拝啓神様。転生場所間違えたでしょ。転生したら木にめり込んで…てか半身が木になってるんですけど!?あでも意外とスペック高くて何とかなりそうです

熊ごろう

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森の賢人

「53話」

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小部屋での出来事から二日後。
俺とタマさんはギルドの側にある装備屋へと来ていた。

注文していた服を引き取るのと壊れてしまった盾を新調するためである。

翌日じゃないのはちょっと戦闘が激しかったこともあって、休息も必要ってことになったからだ。

おかげさまで思う存分もふって元気いっぱいです。

「おしおし、こっちはぴったりだ」

受け取った服は伸縮性があり、右半身がむっきむきの状態でも難なく着ることが出来た。
その分、左半身は大分余裕があるがダボダボというほどでもない、以前よりも伸縮性のある素材を使用してくれたのだろう。少し緩めの服程度で済んでいるのはありがたい。

「蔦出してみるニャー」

「おー、こっちも問題なし」

服の内側で蔦をシュルシュルと伸ばし、体に巻き付けていく。
服が内側からモコモコと膨れていくが、とくに引っかかるようなこともなく左半身を蔦で覆うことに成功していた。

「何か問題あったら言うとええ。 手直しするでな……盾の方はちと時間掛かるがええかの。 まず素材から用意せんと……ざっと10日ってところかの」

八ツ目からはぎ取った装備の内、一つはここの店員さんに渡してある。
オーガの装備よりも亜種である八ツ目のほうが素材としては優れているらしく、素材として使える部分が多いそうだ。

なので一つの装備で盾に使える分は賄えるだろうとのこと、余った分に関しては買い取りして加工代をさっぴいてくれるらしい。

「ありがとうございます、着た感じ特に問題はなさそうです。 これ、服の代金と盾の前金です」

「んむ、確かに」

店員さんにお礼をいって代金を渡す。
多少完成までに時間が掛かるが、その分いいものが出来るだろうと期待も大きい。

「それじゃお願いしますねー」

そう店員さんに言って俺たちは店をあとにした。




とりあえず装備関係はこれで大丈夫。
でもってギルドにも特に用事はないので俺たちはダンジョンへと向かっている。

あ、そうそうこの間リタさんの目があれだったのはね、実はオーガ倒した俺のためにギルド証を更新したの用意してくれていたんだそうなんだ。
んで、そこに八ツ目を狩ってきたもんでまたギルド証の更新が必要になって……と、別に怒られたわけじゃないんだけどね。

「今日はどうするニャ。 小部屋行くかニャ?」

「いくいく。 小部屋回って時間あまったらー……ちょっと能力の検証したいかな」

「ニャ。 ばっちこいニャー」

まずはお宝探さないとね!
ちょいと戦闘激しかったから1日休みいれた訳だけどさ、誰かに先越されるんじゃないかと内心不安でいっぱいだったのだ。

小部屋のあとは時間余るだろうから能力の検証をしたい。 敵から吸うのもだけど、ちょっと試したいことがあるのだ。

まあ、まずは小部屋に行きますかねー。



歩くこと……というか走ることしばし、俺たちは小部屋の入り口があった辺りまでたどり着いていた。

「えーと……どこだっけ?」

さてはて入り口はどっこかなーと、辺りを見渡すが入り口らしき物は見当たらない。

「そこニャ」

「え、どこどこ」

タマさんがそこだと前足で指し示すがそれらしいものは見えない。
俺の目がおかしくなったか?としゃがんでみたりジャンプしてみたりと色々試すがやはり見えない。

「魔法解除してないから見えるわけ無いニャ」

「……」

……タマさんめやってくれるっ!

こいつめこいつめと頬を指で突いたら噛まれた。解せぬ。



ほどなくしてタマさんが魔法を解除してくれたので、小部屋の入り口が再び俺たちの前に姿を現した。
タマさん曰く俺たち以外の誰かが入った痕跡はないとのこと。よかったよかった。

「ニャ。 行くかニャ」

「おっし、宝箱探すぞー!」

そして俺たちはお宝を目指して小部屋の探索を始めるのであった。




だがしかし……。

「見つからない……」

地面に力無く横たわる俺。
小部屋を全て回ってくまなく探したと言うのに宝箱は見つからなかった。宝箱なんてなかった!

くそう……期待していただけにショックもでかいぞう……これはもうタマさんに慰めて貰うしか無いよね?


香箱座りしているタマさんにそっと手を伸ばしたら噛まれた。ひどい。

タマさんは俺に追撃で猫パンチをいくつか入れ、満足したのかすくっと立ち上がる。
そろそろ戻るのかな? もうちょい探したい……と言いたい所だけど本当、宝箱なんてなかったしなあ。

しゃーない諦めるかーと埃を払って俺も立ち上がる。

んじゃ行きますかね。

「それじゃ見つけたの開けにいくニャ」

ほいほい。
……ほい?

「何個かあったニャ」

「え? うっそ! そんな箱なんてなかったよー?」

何個かあったとタマさんは言うけど本当になかったよ??
実は米粒サイズなんですーとかじゃなければ見落としてなんかいないはずだ。

「別に箱とは限らないニャー……例えばそこに転がってる石板とかそうニャ」

「え……っ!?」

なんだとーう!?
確かに石板転がってるけど、いやでもこれどう見てもただの石ば開いたわ。

まじで開いたわー……。
石板がぱかりと割れ、中には小判型の金属ぽい何かが納められていた。
念願の宝箱を開けたわけだけど、嬉しさよりショックがでかくてもうね。


「そんな感じで箱の場合もあるけど、そのへんの構造物に紛れてることが多いニャ」

「なるほど……! よっしゃ探すぞー!」

まあいい!
とりあえず宝箱があることは分かったんだし!
次は箱以外も気を付けるようにすればきっと俺でも見つけられるはずっ、探すぞー!



と、その前に。

「……ところでこれなーに?」

宝箱の中身が気になるのです。
ぱっと見はただの金属なんだけどね。宝箱産なわけですし?きっとただの金属ではないはず。

と言うわけでタマさんに聞いてみたのだけど。

「……ニャガッ」

「噛むのっ!?」

タマさんスンスンと金属の匂いを嗅いだかと思うと、がぶっと噛みついたのですよ。

そんなんで何か分かるもんなのか。
たぶん魔法使ってるんだろうけど何かすごいね。

「食べ物じゃないニャ」

「そりゃ見たらなんとなくわかるけど……」

ただ匂い嗅いで噛んだだけじゃん!!
俺の期待を返してっ。

「ギルド戻ったら調べるニャ。 宝箱の中身は良いものもあるけど、ガラクタもあるニャ。 それもあたりかどうか調べるまで分からんニャー」

「あ、そうなんだ……」

ギルド戻れば分かると……鑑定するアイテムとかあるのかね?
てっか、宝箱の中身ガラクタもあるって……まじかいな。

いや、まあ確かに。ゲームとかでも宝箱の中身があたりとは限らないし。中にはミミックとかの場合もあるわけで……ううむ。

まあ、気を取り直してほかの宝箱探しに行きますかー……。
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