27 / 332
26話 「登録完了」
しおりを挟む
カウンターへと向かう八木。
カウンターを見るその表情はあまり良くはない、先ほどの何とも言えない加賀の様子、それを見るにあまり良い対応はされなかったのであろうと予想がついたからだ。
(さてはて、どんな対応されるのやら…)
警戒しつつもカウンターへと近づく八木。
それに気が付いた職員が顔をあげ八木へと視線を向けた。
「…と言うわけでぇ、バーキンさんかマンフレードさんの所がおすすめですよぉ~」
「あ、はい」
受付嬢の八木への対応は常時笑顔で行われた。
八木からの質問に対しても嫌がるそぶりなど見せず、むしろ楽し気である。
今も特に聞いてもいないおすすめギルドの事を饒舌に語っている。
(なんか予想してたのと違う)
当初警戒していた八木であったが、こうにこやかに対応されると自然と硬い態度もほぐれてくる。
さらに先ほどからちらちらと視線を受付嬢の胸元に向けており、デレデレと鼻なの下を伸ばす様子を隠しきれていない。
当然、対面している受付嬢にはバレバレであったのか、口元に小さな弧を描きさらに体を前に傾ける。
胸元に注がれる視線はもはやチラ見というよりはガン見である。
(おぉぉ…っといかんいかん、あんま見すぎると気づかれる)
ちら見しているのを気づかれてはまずい。
そう思った八木は視線を上へと上げ、ふと受付嬢と目が合う。
(ん?)
感じたのは違和感。
元となるのは受付嬢の視線、口元に浮かぶ笑みに対しその視線は笑ってはいなかった。
(なんだろ?)
加賀に対してはあっさり終わったやりとり。
それに対しこの八木への対応、この違いは何だろうか。
少し考えた後、ある考えに至る。
(あー…そゆこと?)
何かに気が付いた様子の八木、連れを待たせてるからと断りをいれ席を立つ。
受付嬢が何やら引き留めようとしていたが、軽く手を振ると二人が待つテーブルへと向かった。
「…と、まあ受けるのは何でも良いし、まとめて受けても小分けにしても良い」
「なるほどー…小分けにすると月一ぐらいかぁ」
八木がテーブルに戻ると二人はだいぶ砕けた感じで雑談しているようだった。
バクスは腕を軽く組み椅子にもたれかかる様に座り、加賀は相槌を打ちながら残り少なくなったコップを傾けちびちびと舐めるように飲んでいる。
「3か月に一度は受けないといけないけどな…む? 終わったか、八木」
「あー、お帰り~。結構時間かかったねぇ」
「お待たせしやした、無事カード貰えたぜえ」
軽く言葉を交わすと3人はギルドを後にする。
ギルドをでて少し歩いたあたりで八木が口を開いた。
「そうそう…あの受付嬢だけど、昼間しかいないらしいぞ」
「へー……」
「だから次いくなら早朝か夕方にすると良いんでない?」
「……うん、そうすることにするよ、ありがとね」
受付嬢と聞いて疲れた様子で立ち止まり、返事を返す加賀。
再び歩き出した加賀を後ろで見つつバクスが口をひらく。
「大丈夫か? あれ」
「自分だけあの塩対応だからなあ……まあ、理由はなんとなく分かったんで後で様子見つつ話しておきますよ」
「ふむ……」
商業ギルドを目指し歩くこと十分ほどたっただろうか、道が少し開けたあたりで先を行くバクスが二人へと振り返る。
「ついたぞ、あれが目的の建物だ」
「おぉ…かなり立派、統合ギルドと遜色ないんじゃね?」
「うん…うん…なんか不安になってきた」
バクスと八木はためらう事無く扉を潜っていく。
加賀はというとさきほどの件をまだ引きずっているのか扉をみるその表情は不安げである。
だが、自分だけ入らない分けにもいかない、意を決した加賀扉へと手をかけるのであった。
「すごいまともだった」
「あれが普通だからな?」
二人のギルド登録はバクスの紹介もありあっさりと終えることができた。
二人の手元には鈍く光る金属プレートが握られている。
八木が加入したのは建築ギルド、加賀が加入したのは宿屋ギルドだ。
見習いであれば登録後どの親方の元で従事するかなど決めて行くことになるが、八木は見習いでは無いので誰かに従事するのではなく、自ら作った設計図を基に仕事を委託するという形になりそうだ。
加賀についてはバクスの宿屋で働くつもりでいたので、バクスに従事する事となる。
「そんじゃ、登録も無事できた事だし戻るとするかね」
バクスの言葉に頷く二人。
ギルドの登録も無事終わり、行きよりも幾分軽くなった足取りで家へと向かうのであった。
カウンターを見るその表情はあまり良くはない、先ほどの何とも言えない加賀の様子、それを見るにあまり良い対応はされなかったのであろうと予想がついたからだ。
(さてはて、どんな対応されるのやら…)
警戒しつつもカウンターへと近づく八木。
それに気が付いた職員が顔をあげ八木へと視線を向けた。
「…と言うわけでぇ、バーキンさんかマンフレードさんの所がおすすめですよぉ~」
「あ、はい」
受付嬢の八木への対応は常時笑顔で行われた。
八木からの質問に対しても嫌がるそぶりなど見せず、むしろ楽し気である。
今も特に聞いてもいないおすすめギルドの事を饒舌に語っている。
(なんか予想してたのと違う)
当初警戒していた八木であったが、こうにこやかに対応されると自然と硬い態度もほぐれてくる。
さらに先ほどからちらちらと視線を受付嬢の胸元に向けており、デレデレと鼻なの下を伸ばす様子を隠しきれていない。
当然、対面している受付嬢にはバレバレであったのか、口元に小さな弧を描きさらに体を前に傾ける。
胸元に注がれる視線はもはやチラ見というよりはガン見である。
(おぉぉ…っといかんいかん、あんま見すぎると気づかれる)
ちら見しているのを気づかれてはまずい。
そう思った八木は視線を上へと上げ、ふと受付嬢と目が合う。
(ん?)
感じたのは違和感。
元となるのは受付嬢の視線、口元に浮かぶ笑みに対しその視線は笑ってはいなかった。
(なんだろ?)
加賀に対してはあっさり終わったやりとり。
それに対しこの八木への対応、この違いは何だろうか。
少し考えた後、ある考えに至る。
(あー…そゆこと?)
何かに気が付いた様子の八木、連れを待たせてるからと断りをいれ席を立つ。
受付嬢が何やら引き留めようとしていたが、軽く手を振ると二人が待つテーブルへと向かった。
「…と、まあ受けるのは何でも良いし、まとめて受けても小分けにしても良い」
「なるほどー…小分けにすると月一ぐらいかぁ」
八木がテーブルに戻ると二人はだいぶ砕けた感じで雑談しているようだった。
バクスは腕を軽く組み椅子にもたれかかる様に座り、加賀は相槌を打ちながら残り少なくなったコップを傾けちびちびと舐めるように飲んでいる。
「3か月に一度は受けないといけないけどな…む? 終わったか、八木」
「あー、お帰り~。結構時間かかったねぇ」
「お待たせしやした、無事カード貰えたぜえ」
軽く言葉を交わすと3人はギルドを後にする。
ギルドをでて少し歩いたあたりで八木が口を開いた。
「そうそう…あの受付嬢だけど、昼間しかいないらしいぞ」
「へー……」
「だから次いくなら早朝か夕方にすると良いんでない?」
「……うん、そうすることにするよ、ありがとね」
受付嬢と聞いて疲れた様子で立ち止まり、返事を返す加賀。
再び歩き出した加賀を後ろで見つつバクスが口をひらく。
「大丈夫か? あれ」
「自分だけあの塩対応だからなあ……まあ、理由はなんとなく分かったんで後で様子見つつ話しておきますよ」
「ふむ……」
商業ギルドを目指し歩くこと十分ほどたっただろうか、道が少し開けたあたりで先を行くバクスが二人へと振り返る。
「ついたぞ、あれが目的の建物だ」
「おぉ…かなり立派、統合ギルドと遜色ないんじゃね?」
「うん…うん…なんか不安になってきた」
バクスと八木はためらう事無く扉を潜っていく。
加賀はというとさきほどの件をまだ引きずっているのか扉をみるその表情は不安げである。
だが、自分だけ入らない分けにもいかない、意を決した加賀扉へと手をかけるのであった。
「すごいまともだった」
「あれが普通だからな?」
二人のギルド登録はバクスの紹介もありあっさりと終えることができた。
二人の手元には鈍く光る金属プレートが握られている。
八木が加入したのは建築ギルド、加賀が加入したのは宿屋ギルドだ。
見習いであれば登録後どの親方の元で従事するかなど決めて行くことになるが、八木は見習いでは無いので誰かに従事するのではなく、自ら作った設計図を基に仕事を委託するという形になりそうだ。
加賀についてはバクスの宿屋で働くつもりでいたので、バクスに従事する事となる。
「そんじゃ、登録も無事できた事だし戻るとするかね」
バクスの言葉に頷く二人。
ギルドの登録も無事終わり、行きよりも幾分軽くなった足取りで家へと向かうのであった。
11
あなたにおすすめの小説
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる