ドリームミュージカル

ぱっりん

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高校二年生、一年生とのギスギス

2話「メロディーコーラス決め」

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やってきました!
そんなニュースキャスターの気持ちである。
今年も、メロディー&コーラスの
パート決めが始まる。
今年は、コーラスをやってみようか。
暫く考えていると、梨音が声をかけてきた。
「先輩はどっちにするんですか?
私は、まだ迷ってて...」
「んー、私は、コーラスにしようと思うよ。
どっちも経験しておきたいし、
部で活動するにはどちらの気持ちも分かってないとだし」
すると、梨音は、ふふと笑って、
「私もコーラスにしようと思ってました」と言った。

結局ルアと、梨音はコーラス、
葵と歌乃は、メロディーだ。オーディションを勝ち抜いたのだろう。
「では、早速練習を開始します」
去年と違って、準備に隙がない。
全国金の力が伝わる。
基礎練など、いつもと同じ感じ
琴が、手をパン!とたたく。
「はいはい、皆さん。
コンクール曲を、明日配布します。
来月オーディションがあるので、
それまで、練習しておいてください」
返事が、返ると、解散した。



次の日、
予定通り、コンクール曲は、選ばれた。
港からは、前回みたいなことを避けるために、
変えたりはしません、と言われたので、本当に
これだ。
名前を読まず、楽譜をチラリと読む。
うーむ、これまた、簡単そうで、難しい...。
楽譜と睨めっこしてるルアに、葵が話しかけてくる。
「一緒に練習しねえ?」
「いいよ」
二人は、空き教室で、一緒に練習する事にした。
楽譜の名前は、紫のルル、だ。
サビは、星空の麗とは、全然違う、バーンという感じである。
「え、ムズいな」
葵が口に出す。そう。高音域から、次には低音域など、
移動が激しいのである。
「コーラスは、ここか。」
コーラスパートなので練習する。
...コーラスの気持ちを知った。
そんな、面白くない。簡単そうで、面白くない。
だけど、ちょっとだけ楽しみもある。
女声の高音域を、ルアは生み出す。
「そーいえば、お前、何で、コーラスにしたん?」
何故関西弁?と言う。
「えーと、どっちも経験しておきたくて…」
ピロン!と、スマホが音をならす。
「ごめん、ちょっと見るね」
正座していた足は、ビリンと痺れていた。
スマホの、パスワードをといた時、嫌な予感が背筋を走る。
「ぎゃあ!」
冷たい物が走った気がして、葵の方に飛びかかる。
誤って、葵に、ハグされた、その瞬間であった。
「みーちゃいました、みーちゃいました」
ガラリと、梨音が、中に入ってくる。嫌な予感はそのせいだ。
「な、何でここに!」
ここは、二年生しか、知らないハズの空き教室だ。
四階にある教室は、独立していて、
オカルト好きの山田という人が、
二年生代々伝えられてきた空き教室。
怖がるし、怒られるからと一年と三年には言えない。
そういえば、今年は、葵とクラスが同じで、心、歌乃と、クラスが
違った。
「そんなの決まってるじゃないですかあ。
先輩への愛ですよ!」
ぱん、と銃みたいなポーズをする、梨音。
「…まさか、全階探した?」
一年生は、一階と、二階、三階。
ミュージカル科が、一階、普通科二階三階。
そして、四階には、購買と放送室、この空き教室しかない。
だが、空き教室は、放送室の、隠し扉にある。
放送室の、マイクの横に、出入り口とは違う、扉。
そこを開けるとまた扉があって、空き教室に繋がってる。
外からは全く分かることはない。
「勿論でーす!
でも、無かったので、放送室に不自然な扉があると!思ったら。
まさか、イチャイチャしていたとはー。ダメですよー?
空き教室でぇ」
ウフンと梨音が笑う。バッと葵から離れる。
「…梨音ちゃん、好いてくれるのは、嬉しい。
でも、理由を教えてくれるかな?」
「愛に理由何てありませんよ」
「でもね、前みたいに二年生と対立したら、ちょおっと
困っちゃうんだよなあ...」
「先輩は、私より、歌乃先輩をかばうんですか?」
泣いたフリを見せる梨音に思わず焦る。
「ち、違うよ~、いや、えーと、歌乃と梨音ちゃん、どっちもの
味方っていうか」
「ステキですねぇ」
褒めてる梨音は、どこか冷たい目だ。
「もう一度言いますよ。愛に理由なんてありません。」
その目は、死ぬほど寂しく冷たい無表情さだ。
「ありがとうございました、センパイ」
教室からでてく梨音は、やけに険しい顔だった。
カチャリ、と音が鳴る。すると、葵が言う。
「何であんなにルアが好きなの?」
「分かんないよ、愛に理由なんてありません。って言われてしまったしね」
「練習再開すっか」
それ以上探りはしなかった。今は、梨音のガードが固すぎるから。


「最近さあ、梨音ちゃん、ルアに
執着しすぎやない?」
クラスで、休み時間、花に話しかけられる。
次の授業の準備をしているところであった。
更衣室で、バレエのレオタードに着替えながら、話す。
「んーやっぱし?
何だか、よく分かんないんだよね、何でかも。聞いても
愛に理由はない、って言われたし」
「そうなん?何か、きっかけというか、覚えてる事とかないんか?」
そう聞かれても、と苦笑いする。
何もない。
タイツと、シューズを履いて、急いで駆けた。


「春祭り、一緒に行かないか?」
葵に話しかけられる。
チラシを持った彼は、妙にイキイキしていた。
「そっか、もう春祭りかあ。」
「そうそう、去年は、高島と行ってたよな」
「うん」
「いく?行かない?」
「鈴カステラ食べたいし、行くよ」
「うぉっしゃ」
ゲラゲラとわらう葵に、少し微笑む。


春祭りの日、練習が終わると、実家に着物を着付けに貰いに、
電車に乗る。
着付けて貰ってると、母親が、
「ねえ、今度こそ、男の子?」
と言った。
「そうだよ。葵」
「え、付き合ってんのー?」
盛り上がった様子で、言う母親に、恥ずかしくて、別にと言う。
お礼を言って、急いで会場に向かう。

「お待たせ」
「待ってないから、大丈夫」
葵も、ちょっと、祭り風だ。
「じゃ行こうか」
屋台に進み出す。
かき氷、ポテトフライ、唐揚げ.,.
どれも空腹を、出す。
「唐揚げ買ってもいい?」
葵が言う。いいよ、と言うと、唐揚げを、二人で買いにいく。
すみません、と葵が声をかけると、いかついおっさんが出てきた。
「らっしゃい!」
「唐揚げ一人前下さい」
「え、一つでいいのかい?カップルなら、
特別に、一つ割引してあげるよぉ」
内緒話する女子のポーズをするおじさんに、
思わず、恥ずかしくて赤面するのであった。

つづく
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