでも、
メロディーには、なれないんでしょうか」
杏奈の言葉に、はい、と琴が返事をする。
「分かりました。ありがとう御座います」
その無表情に、思わず昔の歌乃を思い出した。
「んーすみませぇん、
あのぉ。メンバー決めはぁ。
えこぉひいきとかぁ、あるんですかぁ?」
のっぺりとした声の、持ち主は、
小川桃ヶ華だ。
ももかと読む。
こちらも、新入生。
「はい、ありません」
ゆかが、返す。
他にも、質問が続いた後、終わる。
そして、いよいよ、合唱を始める。
基礎練からだが。
合唱が終わると、梨音が、声をかけてくる。
「先輩~一緒に帰りましょうよぉ」
いつもは、歌乃か、葵と帰るのだが、
梨音の、圧に、うんと返すしかなかった。
カバンを肩にかける。
梨音は、お上品に両手にぶら下げているが。
「先輩~あの、今日思ったんですが、
見空先輩って、下手じゃないですか」
いきなりの爆弾発言に、思わず、
周りを見回す。な、なんで?と返す。
「何か、声自体はいいけど、表現力と、コントロールというか、
高校からの初心者か、なんかの訳ありなのかなあって感じですよ~」
確かに、雪葉問題があって、まだ数ヶ月なのだから、
それも当たり前なのだろう。
そんなことを思う。
寮と学校のつなぎ目の廊下を歩いていると、
タタタタダ、という、走る音が2つした。
「ルア」
男と女の声が混じり合う。
振り向くと、葵と、歌乃であった。
「ど、どーしたの二人とも...」
汗だくの姿に、ルアは、驚く。
「いやまた、何かあったのか、と思って、恋人としては」
葵が言う。そうなのだ。ルアと葵は、恋人だ。
...じゃなくて!
「あ、葵!何一年生の前でいってんの!」
怒ると、ごめん!と葵が言う。
「大丈夫ですよぉ。私内緒にしますから」
人差し指を口の前に出して、言う梨音は、やはり美少女だ。
歌乃より、少し身長が低い、156くらいだ。
歌乃は、160cmらしい。
「アタシは、置いていったんかと思って‥」
息が荒い歌乃は、歌乃の発想だ。
そんなわけないじゃん、と言おうとしたその時だ。
「そうですよぉ。ルア先輩は、
歌乃先輩より、私を優先したんです」
ごめんなさーいと、舌をぺろんと出す梨音。
赤いリボンつき、カチューシャと、お団子がちらんと揺れる。
「はぁ?」
歌乃が、疑問形でいうが、怒りは明らかだ。
「ちょ、梨音ちゃん、何いってんの?」
「えー、先輩は、私の、味方じゃないんですか。」
上目遣いで見られると、う、うーんと返すしかなくなるではないか。
すると、梨音は、歌乃を見て、ふふんと笑う。
「梨音ちゃーん?ルアの、好きな食べ物知ってるー」
歌乃が、ムカついたからと、マウントを取っている。しかし
「鈴カステラと、ハンバーグ」
と、梨音は、的あたりの言葉を、口に出した。
「え、何で知ってるの」
ルアが言うと、梨音は、
「ルア先輩ガチ勢なんで」
と口に出した。
寮に帰って、さっきの事を思い出す。
結局ルアと葵で取り繕ったが大変だったなあ。
あれを、他の生徒にバレて、瞬く間に噂が広がって、
梨音は、ルア直属の後輩という名前になった。
確かにミュージカル科だが。
なぜ、私に執着するのだろう、とルアは考える。
悩んでも分からない。
なので、ルアは、制服のまま、
眠りについていた。
つづく
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