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113話 「港にいこう」
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こんがりと焼けた美味しそうなトースト。その表面に薄くこげ茶色のペーストが塗られていく。
機嫌よさげにスプーンを動かすのは加賀である、一夜明けた今朝、加賀とアイネの二人は昨日から引き続いてアイネの私室で食事をとっている。
トーストに塗られているのは今朝作り立てのチョコクリームだ。パンとの相性もよく上機嫌でパンをぱくつく加賀。それを見てアイネもパンに……こちらはたっぷりとチョコクリームを塗っていく。
「たまにはパンに甘いの合わせるのもいいよね。宿でも出せるといいなー」
「作り方は簡単だし出せると思うよ……おいし」
アイネが調べたところ作るのは割と簡単であった。ネックなのは油が分離しやすいと言う事だがそこは食べる直前に作るか、混ぜればすればよい。他に気になると点としては──
「おいしいけど、高カロリーだからなー。探索者の皆にはいいかもだけど……バクスさん太っちゃいそう」
宿の食事は美味しい。それゆえに食べ過ぎてしまう事も多々ある。
ダンジョンでカロリーを消費出来る探索者達と違い一線を退いたバクスは最近つまめるようになったお腹を気にしていたりする。
「そう、なら加賀はもっと食べないとね」
そう言って加賀のパンにチョコクリームを追加するアイネ。
「ん、あ、ありがと」
「やつれてた時から見れば大分いいけど、それでもまだ痩せ気味でしょ?」
「ん……仕事してるとなかなかねー」
パクりとパンにかじりつき、もごもごと口を動かす加賀。
口から垂れそうになったチョコをぺろりと舐め、口を開く。
「そういうアイネさんだってまだ……細い……のかな?」
アイネの腕をちらりと見る加賀。確かにその腕はまだ細く、痩せていると言って良いだろう。
「そうね、だから私も食べないと、ね」
「……ボタン飛んでも知らないですよ」
たっぷりとクリームの塗ったパンを食べるアイネ。
そんなアイネをじとーっとした目で見つめる加賀、その視線の先にはここ数日で大分ぱっつぱつになったアイネの服。
「服破いたら怒られますよ」
「それは困るね、あとでデーモン出し入れしないと」
「……あれ、見てて可哀想になるんだけど……ほかに方法は」
「あれが一番楽なの」
料理を食べ過ぎてたまりにたまった魔力を消費する方法。
それがデーモンを召喚し即送還、そして再び召喚と繰り返す事であった。
アイネに呼ばれ出てきて見れば挨拶を済ませる暇もなか地面へと沈みこんでいくデーモン。
初めの内こそ御命令をマスターと言っていたデーモンであるが、次第に言うのを諦め項垂れていく姿は中々に哀愁が漂っていた。
「まぁ、ほどほどにね……それで今日は街を見て回るってことでいいのかなー? もう用事は済ませたんだっけ」
「大体終わってるよ。あとは空いた時間でやれば良いから。今日は街にいこう」
「おー。色んなお店あったし楽しみー」
残っていたパンを口に放り込み、お茶で流し込む。
いっぱい買うぞーと気合をいれ、とりあえず食器の片付けをはじめる二人であった。
城をでた二人がまず向かったのは港に一番近い市場であった。
せっかく海が側にあるのだからお昼は魚が食べたいと加賀が言い出した為である。
アイネも新鮮な海の魚を食べる機会……というか今までは食べても意味がなかったので、アイネにとってもいい機会であった。
「わーわーわーっ、かなりいっぱいあるし、皆新鮮だね。エビまであるっ」
「エビ……おいしいのかしら」
「おいしいよ。煮ても焼いても揚げても……わりと何して食べてもおいしい食材だとおもう。エビは絶対確保だねー」
港町だけあって魚介類は新鮮なものがそろっているようだ。
普段宿であまり扱う事の出来ない食材をみて加賀のテンションはあがりまくりである。
「ん、果物もあるみたい」
「おー……南国で取れるのがあるね。さすがいろんな国の商品が集まるだけある……あ、それおいしいよ」
「そう? じゃあ2個ずつくださいな」
はふーとため息をついて椅子に腰かける加賀。
しばらく歩き回り色々なものを買い込んだせいか結構お疲れの様子だ。
「はい、飲み物貰ってきたよ」
「ありーがと」
もっともアイネのほうはまったく疲れた様子は見られないが。
とても一人で持てそうにない量の荷物を軽々と持っているあたり、人間とは基本スペックが違いすぎるのだろう。
「……どうかした?」
「あ、いや。バナナおいしい?」
「……食感が独特だけどおいしい。これも何かに使える?」
先ほどお店でかった果物を食べているアイネ。とりあえず一通り味見してみて気に入ったものを後でまた購入する腹積もりだ。
「バナナはお菓子によく使うよ……生のままでも火を通してもどちらでもいけるねー。個人的には生のやつに生クリームあわせたのがすき」
そういえばと呟く加賀。
「パウンドケーキ以外のケーキ作ったことなかったっけ……材料いいのあったら作ってみようか」
「あの美味しそうなやつだね。型手に入ったらと思ってたけど……ここなら売ってるかも知れないね。それも探しましょ」
とりあえず休息をいれ落ち着いた二人。
昼に間に合うよう海岸へと向かうのであった。
機嫌よさげにスプーンを動かすのは加賀である、一夜明けた今朝、加賀とアイネの二人は昨日から引き続いてアイネの私室で食事をとっている。
トーストに塗られているのは今朝作り立てのチョコクリームだ。パンとの相性もよく上機嫌でパンをぱくつく加賀。それを見てアイネもパンに……こちらはたっぷりとチョコクリームを塗っていく。
「たまにはパンに甘いの合わせるのもいいよね。宿でも出せるといいなー」
「作り方は簡単だし出せると思うよ……おいし」
アイネが調べたところ作るのは割と簡単であった。ネックなのは油が分離しやすいと言う事だがそこは食べる直前に作るか、混ぜればすればよい。他に気になると点としては──
「おいしいけど、高カロリーだからなー。探索者の皆にはいいかもだけど……バクスさん太っちゃいそう」
宿の食事は美味しい。それゆえに食べ過ぎてしまう事も多々ある。
ダンジョンでカロリーを消費出来る探索者達と違い一線を退いたバクスは最近つまめるようになったお腹を気にしていたりする。
「そう、なら加賀はもっと食べないとね」
そう言って加賀のパンにチョコクリームを追加するアイネ。
「ん、あ、ありがと」
「やつれてた時から見れば大分いいけど、それでもまだ痩せ気味でしょ?」
「ん……仕事してるとなかなかねー」
パクりとパンにかじりつき、もごもごと口を動かす加賀。
口から垂れそうになったチョコをぺろりと舐め、口を開く。
「そういうアイネさんだってまだ……細い……のかな?」
アイネの腕をちらりと見る加賀。確かにその腕はまだ細く、痩せていると言って良いだろう。
「そうね、だから私も食べないと、ね」
「……ボタン飛んでも知らないですよ」
たっぷりとクリームの塗ったパンを食べるアイネ。
そんなアイネをじとーっとした目で見つめる加賀、その視線の先にはここ数日で大分ぱっつぱつになったアイネの服。
「服破いたら怒られますよ」
「それは困るね、あとでデーモン出し入れしないと」
「……あれ、見てて可哀想になるんだけど……ほかに方法は」
「あれが一番楽なの」
料理を食べ過ぎてたまりにたまった魔力を消費する方法。
それがデーモンを召喚し即送還、そして再び召喚と繰り返す事であった。
アイネに呼ばれ出てきて見れば挨拶を済ませる暇もなか地面へと沈みこんでいくデーモン。
初めの内こそ御命令をマスターと言っていたデーモンであるが、次第に言うのを諦め項垂れていく姿は中々に哀愁が漂っていた。
「まぁ、ほどほどにね……それで今日は街を見て回るってことでいいのかなー? もう用事は済ませたんだっけ」
「大体終わってるよ。あとは空いた時間でやれば良いから。今日は街にいこう」
「おー。色んなお店あったし楽しみー」
残っていたパンを口に放り込み、お茶で流し込む。
いっぱい買うぞーと気合をいれ、とりあえず食器の片付けをはじめる二人であった。
城をでた二人がまず向かったのは港に一番近い市場であった。
せっかく海が側にあるのだからお昼は魚が食べたいと加賀が言い出した為である。
アイネも新鮮な海の魚を食べる機会……というか今までは食べても意味がなかったので、アイネにとってもいい機会であった。
「わーわーわーっ、かなりいっぱいあるし、皆新鮮だね。エビまであるっ」
「エビ……おいしいのかしら」
「おいしいよ。煮ても焼いても揚げても……わりと何して食べてもおいしい食材だとおもう。エビは絶対確保だねー」
港町だけあって魚介類は新鮮なものがそろっているようだ。
普段宿であまり扱う事の出来ない食材をみて加賀のテンションはあがりまくりである。
「ん、果物もあるみたい」
「おー……南国で取れるのがあるね。さすがいろんな国の商品が集まるだけある……あ、それおいしいよ」
「そう? じゃあ2個ずつくださいな」
はふーとため息をついて椅子に腰かける加賀。
しばらく歩き回り色々なものを買い込んだせいか結構お疲れの様子だ。
「はい、飲み物貰ってきたよ」
「ありーがと」
もっともアイネのほうはまったく疲れた様子は見られないが。
とても一人で持てそうにない量の荷物を軽々と持っているあたり、人間とは基本スペックが違いすぎるのだろう。
「……どうかした?」
「あ、いや。バナナおいしい?」
「……食感が独特だけどおいしい。これも何かに使える?」
先ほどお店でかった果物を食べているアイネ。とりあえず一通り味見してみて気に入ったものを後でまた購入する腹積もりだ。
「バナナはお菓子によく使うよ……生のままでも火を通してもどちらでもいけるねー。個人的には生のやつに生クリームあわせたのがすき」
そういえばと呟く加賀。
「パウンドケーキ以外のケーキ作ったことなかったっけ……材料いいのあったら作ってみようか」
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